3種類の転送モードが選べる専用ドライバ

HD-GDU3はそのままでも十分速いことが分かったが、性能をフルに発揮させるためには、転送を高速化するドライバ「TurboPC EX2」の導入が必要になる。

このドライバを導入すると、HD-GDU3に対する転送モードを「スピード」「バランス」「セーブ」の3段階で設定可能となる。「スピード」は通常の速度重視モード、「セーブ」はNTFSの圧縮機能を利用することで容量を節約するモード、「バランス」はデータによって圧縮と非圧縮を使い分けるというものだ。

ドライバ導入前

ドライバ導入後

素のWindows8にHD-GDU3を接続した状態(写真下)。性能はちょっと犠牲になるが、システムをなるべくクリーンにしておきたい人はinboxドライバのままでもよいだろう。HD-GDU3同梱のドライバを導入すると、デバイスマネージャ上でも「TurboPC EX」という専用のデバイス名に変化する

ドライバを導入すると、ファイルのコピーや移動などのダイアログが独自のものに置換される。ドライバを削除すれば、OS標準のダイアログに戻る

ドライバを導入すると、「TurboPC EX2モード切り換えツール」がスタートメニューに出現する。標準は速度重視の「スピード」だが、容量を節約したい場合は「バランス」や「セーブ」を選択する。「バランス」はファイルの種類を見て、テキストなど圧縮しやすいものは圧縮、動画など圧縮効果が低いものはそのまま転送するというものだ。

さらにドライバのインストール時に「ユーティリティ」のインストールを選択すると、HD-GDU3のキャッシュ機能を制御するツールが利用可能になる。HD-GDU3は読み書き両方にキャッシュを使うのがデフォルトだが、「キャッシュ機能切り換えツール」を使うと、書き込み時のみキャッシュ、完全オフという計3通りから選択できる。

ドライバの挙動を3通りに設定できる切り換えツール

キャッシュ設定ツールはオプション扱いとなる

キャッシュ機能切り換えツールでは3段階の設定が可能

設定変更した後に電源を入れ直すか、PCから外して装着し直すことでモードが切り替わる。ただしデフォルトが最高速の設定なので、特別な理由がない限りキャッシュをオフにする必要はないはずだ。

転送モードによる違い

テキストファイルを「セーブ」モードでコピーした時のサイズ比較

約500MBのテキストデータを「セーブ」もしくは「バランス」モードでコピーした時のサイズ比較。元データに対し、HD-GDU3にコピーしたデータは圧縮がかかってディスク占有サイズが小さくなっている。

下の図は、約500MB分のJPEGやAVCHD動画を「セーブ」モードでコピーしたサイズ比較。再圧縮しにくいデータだと、ディスク占有サイズはほとんど変化しない。

画像ファイルを「セーブ」モードでコピーしてもサイズはほとんど変化しない

また、TurboPC EX2の圧縮機能は、NTFSの持つファイル単位の圧縮機能をそのまま利用している。そのためNTFSフォーマットでないと「スピード」モード以外は使えないのだ。

圧縮はファイル単位で実行される。ファイル名が青いのはそのため

「スピード」モードと「セーブ」モードのもう1つの違いは、ファイルコピー時のCPU占有率。テキスト1GB+画像1GBをコピーするさい、タスクマネージャでCPU占有率をチェックすると、「スピード」モードでは30%前後なのに対し(最初の数秒だけは50%を超えるが)、「セーブ」モードではおおよそ70%程度の負荷となる。圧縮処理にCPUパワーを使っているためだ。

「スピード」モードでのCPU占有率はおよそ30%程度

「セーブ」モードにすると70%前後で乱高下する

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