きれいな歯は健康の源だ

歯は私たちが毎日食事をするうえで欠かせない。その大事な歯を健康的に保つために必要となるのが歯磨きだ。歯磨きが口臭虫歯予防に有効なのは広く知られているが、近年は口腔(こうくう)内環境とさまざまな疾患の関連性が指摘されている。

海外のさまざまなニュースを紹介する「MailOnline」にこのほど、「歯磨きと健康被害」に関するコラムが掲載されたので紹介しよう。

同コラムによると、歯科医師たちは毎日2回の歯磨きを怠ると、「歯のぐらつき」「歯茎からの出血」「冠動脈心疾患」などの健康被害を招く恐れがあると指摘しているという。以下がその具体例だ。

口臭
歯磨きを怠ると口腔内の菌が繁殖する。さらに食べカスが口の中に残ると、菌の繁殖を手助けし、息が臭くなる原因となる。また、歯と舌をきれいにしなければ歯垢(しこう)がたまる。歯垢がたまっていくと息が臭くなるだけではなく、虫歯になったり、歯に取り返しのつかないダメージを負ったりするリスクも出てくる。

冠状動脈性心疾患
口腔内の毒素とバクテリアが血流に入り込み冠動脈に付着すると、塊を形成して心臓発作につながる閉塞(へいそく)を引き起こす可能性があるとのこと。

歯茎の出血
歯磨きをすると歯茎まで血液が行き届き、口腔内の健康に役立つ。歯磨きを怠ると歯茎が炎症を起こして出血することになる。

歯のぐらつき
歯磨きを怠るとやがて歯周炎を引き起こすようになる。歯周炎を治療しなければあごの骨にダメージを与え、歯茎と歯の間に隙間ができるようになる。そうすると、歯がグラグラするようになる。

歯の変色
赤ワインやカレー、コーヒーなどの色の付いた食べ物や飲み物は歯に着色しやすい。歯磨きを怠れば当然、白い歯が変色していくことになる。

そのほかでは、歯周病と糖尿病や低胎児出産との関係性も指摘されている。歯が不健康だと、さまざまな弊害を招く恐れがあるわけだが、記事内では「完璧なブラッシング方法」についても紹介されている。この方法を参考にするなどして、毎日の丁寧な歯磨きを心がけたいものだ。

完璧なブラッシング方法

■少なくとも2分間にわたり、朝食前の朝と就寝前の夜の一日最低2回は、歯を磨く

■毛が柔らかいブラシとフッ素配合の歯磨き粉を用いて磨く

■歯ブラシで歯茎と歯の表面の両方を磨き、ブラシと歯茎の角度は45度を維持する。また、前後にゴシゴシ磨くというよりも、円を描くようにゆっくりと歯ブラシを回しながら磨く

■歯ブラシは3カ月ごとに交換する

※写真と本文は関係ありません


記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。