奴隷制の議論活発化を求めているクエンティン・タランティーノ監督 (C)BANG Media International

日本時間25日に米ロサンゼルスにて開催された第85回アカデミー賞授賞式において脚本賞に輝いたクエンティン・タランティーノ監督は、『ジャンゴ 繋がれざる者』をきっかけに人々が議論を深めて欲しいと願っているという。

タランティーノは、授賞式会場となったドルビー・シアターの舞台裏にてDeadline.comに次のように話している。

「この作品を通して奴隷制度やこの制度においてアメリカという国の果たした役割といった議論を喚起したかったんだ。この作品を批判した人でさえも議論を色んな方向に深めてくれる貢献をしてくれたと思っている。こういった議論こそ結局のところ僕が望んでいたものなんだ。だから今後数年もそれが続くといいね」

さらにタランティーノは今年のオスカーにノミネートされた他の作品に対して尊敬の意を表した上で、今年の作品群の"精神"は過去の往年のハリウッド作品のそれを反映していると分析している。「僕はハリウッド新時代の始まりでもある1960年代後半から70年代初頭にかけての映画作品を研究してきたんだ。今年は、当時と同じ精神があるよね。今年の作品全てのテーマが必ずしも商業的だったり人気のあるものではないよね。でも実際はそうなんだ」

また、『ジャンゴ 繋がれざる者』で助演男優賞に輝いたクリストフ・ヴァルツも、本作でタランティーノによって提起された「深いメッセージ」について語っている。「タランティーノ作品の中で最高の興行収入をあげたからこの映画が好きだっていうわけじゃない。本当に深いメッセージを持った素晴らしいエンターテインメント大作だからこそ、この作品が好きなのさ。この作品が人気になってうれしい。ただギャラはちょっと残念だったね……他の作品で稼ぐことにするよ」

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