NVIDIAは、米国時間の2月28日、カリフォルニア州サンフランシスコ市内でGAMER'S EVENTを開催し、Pascalアーキテクチャ世代の新しいハイパフォーマンスデスクトップGPUとなる「GeForce GTX 1080 Ti」を発表した。来週から、NVIDIA自身の設計によるFOUNDERS EDITIONを、NVIDIA直販とAIC(Add-In-Card)パートナー各社を通じて発売する。市場想定価格は、699ドル(78,288円:1ドル=112円換算時)。

NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti

NVIDIA GeForce GTX 1080 Tiを披露するジェンスンファンCEO

GeForce GTX 1080 Tiは、TSMCの16nm FinFETプロセスで120億トランジスタを集積したPascalアーキテクチャの"GP102"コアをベースとし、フラグシップモデルのNVIDIA TITAN Xの最新モデルと同じく、3,584基のCUDAコアを統合するが、メモリインタフェースは若干削られ、352bit幅に変更されている。

上がTITAN X、下がGTX 1080 Tiのブロック図だ。同じGP102コアなのでCUDAコア数やSMの規模は同じだ。ただ、L2キャッシュとメモリコントローラがGTX 1080 Tiでは削減されている

ちなみにこちらがGTX 1080(GP104コア)のブロック図

一方で、メモリにMicronの第2世代GDDR5Xメモリを採用することで、11Gbpsの広帯域を実現、さらにベースクロックを1,480MHz、Boostクロックを1,582MHzに高めたほか、FOUNDERS EDITIONでは2GHzへのオーバークロックも可能だとし、TITAN Xよりも優れた性能を発揮すると言う。なお、本製品の主な仕様と、現行製品との比較は以下のとおりだ。

TITAN Xよりも優れた性能を発揮するとアピール

「Paragon」における動作デモ

上が定格で下がオーバークロックでの動作となる。2GHz以上で動作する。大幅なオーバークロックだがGPU温度は66度に抑えられている

製品名 GeForce TITAN X GeForce GTX 1080 Ti GeForce GTX 1080
GPUコア GP102 GP102 GP104
トランジスタ数 120億 120億 72億
CUDAコア数 3,584基 3,584基 2,560基
GPC 6 6 4
SM 28 28 20
テクスチャユニット 224 224 160
ROP 96 88 64
ベースクロック 1417MHz 1480MHz 1607MHz
ブーストクロック 1531MHz 1582MHz 1722MHz
メモリインタフェース 384bit GDDR5X 352bit GDDR5X 256bit GDDR5X
メモリ容量 12GB 11GB 8GB
メモリスピード 10Gbps 11Gbps 10Gbps
LLC 3,072KB 2,816KB 2,048KB
TDP 250W 250W 180W
補助電源コネクタ 8ピン+6ピン 8ピン+6ピン 8ピン

来週にもFOUNDERS EDITIONを発売。価格は699ドル

なお、GeForce GTX 1080 Tiについての詳細はのちほど改めて紹介する。

GeForce GTX 1080 / 1060のオーバークロックモデルも追加

また、NVIDIAは、GeForce GTX 1080 Tiの発売にあわせ、現行モデルであるGeForce GTX 1080と同1060に、メモリを強化したオーバークロックモデル「GeForce GTX 1080 11Gbps OC」と「GeFoce GTX 1060 9Gbps OC」の2モデルを追加し、AICパートナー各社から市場投入されることを予告した。

従来製品についても、メモリ高速版の投入を予告

GeForce GTX 1080 11Gbps OCは、GeForce GTX 1080 Tiと同じ、11Gbpsのメモリスピードを実現した第2世代GDDR5Xメモリを採用、一方、GeFoce GTX 1060 9Gbps OCは、従来最速のGDDR5メモリよりも1Gbpsメモリ速度を高速化したモデルとなる。なお、GPUそのものには変更はないため、ベースクロックやBoostクロックについては、パートナー各社の独自仕様になると思われる。