今年で14回目を数え、名古屋の春の風物詩ともいえるイベントとなった「NAGOYAオートトレンド2016」が、2月27・28日の2日間にわたり開催された。会場のポートメッセなごやはすべての展示場(1~3号館)に加え、屋外もカスタムカーやチューニングカー、ドレスアップカーがぎっしり。早朝から来場者が列を作り、カスタムの世界を堪能した。

NAGOYAオートトレンドに出展されたエアリアルオートワークスの「86」

NAGOYAオートトレンドは東海地区最大級のカスタムカー、チューニングカーのイベント。今回も「名古屋旧車天国」「名古屋サイクルトレンド」が併催され、アイドルのステージイベントも行われるなど、誰でも楽しめるお祭りのようなイベントとなった。大手メーカーも、トヨタが「TOYOTA GAZOO Racing」として参加したほか、ダイハツやマツダなどが出展。それぞれめったに見られないスペシャルなモデルを展示した。

数ある展示車の中でも、筆者が注目したのは愛知県豊田市のカスタムショップ「エアリアルオートワークス」が手がけた「86」。フェンダーミラーや白・赤のカラーリングなど、数多いカスタムハチロクの中でも異彩を放つ1台で、よく見ると左ハンドルだった。同店は逆輸入車のカスタム車を販売しているという。これなら、数の多い「86」でも唯一無二の個性を主張できるだろう。

メーカー系の展示で注目度が高かったのは、やはりマツダの「LM55 ビジョン グランツーリスモ」だろう。「グランツーリスモ」シリーズ用にデザインされた架空のモデルだが、これも「魂動」デザインから生み出された作品だ。

マツダブースに展示された「LM55 ビジョン グランツーリスモ」

トヨタ名古屋自動車大学校ブースの「マークII GSS」

メーカー系のブースが多い3号館で見つけた2代目「マークII GSS」も注目の1台。完璧なフルレストアが施されていたが、これはトヨタ名古屋自動車大学校の生徒が授業の一環として仕上げた車両だ。同校はトヨタ自動車直営の専門学校であり、国内トップクラスの規模と設備を誇る。そうはいっても、プロにとっても難易度の高いフルレストアを生徒が完璧にこなしているのは驚き。実際、驚嘆の目を向ける来場者が多かった。

いつも人気が高いスーパーカー特設会場には、定番のランボルギーニやフェラーリとともに、スティングレイの名を初めて冠した「コルベット」2代目モデルや、マクラーレン「650S」の姿もあった。

「名古屋旧車天国」では、コンセプトカー「S-FR」の登場で再び注目をあつめるようになったトヨタ「スポーツ800」や、現在のスバルのアイデンティティを確立した名車「レオーネ ツーリングワゴン」が登場。カルト的な人気を誇るホンダの原付バイク「モトコンポ」の未走行新車も飛び出すなど、見る人を驚かせる車両が多かった。

「NAGOYAオートトレンド2016」会場に展示されたおもな出展車