「X100T」のボディに秘められた先進技術の数々

レンズ固定式デジタルカメラX100Tは、X100Sの後継機。「T」は「Third」(3番目)を意味する。つまり今思えば、X100Sの「S」は「Second」(2番目)の意味だったのだ。

「X100T」

「X100T」フォトギャラリー(クリックで拡大とスライドショー)

さて、そのX100T最大の特長は、光学式ファインダーモードと電子式ビューファインダーモードをレバーひとつで切り替えられるX100シリーズ唯一無二の装備「ハイブリッドビューファインダー」がさらに進化したことだ。新たに「電子式レンジファインダーモード」を搭載し、光学式ファインダーの右下部にピント面を電子映像で表示でき、光学ファインダーでのピント合わせがよりしやすくなった。

ファインダー部のわずか1mmの隙間に、0.9mmの成形材を使用したNDフィルターと、これが抜き差しされるギミックを驚異的精度でセット。このNDフィルターにピント面のレンジファインダーをシミュレートした映像を投影する機構だ。もちろんピント面の映像は拡大表示が可能となっている。

X100の進化したハイブリッドビューファインダー

ファインダー右下に電子式のレンジファインダー(ピント面)が現れる

電子式のレンジファインダーの仕組み

X100Tの各所にはこだわりの仕様変更が

このほか、ブライトフレームの視野率が90%(旧機種)から92%へと広くなり、悩みの種だったパララックスも、焦点距離に応じてブライトフレームが移動するパララックス自動補正機構が搭載された。また、絞りリングが1/2段刻み(旧機種)から1/3段刻みになったことも特筆すべき改善点だろう。

富士フイルムならではのフイルムシミュレーションには新しいモード「クラシッククローム」が追加される。プロ写真家やユーザーからのリクエストに応えたもので、ドキュメンタリーやストリートフォトで多用される彩度を落とした重厚感のある仕上がりになる。「ベルビア」のちょうど真逆、といった風合いだ。これはX100のほか、X30やX-T1 グラファイトシルバーエディションにも搭載されるという。

なお、多くのユーザーから希望のあったブラックの本体色が、今回は最初から用意される。これは、X100Sでは限定版だったブラックバージョンを買い損ねた筆者にとっても、大変嬉しいニュースだ。

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