京都鉄道博物館は20日、青函トンネル専用機として活躍するJR貨物EH800形の入線シーンを報道関係者らに特別公開した。

  • 多くの来場者が集まる中、EH800形が京都鉄道博物館に入線

EH800形は2016年3月の北海道新幹線新青森~新函館北斗間開業に合わせて導入された電気機関車。在来線・新幹線に対応するため複電圧方式を採用し、運転保安設備は新幹線用の地上設備に合わせている。通常、EH800形は東青森駅から函館貨物駅までの区間を走行するため、今回の展示がEH800形にとって初の関西乗入れとなった。

当日はオープン前から、EH800形の入線シーンを見学するために多くの鉄道ファンが列を成していた。報道関係者らが館内に入った際、EH800形11号機は嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車と並び、入線の時を待っていた。開館時刻の10時を過ぎ、EH800形はDE10形1104号機の後押しで館内に入線。途中、安全確認のために何度か停車し、最後はゲストの子供たちの合図により、所定の位置まで進んだ。

EH800形は全長約25m、重量は100トン以上とのことで、目の前で見ると迫力満点。関西ではあまり見ることのできない赤色の電気機関車ということもあり、多くの来場者たちの熱い視線がEH800形に注がれていた。

  • 嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車と並んでいたEH800形が本館へ入線

  • EH800形の運用表に「京都鉄道博物館」と記されている

  • ゲストの子供たちと記念撮影。今回の公開では、EH800形を上から見ることもできた

特別公開に合わせ、EH800形の隣にはJR貨物のコンテナ車コキ107形が2両展示された。コキ107形は次世代のコンテナ車として、北海道だけでなく全国各地で活躍している。今回の公開では、コキ107形に載せられた49A形式コンテナの内部も見学できた。49A形式コンテナの全長は約9m。想像以上に広いことに驚かされる。このコンテナは両側面を全開放することができ、フォークリフトによる荷役作業の省力化に貢献しているという。

「北海道オホーツク」と書かれた北海道仕様のコンテナも見かけた。JR貨物の社員の説明によると、このコンテナは「北海道だけでなく全国各地でも見られる可能性がある」とのこと。北海道から大量の農産物を載せ、九州まで乗り入れることもあるそうだ。

  • EH800形の隣にコンテナ車コキ107形が並ぶ

  • コキ107形と49A形式コンテナ

  • 49A形式コンテナの内部

  • 北海道から運ばれる荷物の一例も紹介された

JR貨物の電気機関車EH800形は1月28日まで、京都鉄道博物館の本館1F「車両のしくみ/車両工場エリア」で公開されている。1月21日には、子供制服での記念撮影会、コンテナ内部への乗車体験、JR貨物グッズ販売が⾏われる。