東京商工会議所は3月7日、「中小企業の経営課題に関するアンケート結果」を発表した。調査期間は1月5日~25日、有効回答は会員企業の中小・小規模企業1,458社。

売上拡大に向けた課題「人材の不足」

直近の収益状況を尋ねたところ、「黒字」が57.9%、「収支トントン」が28.2%、「赤字」が13.9%となり、計9割弱が採算を確保していた。しかし、規模や業種によって大きな差がみられ、「建設業」では66.8%が黒字だった一方、「小売業」では35.8%にとどまった。

直近の収益状況(経常利益)(出典:東京商工会議所Webサイト)

売上状況については、37.3%が1年前と比べて売上高が「増加」していると回答。ただし売上高を「量」と「単価」に分解した場合、「販売・受注量」が増加している企業は36.5%だったのに対し、「販売・受注単価」が上昇している企業はわずか17.8%だった。東商は「売上増加は『量』の増加に起因している」と分析している。

売上拡大に取り組む上での課題を聞くと、73.8%が「人材の不足」と答え、特に建設業では87.8%に上った。東商は人材不足が「大きな足枷になっている」と指摘している。

1年前と比べた事業コストについては、「人件費」は64.4%が上昇、「商品仕入単価・原材料費」は50.9%が上昇、「燃料・水道光熱費」は58.0%が不変と回答。また事業コストが上昇した分の商品・サービス価格への転嫁については、9割弱の企業が十分に転嫁できていなかった。

2016年中に設備投資を「実施した」企業は50.2%。2017年もほぼ横ばいの53.34%が「実施予定」と回答した。