ベンチマーク実施、PCの3年間の重みを思い知る

では、ベンチマークテストで実際の性能を測ってみよう。まずはパソコンの実環境での各種動作パターンを走らせることで総合性能を計測することができる「PCMark Vantage」の結果をグラフにまとめてみた。なお、スコア取得時の解像度設定は1024×768で統一している。

総合スコアであるPCMarkの項目が1.5倍程度まで跳ね上がっている。内訳のスコアを見ると、メモリ性能が2倍近いというのに少し驚く。容量の差もあるが、より高速なメモリインタフェースでもあるためで、単純にスペックのメモリ容量だけではわからなかった部分だろう。同様にHDDスコアも、容量や回転数だけではわからなかったスコアの向上が確認できる。ほかの各内訳スコアも総じて段違いに向上しており、最新10万円PCの威力を、これでもかと見せつける結果となった。

続いてはCPU処理性能を測るCINEBENCH 11.5の結果を以下の表にまとめた。CPUで重いレンダリング処理を実行して、その処理速度をスコアに換算するベンチマークテストだ。Core i7-860も、現行のIvy Bridgeまで直結するNehalemアーキテクチャ後期世代の上位クラスCPUなのだが、最新の10万円PCと比べてしまうと明確に差が出てしまうようだ。

■CINE BENCH 11.5
3年前10万円PC Lm-iH530X
CPUスコア 5.51 pts 7.42 pts

GPUの3Dグラフィックス性能を測る定番ベンチマーク「3DMark Vantage」と「3DMark 11」の結果もまとめておこう。Performance、High、Extremeといった表記は、描画オプションや解像度などの映像品質設定のリッチの指標であり、リッチな設定であるほど、GPUに要求するパワーも大きくなるというものだ。

さて、Vantageの結果を見てみると、総合スコアのOverallのグラフで一目瞭然だが、最新10万円PCのパフォーマンスが高すぎて、文字通りスコアが桁違いで、ちょっと比較になっていない。総合スコアではなく、純粋にGPUパワーのみを計測しているGraphicsテストのグラフでも、これは同様だ。3年間でGPUはここまで性能を上げてしまったとというわけだ。

なお、3DMark 11の結果をまとめたグラフで、3年前の10万円PCのスコアが全て「0」となっているが、これは集計ミスとかではない。3DMarkは、VantageまではDirectX 10サポートのGPUで動くが、3DMark 11はDirectX 11サポートのGPUでないと動作しない。最新3DゲームはDirectX 11を利用し美麗な映像表現をしているが、3年前の10万円PCではこれを楽しむことができない。性能以前に、そもそも勝負の土俵にすら立てないという状況もありえると覚えておきたい。

「Lm-iH530X」のグラフィックスカードはDirectX最新バージョンであるDirectX 11をサポートするNVIDIA Kepler GPUを搭載している。カードもヒートパイプ装備で万全の冷却ができる仕様だ

3DMarkのついでに、人気ゲームタイトルでの両者のパフォーマンスの違いも見ておこう。3DMarkのスコアから当然のことではあるが、どのタイトルでも数段上の性能が見て取れる。なお、結果の数値の単位表記がfpsとなっているものは、Frames Per Secondの略で、秒あたり何度画面を更新できるかという指標だ。fpsは、これが高ければゲームの動きがスムーズというもので、60fps以上あれば人間の知覚上、最高の品質と言える。Score表記のものは、ゲーム独自の指標数値であるので、例えばFF14であれば、ここに、各スコア数値がどの程度の性能に相当するかの目安が公開されている。

■STREET FIGHTER IV
3年前10万円PC Lm-iH530X
解像度1280×1024設定 151.29 fps 400.84 fps
■モンスターハンターフロンティア オンライン 【大討伐】
3年前10万円PC Lm-iH530X
解像度1280×1024設定 6045 Score 20329 Score
■BIOHAZARD 5
3年前10万円PC Lm-iH530X
解像度1280×1024設定 67.2 fps 159.3 fps
■Final Fantasy XIV
3年前10万円PC Lm-iH530X
Low(1280×720)設定 2932 Score 6996 Score

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