ハンバーガーチェーンのフレッシュネスが規模拡大に意欲を示している。店舗数を現状の倍以上となる400店に増やす構えで、これは日本のハンバーガー業界でマクドナルド、モスバーガーに次ぐ3位の座をロッテリアと争うくらいの模観だ。商品、店の雰囲気、価格帯など、業界では独特な立ち位置を占めるフレッシュネスだが、これを守りつつ店舗を急拡大できるのか、それとも別の考え方があるのか。同社を率いる船曵睦雄社長に話を聞いた。

フレッシュネス代表取締役社長の船曵睦雄氏

現状164店舗を倍以上に

1992年に渋谷区富ヶ谷で個人商店として創業したフレッシュネスバーガーは、今年で25周年を迎える。アーリーアメリカン調の内外装や、創業当初から「ネギミソバーガー」を用意したメニュー展開の独自性など、富ヶ谷1号店の特徴は、チェーン展開に舵を切ったフレッシュネスにとっても基本となるコンセプトだった。

創業当時の富ヶ谷1号店

ピーク時に国内外で約200店舗程度まで拡大したというフレッシュネスバーガーだが、店舗数は現状で164店まで減っている。そんなフレッシュネスは2016年12月、コロワイドグループに買収され、同グループで「牛角」「しゃぶしゃぶ温野菜」「かまどか」などを運営するレインズインターナショナルの傘下に入った。

創業時の定番メニューだった「ネギミソバーガー」。フレッシュネスでは現在、期間限定の復刻キャンペーンを実施している

一度は縮小したフレッシュネス、再び拡大路線へ

船曵氏がフレッシュネスに関わり始めたのは3年前で、社長就任はコロワイドグループ入りの後だ。チェーンとして拡大路線を歩んだフレッシュネスが、現状の規模に落ち着いた要因として同氏は、「出店を加速すれば当初のコンセプトを薄めざるを得ない。全国に拡大する中で当初のコンセプトとずれた出店もして、どこかで限界がきたのでは」(以下、かっこ内は船曵氏)と分析する。収益が悪化する中では再投資もままならず、例えば店舗の改修が遅れるなど、ハード・ソフト面で劣化している部分もあったという。

そんな状況下でフレッシュネスに関わるようになった船曵氏だが、フレッシュネスについては「そうはいっても、商品力は非常に強いブランド。まだまだ良くもできるし、広げることもできるとは当初から思っていた」とし、400店舗という目標についても「164店しかない割には知名度も高いし、いいイメージを持っている方も多く、商品力もある。店舗拡大の可能性はあると思っている」と話す。