キヤノン「EOS 7D Mark II」は、APS-CサイズのCOMSセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラだ。2009年に発売された「EOS 7D」の後継製品にあたり、同社APS-Cサイズ機の中ではフラッグシップに位置するモデルである。その実写レビューをお伝えする。

「EOS 7D Mark II」(EF-S18-135 IS STM レンズキット)

まずは外観から見てみよう。ボディの基本デザインは、前モデルEOS 7Dから受け継いだもの。曲面を多用した丸っこい形状であり、そのシルエットを見ただけでEOSだと分かるお馴染みのスタイルだ。

外装は高品位なマグネシウム合金製で、指があたる部分にはラバー素材を配置する。グリップはしっくりと手になじみ、ホールド感は心地よい。と同時に、適度な重みとしっかりとした剛性が伝わってくる。あたりまえかもしれないが、樹脂外装を採用した「EOS 70D」など下のクラスの製品に比べると、ボディの質感や高級感はワンランク上だ。

【左】ボディは、防塵・防滴に対応した頑丈な作り。深いくぼみのあるラバーグリップはしっくりと手になじむ 【右】液晶モニターには、ワイド3型の約104万ドットTFTを搭載。ワイド化したことで従来よりもやや大きく表示可能になった

ボディサイズは、前モデルから数値上はわずかに増えているが、ほぼ同じと呼べる範囲だ。重量は変わらず、約910g(本体のみは約820g)。APS-Cサイズセンサーを搭載したカメラとしてはやや重めだが、そのぶん、大きなレンズを装着したときのバランスはいい。

【左】側面の端子カバー内には、動画用のヘッドフォン端子のほか、外部マイク端子、デジタル端子、HDMIミニ出力端子などを装備する 【右】天面のホットシューの手前には、GPSのアンテナを新設。また、シャッターボタンの横にはマルチファンクションボタンを備える

ファインダーには、新ガラスペンタプリズムを利用した視野率100%の光学ファインダーを搭載する。倍率は等倍に対応。APS-Cサイズの一眼レフ機の中ではトップクラスの広さであり、明るくクリアな像が見られる。

ファンダー内の透過型液晶によって、各種の撮影情報をオーバーレイ表示できる「インテリジェントビューファインダー」機能は前モデルより進化し、表示可能な項目がいっそう増えている。電子水準器やグリッドのほかに、撮影モードやドライブモード、ホワイトバランス、記録形式など細かい情報までをファインダーから目を離さずに確認できる。

【左】CFカードとSDカードのダブルスロットを新搭載する 【右】バッテリーには「LP-E6N」を新採用。既存の「LP-E6」も使用できる