「XBA-H」シリーズは、BAドライバーとダイナミック型ドライバーのそれぞれが得意な音域を使用することで、音のバランスを構築している。XBA-H1のダイナミック型ドライバーは中低域用とされているが、サイズはφ9mmで、聴いた感じもそれほど低域寄りという印象は受けない。このところ、重低音再生を特徴としたダイナミック型のイヤホンがいくつもリリースされているが、そういった性格のドライバーではないようだ。

XBA-H1では、そのダイナミック型ドライバーに解像度の高い中高域再生が可能なBAドライバーをプラスしている。シングルBAドライバーのイヤホンに比べると低域は出るが、出すぎるという感じはしない。ウーファーとツイーターの組み合わせではなく、フルレンジとミッドレンジ、もしくはミッドハイの組み合わせといった感じだ。全域にわたってバランスが保たれ、情報量の多い中域によって、ホーンやボーカルなどはとくに再現性が高く感じられる。

ちなみに以前、「XBA-H」シリーズ3本を聴き比べてみたことがあるのだが、XBA-H3は高バランスかつ高解像度といった印象だった。XBA-H1も、解像度や広がり感でこそやや劣るがそれに近いサウンドだ。XBA-H2は、3本の中ではもっとも低域の量感を感じられるモデルだった。

3モデルの中で、通勤通学用には最適なモデルは?

ダイナミック型のイヤホンと比較してもそれほど大きなサイズではない

冒頭に書いたように、「XBA-H」シリーズの中では、XBA-H3が一番人気が高いようだ。しかし、日常的に使用するイヤホンとしては、XBA-H1の価値も高い。

個人的な意見だが、日常的に持ち歩くイヤホンは、やはりある意味では消耗品だと思う。そういう意味ではXBA-H1は15,800円と、XBA-H2の25,800円、XBA-H3の36,000円より安価で、消耗品として用いるには妥当なところかもしれない(価格はいずれも2月19日現在のソニーストアでの価格)。

また、XBA-H1は、XBA-H2やXBA-H3に比べてサイズが小ぶりなことも、日常的な使用に向いている。ハイブリッドならではの高バランス・高密度なサウンドを持ち歩くという目的ならば、XBA-H1こそがベストのイヤホンになるのではないだろうか。

デザイン的な処理が施されたL字型のプラグを装備している