産休・育休が増加した中国。現地の人の本音は?

中国では一人っ子政策を廃止し、2016年1月1日から二人っ子政策へと方向転換を図った。これにともない出産奨励のための産休、育休の増加が各省で次々と決定されている。

北京でも上海でも産休増加

産休については国家の規定は98日、ここに各地域で追加の休暇を定めており、現在までに10以上の省や自治区、それに直轄市が修正後の日にちを発表している。最近では3月24日に北京市が新たな修正案を発表。国家規定の98日に加え、30日の出産奨励休暇、さらに所属企業、機関などの許可があれば1カ月から3カ月の休暇が取得できることとなり、最長で7カ月の産休がとれるようになった。上海市はというと、98日に30日プラスした128日の産休、そして男性の育休は10日間となっている。

産休は増えても、出産数は増えない?

中国版ツイッター「ウェイボー」では、「じゃあ北京に行こう! 」という産休の増加を喜ぶ声がある一方、「休暇が増えたからって子どもをうむかな」「生活コストが上がっているのにうんだり育てたりなんてできないよ」という意見もあった。また北京の7カ月という産休期間については「こんなに長いと、結婚前の女性は今よりもっと仕事を探しづらくなるのでは」という懸念の声も見受けられる。

上海に住む知人に話を聞いたところ、「そもそも二人っ子政策になったからといって、子どもをうむ人が増えるかというとそうでもない」のだと言う。というのはウェイボーでも指摘されていたように、子育てのコストがかかりすぎるからだ。しかも中国では、男性が結婚しようとすれば、家を持っていることが大きな条件となる。つまり、もしうまれた子どもが2人とも男児だった場合、息子を結婚させるためには将来的に2つの家を買わねばならないことになり、そのコストは計り知れない。

ウェイボーでも「休みを増やすよりも子どもをうんだ家庭に対して減税するほうがよいのでは」という声があがっている。日本でも保育園問題などさまざまな問題が起きているが、中国でも出産数増加への大きな壁が存在しているようだ。

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