一気に蒸し暑い日も増えてきた今日この頃。いよいよ本格的な夏の到来ですね。

インテリアに気を遣う方であれば、自慢のお部屋にも季節感を取り入れたいもの。そこで今回は、夏らしく涼しげなお部屋を作るコーディネートのポイントについてインテリアコーディネーターの内田先生にお聞きしました。

夏にぴったりのインテリアについて教えてください。

日本の夏は、高い湿度のせいで実際の気温以上に暑苦しさを感じてしまいます。ここはぜひ、まだ冷房がなかった時代の、昔の人の知恵をインテリアに取り入れてみてはいかがでしょうか?

ポイントは『吸放湿性』です。この機能を持った素材は、湿度の高い時には空気中の水分を吸収し、逆に乾燥した時には蓄えた水分を放出してくれます。お部屋のファブリックを吸放湿性の高い素材にすることで、高温多湿な季節でもジメジメの原因解消に役立ってくれるというわけです。

まず手軽さでオススメなのは、下着や布おむつに使われ、高い吸放湿性を持ち、夏を快適に過ごす素材としてファッションとしてもよく知られているリネン(亜麻)や綿ガーゼ。インテリアでも、寝具やカーテンに取り入れてみるのはいかがでしょう。汗を素早く吸収し、乾くのも早いため、サラッとした肌触りにも清涼感があり、見た目もナチュラルで涼しげです。暑い季節にぴったりの素材だと思います。

もう1つのオススメは「い草』。畳の原料であるい草には、吸放湿性以外に抗菌やリラックスの効果もあり、蒸し暑い日本の夏を乗り切るために、昔からさまざまな場所で活躍してきた日本の伝統素材です。

一見和風なイメージですが、実は現代のインテリアとの相性も高いと思います。オシャレにアレンジされたものが多く登場しているのもポイントです。お部屋のラグマットをい草素材に変えれば、夏の大敵である足の臭いを除去する効果も期待できますし、湿度調節機能のおかげで寝転がっても熱がこもらず、肌触りひんやり。湿度が高くても快適に過ごすことができるでしょう。お部屋に自然素材が増えると見た目にも涼しさを感じられます。

そのほかに清涼感のあるアイテムはありますか?

涼しげな素材といえばやっぱり「ガラス』です。食器をガラス素材にすれば食卓が涼しげに感じられるでしょう。予算に余裕があればガラステーブルを置いても涼感演出になります。

また観葉植物でも夏らしさをアピールすることができるでしょう。オススメなのは最近とても人気が高く、100円ショップでも手に入るようになったエアプランツです。もともと熱帯地域に生息するエアプランツは夏の暑い気候が似合う品種。「生きたオブジェ』とも呼ばれるほど見た目もオシャレな上、空気中の水分を吸収する働きまで持っているという夏にピッタリの植物です。

こまめな水やりが不要で育てやすいエアプランツですが、それでも面倒と感じる方はこの際フェイクを飾るのも手でしょう。表面がザラザラとして白っぽい独特の質感を持つエアプランツは、他の植物に比べても本物とフェイクの見分けがつきづらいのが特徴です。これなら水やりの手間もかかりません。

最後に、どんな色合いのインテリアが夏には合うのでしょう?

夏のカラーとして真っ先に思いつくのはブルーなどの寒色系ですが、あまり広範囲に使うと、かえって寒々しく落ち着かない印象を与えてしまいます。青を使うなら差し色で。メインには白系の薄いカラーをセレクトして清涼感を出すのがオススメです。

また、清潔感を最優先するなら真っ白がベストですが、『白』を選ぶ時にもポイントがあります。漂白したような真っ白すぎる白色には緊張感があるので、敢えてオフホワイトやベージュなど、の色味を少し加えると、それだけで純粋な白よりもナチュラルで自然な印象を与え、部屋のイメージにこなれたオシャレさが出るでしょう。

《取材協力》
内田芳美さん(インテリアコーディネーター)
カーテン販売会社の営業を経て、現在スタイリクスの専属インテリアコーディネーター 兼オンラインショップマネージャー。ホームページの実例集のスタイリングディレクター の他、テレビ出演や大手企業のセミナー講師なども務め、幅広い分野で活躍中。

家具インテリアコーディネートショップSTYLICS(スタイリクス)
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