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今日注文したものが「明日来る」でおなじみ(※)、オフィス用品通販のアスクル。先日はカフェにおじゃましてビールをいただいてきたが、「他にも社内で面白いことをやっているから、ぜひ紹介したい!」ということで、お話を伺ってきた。なんと、「今日はラーメンが食べたい!」という気分のときに、社内で同じ思いの人に気持ちを届けることができるというのだ。一体どういうことなのだろうか?

(※)都内なら、朝11時までの注文で当日配送可能とのこと。(2013年8月現在)

--アスクルでは、ラーメンを食べたい人同士が連絡をとれると聞いたんですが。

「ラーメンだけじゃなく、今日飲みたい! って気分の人、旅行計画中の人、ショボーンな人、アップアップな人なんかもわかりますよ」

答えてくれたのはe-プラットフォーム本部 e-コマース・マネジメント 部長 金子隆洋さん、人事本部 タレントマネジメント 大場志央里さん。

--なぜ社内の人の"今日の気持ち"がわかるのですか?

大場さん「私たちが中心となって開発した『App ASKUL』という社内アプリがあります。会社から社員に支給されるiPhoneやiPad用のアプリとして、社員検索など便利機能も満載なんですが、その日初めて立ち上げるときには必ず"今の気持ち"をタップしなければいけないんです(笑) 」

『App ASKUL』の画面。"ラーメン!"けっこういる!

--面白い! でもあてはまる気持ちがないとき、気持ちを知らせたくないときは?

金子さん「そのときは、"今日はオフ"という項目があります。決して強制したいわけではないので。でも、けっこう面白がっていろんな気持ちを押してくれるし、見てくれてる人も多いんですよ。"励まして!"を押しておくと、行く先々で"何かあったんですか"って声をかけてもらったり…」

大場さん「"今日飲みたい"の欄にいる人に片っ端から連絡したりしてる社員もいましたね」

--でも"飲みたい人"だけが集まれば、自然と飲み会も楽しくなりますよね。

"ラッキーな人"に選ばれるとマッサージ券も当たる

--他にどんな機能があるんですか?

大場さん「おすすめなのが"今日ラッキーな人"という項目で、毎日ランダムにラッキーな人がピックアップされます。社内に鍼灸師常駐のマッサージルームがあるんですが、そこの無料利用券がもらえるようになってるんです。これをきっかけにアプリをいろいろと活用する社員も多いんですね」

金子さん「あとは社長のメッセージも載せています。社員がiPhoneなどでも閲覧しやすいように、twitterのつぶやきみたいに140字×3項目でまとめてもらって」

--なるほど!

"今日ラッキーな人"、当たったらうれしくてアプリを使っちゃう

長くなりがちな社長メッセージ、これはすっきり

金子さん「まとめてもらうのに苦労しました(笑)。あとは"企業理念"や"環境方針"などの項目もあります。読んでいるだけでも会社の理解が深まりますし、新入社員の方にはとても重宝されていますね」

大場さん「アスクルの沿革も見れるんですよ。タイトルを"沿革"じゃなくて"the Footprint"にしてるのがこだわりなんですけど、直近のトピックスからアスクルの歩みが振り返られるようにしています。」

全体メニュー。ハートを運ぶのはおなじみ"アスクルぼうや"

社員の接点をもっと作り、情緒的なコミュニケーションを大切に

--そもそも、なんでこういう仕組みを作ったんですか?

大場さん「実は、アスクルのカタログ発刊20周年を記念しての、社内アプリなんです。10周年のときは会社の思いを社内で共有するために"マインドブック"を作ったんですが、時代も変わりましたし、会社も変わりました。社員の接点をもっと作っていこう、そして情緒的なコミュニケーションを大切にしていこうという意図で、モバイルでより手軽に社内の人とつながれるものを作りたいと有志が立ち上がって開発しました」

顔が見えると話をしやすく、プロジェクトもうまくいきそう

タップするだけですぐ他部署の人に電話ができる…そう、App ASKULならね

金子さん「社内のSNSもあるんですが、もっと気軽に使えるものとして、文字を入力する必要がない、タップ操作のみで動かせるようにしたんです。だから、"ラーメン食べたい!"と思ったらラーメンのボタンを押すだけでいい」

大場さん「あとは金子さんなど他部署の方とコラボレーションできたことも良かったですね」

--「今日、一緒にラーメン食べませんか?」という一言から社内恋愛が生まれる可能性も…

大場さん「それは考えたこともなかったですが…。いずれにしても、これを通じて社員同士が気軽にコミュニケーションをとるきっかけになれば、私たちとしては本望です」

アスクルでは社内でラーメンを食べたい人がわかる、といううわさは本当だった。また皆さんの熱い言葉を聞いていると、今後もいろいろユニークなツールが生まれそうだ。