三菱航空機は6月1日、次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi RegionalJet)に関するWEB情報発信ツール「MRJ Newsletter」第25号にて、5月のトピックスを発表。MRに搭載しているP&W製・PW1200Gエンジンが米国連邦航空局(FAA)の型式証明を取得したほか、北米でのMRJ推奨機体MRO(Maintenance, Repair and Overhaul: 整備・修理・分解点検)を担うパートナー2社と正式契約を締結したことなどを報告している。

モーゼスレイクフライトテストセンターでは、試験機4機を効率的に使用し、ハイレートで各種試験を実施している

プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney: P&W)製のPurePower Geared Turbofan PW1200Gエンジンはこのほど、FAAの定める型式証明の要件クリアに向け、15種類を超えるシステムレベルの基幹試験に成功した。これらの試験を通して、性能・耐圧・耐荷重・耐久性・排出ガス・騒音・鳥衝突・ファンブレードコンテインメントといった項目において、型式証明取得にあたり必要とされるデータを獲得した。

MRJはMRJ70、MRJ90ともに、2基のエンジンを搭載しており、PW1200Gエンジンの性能を最大限に引き出すように機体の設計を最適化している。また、エンジンに採用された先進技術が現行のリージョナル機と比べて機体の運航コストを10~20%、最新の基準に対して排出ガスを50%低減する。

プラット・アンド・ホイットニー製のPurePower Geared Turbofan PW1200Gエンジン

また三菱航空機は現在、最新の安全性適合基準を満たすべく、MRJの電気配線全体の設計変更作業を実施。このほど、この作業のパートナーとしてLatecoere Interconnection Systems社(旧LATelec社)を選定した。今回のLatecoere社の参画は、三菱重工および三菱航空機が1月に発表した設計課題の解決に向けた一歩となる。三菱航空機本社では最先端の設計ツールを導入し、Latecoere社と三菱航空機が一体となったエキスパートチームにて、作業を加速していく。

Latecoere社と三菱航空機で結成されたチーム

三菱航空機が北米におけるMRJの推奨機体MROを担うパートナーとして提携したのは、HAECO Americas社とPEMCO World AirServices社の2社。基本合意については2016年に発表されている。今回の契約により、推奨機体MROに関わるカスタマーサポート体制が大幅に強化でき、今回の正式契約を契機として、更なる高品質なカスタマーサポートの提供を目指す。

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