俳優・中井貴一がテレビ東京のドラマに初めて出演し、主演を務める。新春ドラマスペシャル『娘の結婚』(1月8日20:00~)は、『東京バンドワゴン』シリーズで知られる小路幸也の同名小説を実写化し、男手一つで育てた娘の結婚に揺れる父と娘の姿を丁寧に描く、正月にじっくり観たいホームドラマとなった。
波瑠、満島真之介といった新進の若手と、光石研、奥貫薫、キムラ緑子、段田安則、原田美枝子といったベテラン陣の真ん中で、"今時珍しい"というホームドラマを作り上げる中井は、過去の芸能界も振り返りながら、現在の「閉塞感を打破するのは面白い」と語る。
今時ちょっと珍しいホームドラマ
――台本を読んで、また撮影に入って作品に抱いた印象について教えてください。
最近のテレビドラマではちょっと珍しいホームドラマだなぁと。原作を読んだ段階で、昔は当たり前だったけど、今の時代に珍しいドラマになりそうだったので、逆に今やるべきじゃないかと思いました。実際撮影に入っても、日常の中のちょっとしたおかしさを表していて、ただのシリアスな作品ではなく、常に少し笑いながら見られるようなものになったのではないかと思います。
――共演の波瑠さんについては、いかがですか?
映画(『アゲイン 28年目の甲子園』)で共演したんですが、ここ数年、特に朝ドラをやってからとってもたくましくなりましたね。不器用な人だと思うんだけど、役を掴む、感情をコントロールする力をすごく持てるようになったと感じました。
――それは役のように、父親的な目線だったりするんですか?
そうですねえ。もっと男の感じ、出したいんだけど(笑)。でも波瑠さんは、最初に共演したときも、僕の同級生の娘役だったんですよ。だから「いい女だな」というより、「成長がうれしいな」という視点で見てしまいますね。
――ぴったりの配役だったんですね。もし他の方だったら、娘としてではなく見ていたのかもしれない。
そうかもしれないです。そうありたいです(笑)。