プレゼンテーションを行ったカシオ計算機 執行役員 QV事業部長 中山仁氏は、「FR10は撮影時のアングルだけでなく、シャッターチャンスや撮影者をも従来の制限から解放する」と語った。FR10はカメラ部や液晶モニタ部を、ストラップ、カラビナ、三脚、クリップ、ベルトなどさまざまなアタッチメントで固定できる。

カメラ部をちょっと離れた場所に固定して手元の液晶モニタ部でシャッターを切れば、「写真に写れないカメラマン」はいなくなり、「その場にいる家族や仲間たち全員が写真に写れる」のだ。しかもインターバル撮影が可能なので、「誰かがシャッターを切る」という当たり前のことすら必要ない。キャンプやスポーツ、パーティー、ダンス、勉強などなどにおいて、全員でその場を楽しみながら、カメラを意識しない自然な表情やシーンをバッチリ写真に収めることができるというわけだ。

カシオ計算機 執行役員 QV事業部長 中山仁氏

カシオ計算機 QV事業部 第二開発部長 野仲一世氏

カメラ部側面、液晶モニタ部側面、モニター(画面タッチ)という3つのシャッターを装備

カメラ部と液晶モニタ部はBluetoothで接続される。カメラ部分にはWi-Fiも搭載

ネックストラップ、三脚ナット(三脚は付属しない)、カラビナストラップが付属。トライポッドマウンター、マルチアングルクリップ、マルチアングルベルトセットがオプションで用意される

一見すると「GO PRO」に代表されるアクションカムに近い印象も受けるが、これらが「ガッチリ固定してエクストリームな動画素材を撮る」用途で多く使われるのに対し、カシオはFR10を「もっと気軽に自由に設置して、静止画をメインに気軽に撮って、SNSなどで共有して楽しんでもらう」ことを考えているという。カメラが自動的に作成してくれるハイライトフォトやハイライトムービーなども、そんな編集作業をせず気軽に使えるための機能といえるだろう。製品の概要は、こちらの記事『カシオ「EXILIM」、レンズと液晶が分離合体するフリースタイル「EX-FR10」』を参照していただきたい。

強化素材を採用。G-SHOCKの開発部門と緊密なやりとりを経て、2mの対落下衝撃性能を実現した

発売当初はオレンジ、グリーン(ゴールドに近い)、ホワイトの3色でカラー展開。オレンジモデルのみ、液晶モニタ部分のフレームもオレンジとなる

中山氏によれば、今後の展開としてカラーバリエーションの追加をはじめ、カメラ部、液晶モニタ部、アタッチメントなど各ユニットのバリエーションを追加してシステム化することまで、すでに計画されているという。FR10のレンズは35mm換算21mm相当の単焦点だが、もしかしたらズームレンズやドライブ中の車内外を撮影できる車載アタッチメント、耐衝撃をより向上させた空撮レンズとドローンアタッチメントなどが発売される日が来るかもしれない(すべて筆者の妄想です)。中山氏いわく「そこまで考えて設計、製品化はしています。今後の展開は、市場動向や需要を分析して対応していきたい」とのこと。