東京海上ホールディングスは、同社子会社である東京海上日動火災保険(以下東京海上日動)を通じ、米国スペシャルティ保険グループ(※)HCCインシュアランス・ホールディングス社(以下HCC社)を買収する手続きを開始することについて、10日、HCC社と合意したと発表した。

同件買収は、友好的なものであり、HCC社の取締役会は同件買収について全会一致で賛同しているという。

(※)スペシャルティ保険とは、主として一般の保険ではカバーされないような特定のリスクを対象とし、専門性の高いアンダーライティング力や技術力を必要とする保険。

東京海上グループは、グローバル保険グループとして、海外保険事業の規模・収益の拡大をグループ全体の成長ドライバーと位置づけ、先進国および新興国の両市場において、内部成長力の強化と戦略的なM&Aの推進により、グローバルな成長機会と分散の効いた事業ポートフォリオの構築を追求しているという。

こうした戦略の下、先進国においては、英国ロイズにおけるキルン社買収(2008年3月)、米国フィラデルフィア社買収(2008年12月)および米国デルファイ社買収(2012年5月)、新興国においては、東南アジア・中南米などにおける損保および生保事業の積極的展開を通じ、収益の飛躍的成長を実現する一方で、海外保険事業の更なる成長の実現および資本効率向上の観点から、引き続き優良な買収案件について検討してきたとしている。

HCC社は、米国全州および英国・スペインなどで事業展開する世界トップクラスの優良スペシャルティ保険グループであり、経験豊富で実績のある経営陣の下、1974年の創業以来一貫して高い収益性・成長性・安定性・健全性を実現しているという。

同社グループは、同件買収を通じ、海外保険事業の規模・収益の更なる拡大を実現すると共に、グローバルにより分散の効いた事業ポートフォリオの構築が可能となるという。これにより、グループ全体の資本効率の向上と持続的な収益成長を可能とするより安定的なグループ経営の基盤構築が実現できると考えているとしている。