芸能界だけでなく当てはまる話

――今回はお笑い芸人を通して、芸能界での青春がリアルに描かれていましたが、共感したところなどはありましたか?

草間:自分が当事者ではないんですけど、同じくらいに出た人らでも、片方が急に売れて片方が伸び悩んでるという話は、ほんまに気持ちがわかったわけじゃないんですけど「こんな感じなんや」と思いました。この先自分らにもそういうことがあるのかなと思ったら、ちょっと怖くはありました。

室:作品の中で「売れてる芸人より俺らの方が絶対おもろいのに」とか、そういう場面がありましたけど……。

向井:……(笑)。

室:いやそんな、違いますよ!? 調子乗ってるとかじゃなくて!(笑) そういう風に思うところは、リアルでもあるかもしれないなと思いました。

向井:誰、誰? 誰に対して?

藤原:例えば?

室:ちゃうやん!! ちーがーう! そういうんじゃないから!

西畑:お笑いもそうですけど、普通の会社でも、同期が先に出世して自分が伸び悩むということはあると思うんですよ。最初は賞レースで勝っていたエンドレスやからこそ、急降下に葛藤もあったと思いますし、生きていたらそういうことあるのかなと思いました。ジャニーズJr.で生きていてもそうです。

向井:ジャニーズの世界でも、一緒に頑張ってきた人が、後ろの方に行ってしまったりとか、リアルにあります。でもピンクらくだは、エンドレスの人気を超えられた。落ちても頑張ったら上に行けるんだぞということを、改めて思いました。より、頑張ろうとなりました。

――すごくいい話ですね。

向井:ほら! (室に投げキス)

室:ええって!

藤原:大吾も言っていたように、芸能界だけでなく会社や学校でも、頑張っても報われない人もおれば、いきなりポンと上がる人もおる。ジャニーズでも、デビューしている人が後輩ということも、全然あるんです。最近やとジャニーズWESTの小瀧望や藤井流星が後輩なんで、そういう面では結構リアルですよね。でも諦めず、エンドレスが2人で同じ方向性に向かっていくというのが1番やし、しっかり夢に向かって着々と身につけるのが、大事だなと思います。

仲間の演技に刺激を受けた

――お笑いシーンも本格的で、漫才やコントの練習も大変だったんじゃないかなと思いました。

西畑:僕はやっぱり丈くんに助けられたところがすごく多くて。「一緒にやろうや」って言ってくれたりもしましたし。

藤原:寝る場所もエンドレスとピンクらくだで分かれたので、ちょっとでも空き時間があれば2人で漫才みたいな。ほんまに芸人さんみたいなことやってました。

向井:ピンクらくだはコントで室くんがグロテスクマンになってましたけど、本人が1番気に入ってましたから。「ポーズどうしようかな」って、1番練習しなくていいのに練習してた。

室:いやいや、ああいうの初めてやったから。

草間:ずっとやってたよな(笑)。

――室さん、藤原さん、草間さんは普段も一緒にお笑いの舞台に立たれているそうですね。

室:僕らは劇場でやる漫才やコントの仕方しか知らなかったので、テレビや映画で見せるやり方との違いが今回でわかりました。

西畑:言うてること、ほんまに芸人さんですよね。

向井:ツッコミも、例えば「普通やんけ!」というのが定番やと思ってたんですけど、テレビ向けだと「ふつ~じゃないですか~!」という、合いの手ツッコミみたいな。本物の芸人さんには恐れ多いですけど。

――お芝居の面では、お互いを見て改めて印象的なシーンはありましたか?

向井:試写を見たときに、大吾の芝居がいいなって、刺激をもらいました。悔しいときもあるんですけど、そう思えるのはすごくいいことだと思います。大吾の涙がこぼれそうでこぼれなくて、目の辺りに見えない手があって押さえているみたいな。……今、僕の表現方法が独特でしたけど。

室:自分で言った(笑)。それな、人からつっこまれるやつ!

藤原:でも、今のすごく良かった。

向井:いやちょっとクサすぎたかなと思って! 俺今日、俳優モードやから!! やり直していい? 涙がこぼれないように、目の辺りに見えないワイパーがあるみたいな。

西畑:拭いてもうてるやん!

向井:やっぱ涙ってこぼれるものじゃないですか。でもあえてこぼさないというか。良かったです!

一同:(笑)

西畑:俺には、心のワイパーがあったってことだよね(ワイパーのジェスチャー)。

草間:ここの3人(西畑、向井、室)は何回かやっているということもあって、初めから役作りは早かったかなと思いますね。そういうところは見ながら、かなわんなと思いましたし。

西畑・向井・室:(ニヤニヤ)

草間:……照れんのやめてくれます?(笑)

室:俺は康二が、二枚目もいけるんやなって感心しました。

向井:そうよ、いけんのよ。

藤原:僕はやっぱり大吾とのシーン。撮影だから区切って流れが途切れてしまうのに、監督が「ハイ」って言った瞬間にぐっと涙が出てきて、撮影中でしたけど普通に「スッゲー」と思って。

西畑:いや~、恥ずかしい!

藤原:一番目の前で見ていたので、すごかったです。

西畑:僕は、一人ひとりの個性すごく立っていて、自分が出ていないシーンでいいシーンだなと思ったところもありましたし、ぞくっとしたシーンもありました。すごい楽しくできたので、嬉しかったなと思います。