木村多江の怖さで上昇数トップ

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『あなたには帰る家がある』(左から)藤本敏史、木村多江、玉木宏、中谷美紀、ユースケ・サンタマリア、高橋メアリージュン

初回からの盛り上がりを示す満足度の上昇数でトップなのが、中谷美紀主演の『あなたには帰る家がある』(TBS系、毎週金曜22:00~)。初回と第2話の満足度はともに3.42とスタートが鈍く、「どこにでもある感じの話」(50歳女性)、「こういうテーマのドラマは好きではない」(65歳女性)と、このドラマのテーマである“不倫”に対してあまり支持を得られていなかった。

しかし、不倫が妻にばれ、ドロドロの展開が幕を開けた第3話で初めて3.72と高満足度のラインを超えると、回を追うごとにドロドロ展開の濃度が高まっていくのと比例するように満足度も上昇。第8話で自身最高、単回計算でGP帯ドラマ最高の4.03を記録した(1話からの上昇数は0.61)。

高満足度を記録して以降の視聴者の感想をみると「木村さんが心底恐ろしい」(57歳女性)、「木村多江さんが怖い。壊れた自分勝手な女をうまく演じている」(55歳女性)、「とにかく木村多江さんが怖すぎ」(52歳女性)、「ゾッとする木村多江の演技が素敵」(24歳女性)など、“怖すぎる木村多江”の嵐。そのキャラクターの面白さからドラマは大いに盛り上がり、視聴者の満足度も高まった。

全回で高満足度のラインをキープ

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『ブラックペアン』竹内涼真(左)と加藤綾子

その他、この春ドラマで初回から安定して満足度が高いのは二宮和也主演の『ブラックペアン』(TBS系、毎週日曜21:00~)。初回満足度トップの3.82でスタートすると、その後一度も高満足度のラインを下回ることなく高位置をキープし、平均満足度3.88と今期トップの成績を誇っている。

高満足度の理由は“迫力あるオペ”にあるようだ。「見ごたえある作品。心臓手術シーンは緊迫感、リアル感もあり」(51歳男性)、「緊張感溢れるオペシーンがすごい」(68歳女性)、「オペシーンは迫力があって見ていてすごい」(67歳男性)と、いわゆる“ゴッドハンド”を見せるオペシーンの迫力はもちろん、「スナイプ」や「ダーウィン」など、かつてない医療マシーンの登場もあり、これまでの医療ドラマにはなかった迫力が生まれ、視聴者の満足感を常に高めている。


今期は1話で完結するどこからでも見やすいドラマよりも、先の『モンテ・クリスト伯』や『あなたには帰る家がある』のほか、一度見逃すとついていけない難解なストーリーが魅力の『シグナル』も好調な推移を見せていることから、毎週見逃せない“連続ドラマ”が、より満足度を高めている傾向だ。テレビドラマの醍醐味は、その毎週待ちきれないワクワク感にある。今期は、その面白さを再認識させてくれる良いクールになったと言えるかもしれない。