オーディオテクニカは10月16日、ハイレゾ音源に対応するヘッドホン6製品とポータブルヘッドホンアンプ「AT-PHA100」を発表した。ヘッドホンのラインナップは、ポータブルヘッドホン「ATH-MSR7」「ATH-MSR7LTD」に、インナーイヤーヘッドホン「ATH-CKR9LTD」、ハウジングに天然チーク材を採用した「ATH-W1000Z」「ATH-ESW9LTD」、USB接続タイプのフルデジタルヘッドホン「ATH-DN1000USB」となっている。

ATH-MSR7とATH-MSR7LTD、AT-PHA100、ATH-CKR9LTDは11月14日発売で、ATH-DN1000USBとATH-W1000Z、ATH-ESW9LTDは11月21日発売。価格はオープンで、推定市場価格はATH-MSR7が27,000円前後、ATH-MSR7LTDが28,000円前後、AT-PHA100が55,000円前後、ATH-CKR9LTDが30,000円前後、ATH-DN1000USB60,000円前後、ATH-W1000Zが65,000円前後、ATH-ESW9LTDが40,000円前後(いずれも税別)。

オーディオテクニカは、ヘッドホンの製造を始めてから2014年で40周年を迎えた。7製品はその集大成として、同社の培ってきた音響技術を結集した開発されたモデルだ。

高解像のポータブルヘッドホン「ATH-MSR7」「ATH-MSR7LTD」

左が「ATH-MSR7」、右が「ATH-MSR7LTD」

ATH-MSR7は、高解像度再生を特徴とするポータブルヘッドホン。高駆動設計のダイヤフラムとボビン巻きショートボイスコイルを使用したφ45mm "トゥルー・モーション" ハイレゾドライバーを採用している。

レイヤードメタル構造の採用により、不要振動を排除。また、各音域の特性を向上させるトリプルベントシステムも採用されている。

再生周波数帯域は5Hz~40kHzで、インピーダンスは35Ω。出力音圧レベルは100dB/mWで、最大入力は2,000mWとなっている。ケーブルは着脱式で、長さ1.2mおよび3mのストレートケーブルに、1.2mのスマートフォン用ケーブルが付属する。ケーブルを除いた質量は約290g。

カラーはブラックとガンメタルの2色で、限定モデルとしてレッドカラーのATH-MSR7LTDも用意。ATH-MSR7LTDの仕様はATH-MSR7と同じとなっている。

「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」方式を採用した「ATH-CKR9」の限定モデル

「ATH-CKR9LTD」

ATH-CKR9LTDは、2014年3月に発表した「ATH-CKR9」の限定レッドカラーモデル。2つのダイナミックドライバーを向かい合わせに配置してPUSH-PULL動作を行う「DUAL PHASE PUSH-PULL DRIVERS」方式を採用。2本のドライバーはφ13mmで、ヨークに純鉄を使用している。ハウジングは、切削加工したアルミニウム製だ。

再生周波数帯域は、5Hz~40kHzで、インピーダンスは12Ω。出力音圧レベルは110dB/mWで、最大入力は200mWとなっている。ケーブルはY型で、長さは1.2m。ケーブルを除いた質量は約12g。

サウンドをUSBからそのままボイスコイルにデジタル伝送するPC用ヘッドホン

「ATH-DN1000USB」

ATH-DN1000USBは、デジタル音声処理技術「Dnote」を採用したPC用ヘッドホン。PCのUSBポートに接続して、192kHz/24bitまでのハイレゾ音源を再生可能だ。通常のDAC+アンプの構成ではなく、デジタル処理を行った信号を、専用のマルチボイスコイルに伝送することで、直接ユニットを駆動。レスポンスのよいサウンドを実現する。ドライバーはφ53mm。

ヘッドホン部の再生周波数帯域は5Hz~40kHzで、アンプ部の周波数特性は10Hz~90kHz。ケーブルを除いた質量は約380g。


ハウジングに天然チーク材木を採用したWシリーズとEARSUITシリーズ

上が「ATH-W1000Z」、下が「ATH-ESW9LTD」

ATH-W1000Zは、天然チーク材の無垢削り出しウッドハウジングを採用したヘッドホン。ドライバーは専用設計で、ヨーク一体型のφ53mm。ボイスコイルはボビン巻きで、線材にはOFC-7Nが使用されている。二重構造のハウジング「D.A.D.S」により、低域の伸びを改善。また、バッフルとフレームには、軽量で剛性の高いマグネシウム合金が使用されている。

再生周波数帯域は5Hz~42kHzで、インピーダンスは43Ω。出力音圧レベルは101dB/mWで、最大入力は2,000mWとなっている。ケーブルはY型で、左右独立アース構造を採用。ケーブルはOFC-6N+OFC導体が使用されており、長さは3mだ。ケーブルを除いた質量は約320g。

ATH-ESW9LTDは、「EARSUIT」シリーズの「ATH-ESW9」の限定モデル。ノーマルモデルではハウジングにアフリカンパドック材が使用されていたが、ATH-ESW9LTDでは天然チェリー材に変更されている。

OFC-6Nボビン巻きボイスコイルを採用したφ42mmドライバーを採用。バッフルには剛性をあげるためにグラスファイバーを配合。クリアな中高域を実現している。イヤーパッドは肌触りの良いラムスキン製。

再生周波数帯域は5~40kHzで、インピーダンスは46Ω。出力音圧レベルは102dB/mWで、最大入力は1,000mW。ケーブルは片出しタイプでOFC-6N+OFC導体を使用。長さは1.2mだ。ケーブルを除いた質量は約160g。


最新のDACチップやオペアンプを採用する高性能ポータブルヘッドホンアンプ

「AT-PHA100」

AT-PHA100は、DACチップにESS社製「ES9018K2M」を採用するポータブルヘッドホンアンプ。384kHz/32bitまでのPCM、DSD 128/64の再生に対応する。USB Audio用ICには、SAVITECH社製「BRAVO-HD SA9227」が使用されている。

プリ段には新日本無線製のオペアンプ「MUSES 8832」を業界初採用。パワー段にはディスクリート回路を採用している。

入力端子はUSB(microBタイプ)×1基とステレオミニジャック×1系統を装備する。電源は内蔵充電池、またはUSBバスパワーを使用。内蔵充電池は容量3,500mAhで、デジタル接続の場合は約6時間、アナログ接続の場合は約14時間の連続使用が可能だ。本体サイズはW77×D116×H27mmで、質量は約240g。