ソニーは、米ラスベガスで開催されたCES 2016で、4Kテレビ「BRAVIA X93D」を中心としたブース展開。米国での発売が決まった「Life Space UX」製品のデモンストレーションも人気があり、来場者の注目を集めていた。

CES 2016のソニーブース

4K・HDR対応の「BRAVIA X93D」

X93Dシリーズは、Android TVをプラットフォームに採用した4Kテレビ。同社独自の「4K HDR」ロゴが示すとおり、HDR映像に対応し、広ダイナミックレンジの表現を可能にしている。バックライトはエッジ型ながら、格子状に部分駆動させる独自の「Slim Backlight Drive」技術を採用することで、本体の薄型化を進めた。

BRAVIA X93Dシリーズ

薄型化によって壁掛け時の姿も美しい。リモコンの「DISCOVER」ボタンを押すと、視聴画面の下部にインターネットの情報が表示される

背面脚部のボックスにケーブルをひとまとめにできるため、外観がすっきり

広色域技術「TRILUMINOS Display」、高コントラスト技術「X-tended Dyanmic Range PRO」によって高画質化を実現。画像処理エンジンは4Kエンジン「X1プロセッサー」を搭載する。ブースでは、比較展示をして画質の美しさをアピールしていた。

TRILUMINOS Display技術によって、色域を拡大している。上段がX93Dシリーズ

4K X-Reality PROによって4K相当に変換した映像

ソニー独自のバックライトアルゴリズムによって黒はより黒く、白はより白く

Slim Backlight Driveはダイナミックレンジの拡大にも寄与する

4,000nitの超高輝度「Backlight Master Drive」

さらに技術デモ展示として、直下型LEDバックライトの新技術「Backlight Master Drive」が紹介されていた。4,000nitの超高輝度を実現し、明るい部分はより明るく、暗い部分はより黒く再現できるとしている。白色LEDを従来よりもとにかく多く搭載することで、これを実現しているようで、具体的な数字は非公開だったが、「1,000分割以上」(ソニー説明員)と細かくエリアを分けて駆動しているようだ。

Blacklight Master Drive搭載テレビ(左)と既存のテレビ(右)の比較。肉眼で実際に見るとその差は一目瞭然

(左)白黒の部分が白色LEDバックライトの表示。映像の輪郭がぼんやりとわかり、かなり細かい密度でLEDが敷き詰められていることが伺えた

直下型LEDバックライトの液晶テレビながら、漆黒と呼べる黒、高輝度のネオンライトを同時に表示したデモ映像の画質は圧巻。近い将来の商品化を前提とした開発とのことで、当初はハイエンドクラスの価格帯にはなるだろうが、消費電力、価格ともに民生品レベルになるという。

4Kハンディカムやアクションカムなども

イメージング製品では、4Kハンディカム「FDR-AX53」が発表された。新開発の光学20倍ZEISSレンズ、画素サイズが従来比1.6倍に拡大された高感度イメージセンサーを搭載。空間手ブレ補正機能を搭載したことで、4K映像で問題になりがちな細かな手ブレも防ぐことができる。

4Kハンディカム「FDR-AX53」

興味深いのは、5方向からの音声を集音するマイク。前方向だけでなく、左右と背後、そして上部からの音声も集音することで、立体感のある録音が可能になっているという。発表では、「ミュージックビデオの撮影にも」と表現されており、音声品質にも大きな自信があるようだ。

こちらはHDハンディカム「HDR-CX675」。走りながらの撮影でも5軸方向で手ブレを補正するインテリジェントアクティブモードを搭載した

アクションカムの「HDR-AS50R」は、気軽に楽しめるという位置づけの製品。ライブビューリモコンや水深60mまでの防水ハウジングが同梱されるほか、4Kタイムラプス、手ブレ補正機能なども備えている。

アクションカム「HDR-AS50R」

スマートフォンやカメラの新製品はなかったが、これはXperia Z5で全周映像が撮影できるキット

Life Space UXの紹介コーナー。数多くの来場者がつめかけていた