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マース ジャパン リミテッドは、アメリカのウォルサム研究所ペット栄養学センター(以下ウォルサム)の研究結果を発表した。猫は妊娠中や授乳時に必要な栄養に合わせ、食餌内容を選択していることが明らかになった。

妊娠中は脂質とタンパク質の摂取量が増加

ウォルサムでは、メスの成猫17匹にタンパク質、脂質、炭水化物の異なる比率を持つ3種の総合栄養食のウェットフードを準備し、選択させる研究を行った。妊娠期間中の猫は、大幅に総エネルギー摂取量が増え、特にタンパク質と脂質の摂取量が大きく増加したという。

また、4~5匹の子猫を生んだ母猫の場合、授乳時は脂質からのエネルギー摂取がさらに増加し、タンパク質および炭水化物からのエネルギー摂取割合は減少した。総脂質摂取量は多数の子猫に授乳する母猫で3倍、1~3匹の少数の母猫で2倍と、子猫達への授乳の必要に合わせて食餌内容を変化させていた。

これまでの研究では、非繁殖期の成猫は、一日に消費する炭水化物の量に上限(約20グラム)があることが明らかになっている(Hewson-Hughes et al. 2011)。今回の研究では、猫が妊娠・授乳中にタンパク質・脂質の摂取量を増加させながらも、炭水化物の摂取量は一日当たりの制限を超えないこともわかった。

猫は、妊娠・授乳に伴う生理学的要求を満たすために、自分でタンパク質、脂質、炭水化物の主要栄養素摂取量を調整しているようだ。なお、この研究結果は、米オレゴン州ポートランドで10月1日~4日に開催されたウォルサム国際栄養科学シンポジウム(WINSS)でも発表されたという。