10月2日から千葉県・幕張で開催されているIT・エレクトロニクスの展示会「CEATEC JAPAN 2012」。ここでは、CEATEC JAPAN 2012の東芝ブースの展示内容について、今回のCEATECで目玉展示となっている第2世代4K「レグザ」と、9月27日に発表された新「レグザ」を中心にお届けしたい。

さらに高度な処理が可能なエンジンを搭載する第2世代の4K「レグザ」

ブースには2013年に発売が予定されている第2世代4Kテレビが展示されている。サイズは80V型クラス、60V型クラス、50V型クラスの3種類。

2013年に発売が予定されている、第2世代の4Kテレビ。左の映像は、2Kからアップスケールしたもので、中央は4Kオリジナル、右は4Kのゲームタイトルの映像だ

東芝 デジタルプロダクツ&サービス社 商品統括部 TV商品部 日本担当 参事の本村裕史氏

何かと話題になる4Kだが、一方で「映像ソースはあるのか」という話がどうしても出てくる。東芝 デジタルプロダクツ&サービス社 商品統括部 TV商品部 日本担当 参事の本村裕史氏によると「現在の映画コンテンツの多くは、もともと4Kで作成され、その後ブルーレイのパッケージにするために2Kにコンバートされている」という。つまり、オリジナル映像自体は、現在ですでに4K映像の時代になっているわけだ。

4Kレグザでは、映像エンジン「レグザエンジンCECO Duo」を用いてHD映像をアップスケールし、超解像処理により元の状態に近い画質に戻す作業を行っているとのことだ。なお、第2世代4KテレビのレグザエンジンCECO Duoでの処理は、第1世代のものよりもさらに高度なものになるらしい。また、現時点で正式な製品発表があったわけではないが、本村氏によると、第2世代4Kレグザは、6番組自動録画の「タイムシフトマシン」など、「レグザ Z7」シリーズの機能を全て盛り込んだものにしたいとのことだ。

第2世代の4Kテレビでは30pまでの4K信号をダイレクトに入力できるようになる。写真は、4K対応「dynabook」から、写真を表示させているところ

第2世代の4Kレグザでは、4K信号をダイレクトに入力できるようになる。ダイレクトに入力できる4K信号は、30pまでとのことだ。なお、60pの4K信号を入力するためには、オプションの、4K2K映像入力アダプター「THD-MBA1」が必要となる。

3Dに関しては、4Kの第1世代モデル「55X3」では、グラスレス3D(裸眼立体視)に対応していたが、第2世代では、今のところこれに対応する予定はないとのことだ。

全録機能「タイムシフトマシン」をさらに便利にする新機能

「Z7」シリーズは、USB 3.0ハードディスクを使ったタイムシフトマシン機能を搭載したテレビだ。タイムシフトマシンの録画形式はDR(TS)で、AVC形式などの圧縮は行っていない。これには、コスト面だけでなく、録画番組でもあくまでも高画質で視聴することを重視する意図があるそうだ。

タイムシフトマシンを使っていると、とにかく膨大な数の番組が保存されていく。そのすべてを見ることは、現実的には不可能だ。しかし、見逃していた番組の中にも面白いものがあり、あとで知って公開することもある。そのようなケースを回避し、より自分に合った録画データを見つけるための新機能が「ざんまいプレイ」だ。

「ざんまいプレイ」の「いつもの番組」。いつも見ている番組の見逃しを防ぐ

「ざんまいプレイ」画面の上部には、ボタンが並んでいる。上の写真では「いつもの番組」が選ばれているが、その場合、タイムシフトマシンに保存されている番組の中で、ユーザーがよく見る番組がリスト表示される。タイムシフトマシンは、東芝製のHDDを使用した場合、6チャンネルまでの番組を最大40時間分、キープしておくことができるが、それを超えると、古い録画データから削除されていく。「いつもの番組」は、いつも見ている番組を見逃すのを避けるための機能だ。

「ざんまいプレイ」の「ほかにもこんな番組」。関連する番組が表示される

上の写真では、「ほかにもこんな番組」が選ばれている。この場合、その時点で視聴中の番組に内容が似ている番組が、画面右側にプレビュー表示される。見たことがない番組であっても、ユーザーの好みに合う可能性の高い番組を見つけやすくするための機能だ。

現在注目されているワードで番組検索を行う「急上昇ワード」

上の写真では、「急上昇ワード」が選ばれている。これはEPG(電子番組表)に含まれているワードを分析して、出現頻度が急上昇したワードを表示するものだ。ユーザーが気付いていない、話題の番組などを見つけることができる。出現頻度が多いワードだと、例えば、「ニュース」や「天気」といった、一般的なワードが上位にくる。ここでリストアップされているのは、あくまで出現頻度の上昇をカウントした結果だ。

「TimeOn」では、タイムシフトマシンに保存されているコンテンツからの、シーン検索が可能。ダイレクトにシーンを再生できる

タイムシフトマシンをフル活用するためのもうひとつの機能が、レグザクラウドサービス「TimeOn」だ。TimeOnは、番組単位ではなく、シーン単位での検索に対応する機能。検索急上昇ワードが表示されるほか、ダイレクトにキーワードを入力してシーンを検索することも可能だ。また、番組の再生中に、その番組のシーン一覧を表示して、見たいシーンにダイレクトでジャンプすることもできる。

TimeOnはテレビ番組などの映像コンテンツの話題を共有するSNSとしても利用できる。友人知人と、お互いのお気に入りシーンをレグザ上でやり取りできるわけだ。

「TimeOn」のホーム画面。「おすすめ」で再生情報付きのSNS機能を利用できる

ビデオ画面では、各種ビデオオンデマンドサービスを利用可能だ

スマートフォンやタブレットと生活家電の連携利用も提案

なお、同社ブースでは、映像機器だけでなく「フェミニティ」に対応したスマート家電群も大きく展示されている。フェミニティとは、携帯電話やスマートフォン、タブレットで、家電製品の情報表示やコントロールを行うシステムだ。

携帯電話やスマートフォン、タブレットで、家電製品の情報表示・コントロールを行う「フェミニティ」

使用するには、ITアクセスポイントと呼ばれる機器が必要で、これをインターネットに接続し、家電製品とはLANまたはBluetoothで接続する。汎用性が高く動作も軽いスマートハウス向け通信プロトコル「ECHONET Lite」に対応したITアクセスポイントや、エネルギー計測ユニットが、2012年6月に発売されている。ECHONET Lite規格に対応した製品であれば、メーカーを超えて利用できるのがポイントだ。8月に発表された東芝製ルームエアコン「大清快VOiCE」や東芝製の照明器具などとの連携も、もちろん可能だ。

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