9月10日、都内富士フイルム本社にて、同社デジタルカメラ・交換レンズ Xシリーズの新製品発表会が行われた。今回発表、展示された内容は、16日よりドイツ・ケルンで行われる世界最大の映像関連総合見本市「フォトキナ2014」で出展される内容と同等とのことで、多くのメディア、報道関係者が集まった。

XFレンズに注力、2015年夏には計19本に!

今回新たに発表されたのは、レンズ固定式デジタルカメラ「X100T」および「X30」、レンズ交換式ミラーレスデジタル一眼「X-T1グラファイトシルバーエディション」、そして交換レンズのフジノンレンズ 「XF56mmF1.2 R APD」「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」だ。

今回発表された5製品

まず、富士フイルム 取締役 常務執行役員 光学・電子映像事業部長 高橋通氏が登壇し、事業戦略について語った。高橋氏によれば、コンパクトデジカメが2010年のピークを境に大きく減少、レンズ交換式デジタルカメラ市場も対前年比マイナス19%と翳りを見せはじめているという。そんな中、ミラーレス機市場はプラス41%と勢いを増しており、「ミラーレス機は品質、性能とも世界的に高く認知されてきている」とのこと。

富士フイルムのXシリーズも、2011年に「X100」をリリースして以来、累計140万台を出荷。平成26年度においてはミラーレスカメラおよびレンズの売り上げが対前年比2倍以上となり、黒字を計上できるようになったという。ちなみに、同社デジタルカメラ事業全体の売り上げの実に55%をXシリーズが占めるとのことだ。

富士フイルム 取締役 常務執行役員 光学・電子映像事業部長 高橋通氏

デジタルカメラの市況と富士フイルムの実績

新製品には、富士フイルムの先進技術が惜しみなく投入されている

この流れを受け、富士フイルムは引き続きXFレンズの拡充に注力していくと、高橋氏は語る。「2012年にX Pro1でレンズ交換式デジタル一眼市場に参入したとき、レンズは3本でした。しかし、それからわずか2年半で15本まで増やすことができました。これには、放送分野をはじめ業務用で実績のあるフジノンレンズの開発技術と生産能力が大きく貢献しています」(高橋氏)。

また、カスタマーサービスの拡充も同社の注力する分野だという。東京ミッドタウンの本社ビル1階に、「Xシリーズ専用」のタッチ&トライショールームとギャラリーを9月10日よりオープン。加えて2階には、サポートセンターを池袋から移設済み。よりきめ細やかなユーザーサービスを行える体制を整えた。

XFレンズのロードマップ。2015年夏には計19本となる予定

展示されていたXシリーズ製品群

XショールームとXギャラリーが東京ミッドタウンにオープンした

続いて登壇した光学・電子映像事業部 営業グループ 統括マネージャー 飯田年久氏は、各新製品について説明を行った。次ページより、「X100T」をはじめ新製品の実機写真を含めたレポートを掲載していく。

富士フイルム 光学・電子映像事業部 営業グループ 統括マネージャー 飯田年久氏