東京急行電鉄は13日、2016年度の鉄軌道事業設備投資計画を発表した。2017年度の導入をめざし、田園都市線の新型車両の製造に着手することも明らかにされた。

東急田園都市線で活躍する8590系(写真左)・2000系(同右)

田園都市線は渋谷~中央林間間を結び、東京メトロ半蔵門線・東武スカイツリーラインと相互直通運転を行う。東急電鉄が所有する田園都市線の車両は5000系・8500系・8590系・2000系など。8500系は1975年のデビュー以来、40年以上にわたって田園都市線の主力として活躍している。8590系は1988年、2000系は1992年に導入された車両で、ともに東武スカイツリーラインへの直通運転は行わない。

東急電鉄によれば、田園都市線の新型車両は「故障につながる予兆を早期に発見し、故障を予防する監視システムの導入」「ブレーキシステムの変更によるブレーキ性能の向上」により安全性を高めるとともに、車いす利用者でも乗車しやすいフリースペースを全車両に設置するなど、「さらに安心・快適な車両」になるという。サイネージを増設して情報サービスを充実させ、消費電力の削減や車内外騒音の抑制にも取り組む。車両デザインなど詳細は決まり次第、改めて発表される。

田園都市線の5000系6ドア車両。4ドア車両への置換えが順次進められる

田園都市線では、ホームドア整備の課題となっていた6ドア車両の4ドア車両への置換えを今年度も進める。ホームドア整備は昨年度の5駅(東横線元住吉駅、田園都市線宮前平駅など)に続き、今年度は東横線自由が丘駅・日吉駅・菊名駅(上り)、田園都市線二子玉川駅、大井町線中延駅など12駅で工事に着手する予定。2020年までに東横線・田園都市線・大井町線全64駅のホームドア整備をめざすとしている。

さらなるセキュリティレベル向上を目的に、昨年度から実施している車両内防犯カメラの設置も順次進め、2020年までに同社所有の全車両に設置する。踏切の安全対策として、3D式踏切障害物検知装置を池上線の6カ所に新設。大規模地震で甚大な被害の恐れがある高架橋柱についても、今年度中に耐震補強工事を完了させる予定だという。

東横線・田園都市線渋谷駅とJR渋谷駅の主要な乗換経路となっている出入口14番において、エスカレーターの増設など改良を行い、2017年夏に仮説出入口として使用開始する予定。渋谷駅における他の主要な出入口付近のエレベーター・エスカレーターの整備も、今年度の工事着手を目標に検討を進めるとしている。

戸越銀座駅では、多摩産材の木材を使用したリニューアル工事が今秋竣工。五反田駅で旅客トイレ新設をはじめとする改良工事を進め、菊名駅・用賀駅・雪が谷大塚駅などでさらなるバリアフリー工事に着手する。祐天寺駅では2017年3月から通過線の供用を開始する予定。これにより、東横線の所要時間短縮・速達性向上が図られる。

東急電鉄の鉄軌道事業における今年度の設備投資の総額は計489億円。輸送障害の未然防止などの安全投資に240億円、より快適で便利な電車や駅の実現に向けた付加価値向上・サービス拡充に249億円を投資する。安全で安心・快適に移動できる「いい電車」の実現、駅をより身近に感じられる、便利で愛着のある「いい街」の創出をめざす。