――ラスト、着物を着て踊り回るシーンはいかがでしたか?

上白石「すごく楽しかったです! 実際に踊るまでは大変だろうと思っていたんですけど、帯や袖が広がる感じとか、ちょっとクセになっちゃうような楽しさがありました。監督に『疲れた?』って聞かれたんですけど、『まだ何回でも行けます!』って(笑)。本当にずっと踊っていたいと思いました」

――舞妓さんの姿だと足元も大変ですね

上白石「これも慣れるまでは大変でした。前が斜めになっているので、なかなか真っ直ぐに立てず、最初はすごく怖かったです。でも、私は身長が低いので、おこぼを履くと世界が変わってうれしかったです(笑)」

――実際に着物を着て、おしろいを塗った自分を見たときの感想は?

上白石「自分であって、自分でない。何かお面をつけているような感じがして、一番最初に見たときは『白っ!』て思いました(笑)。間近で舞妓さんを見たことはなかったし、もちろん自分がなったこともなかったので、あんなに時間がかかるとは思わなかったです。ひとつひとつが丁寧で、細かくて、それぞれが交わっている。そうやって舞妓さんが出来上がるんだって思うと、変身の時間がすごく楽しかったです」

――撮影中の周防監督はいかがでしたか?

上白石「すごく優しかったです。一回も、声を荒げたり、怒ったりしている姿を見たことがなく、いつもニコニコしていらっしゃって、みんなが何でも言いやすい雰囲気を作ってくださっていました。だから現場全体もほんわかした、はんなりした温かい雰囲気で、毎日が楽しくて仕方ないという感じで、すごく居心地が良かったです」

――Blu-ray/DVDに特典として収録されている「はんなり京都旅」はどういった映像でしょうか?

上白石「撮影でお世話になった舞妓さんを訪ねるといった映像なんですけど、かんざし職人さんが実際に作っているところをみたり、京都の街をいろいろと案内してもらったりしながら、舞妓さんの素顔に迫る、みたいな内容です」

――本編ではカットされたミュージカルシーンも収録されていますね

上白石「ラップをやっているんですけど、脱力系ダンスみたいな感じですごく楽しかったです。あと、渡辺えりさんのシーンは大好きだったので、カットされたって聞いたときはすごく哀しかったのですが、今回のBlu-ray/DVD収録されているのでとてもうれしいです」

――あらためてBlu-ray/DVDを観てもらうときに、注目してほしいポイントはありますか?

上白石「細かいところまで監督がこだわり抜いていらっしゃる作品で、例えばオープンセットにもいろいろな仕掛けが施されたりしています。あと、気づかないところにすごい方が出ていたりするので、映画館で観たときには気づかなかった新しい発見があると思います。2回、3回と繰り返して観ていただくと、そのたびに違った見方ができると思いますので、ぜひ細かいところまで見逃さないで観てほしいです」

――それでは最後に読者の方へのメッセージをお願いします

上白石「映画館で観てくださった方も、初めてBlu-ray/DVDで観てくださる方も、それぞれいろいろな楽しみ方のできる作品だと思います。観る方によって、感じ方や感情移入する対象が違ったりすると思いますので、家族やお友達と集まって、ワイワイと楽しみながら観ていただきたいですね。あと、この作品を観て、日本のことや京都のことを知り、いろいろな文化を大事にしようと思ったり、何事にも恐れずに挑戦していったるするきっかけになったらうれしいです。皆様にとって、大切な一本になるといいなって思っています。よろしくお願いします」

――ありがとうございました

ヘアメイク:スズキミナコ/スタイリスト:兼子潤子
ワンピース(Sally Scott/ニューヨーカー)/45,000円(税別)