ドイツ・ベルリンで開幕する世界最大級の家電関連見本市「IFA 2012」の開幕前々日となる29日(現地時間)に開催されたソニーのプレスカンファレンスで、スマートフォン「Xperia」シリーズ3機種、Xperiaブランドとなったタブレット「Xperia Tablet」、Windows 8搭載PC2機種、デジタルカメラなど複数の製品が発表された。登壇した同社の平井一夫CEOは、「"One Sony"として、1つのビジョンがある。それは"感動"だ」と語った。

平井一夫CEO

「感動」を与えることがビジョン

平井氏は冒頭、CEOに就任して初めての国際的なイベントへの参加ということで、「特に重要な意味がある」と話した上で、業績が悪化しているソニーにあって、「収益性の回復」とともに「成長を生み出す」ことが目標だと強調する。

平井氏はCEO就任に際し、事業再生と成長戦略に向けた「One Sony」を掲げ、「世界中の人に驚きと感動を提供する」ことを目指すとしていたが、今回のカンファレンスで平井氏は、日本語の「感動」という言葉を紹介して、「ソニーは世界中の人の顔に笑顔を届ける」とアピールする。

コア事業は「ゲーム」「モバイル」「デジタルイメージング」

新製品を投入するカテゴリについては、コア事業として「ゲーム」「モバイル」「デジタルイメージング」をあげる。ゲーム事業は、この秋に発売する「Wonderbook」を紹介。これは、プレイステーションのアクセサリである「PlayStation Eye」とAR技術を使ったゲームで、最初のタイトルとして、ハリー・ポッターシリーズのJ. K. ローリングとのコラボレーションによる「Wonderbook: Book of Spells」を提供する。

「Games」「Mobile」「Digital Imaging」の3つのコア事業

PlayStation EyeとARを組み合わせた「Wonderbook: Book of Spells」

「Sony Tablet S」は「Xperia Tablet S」に生まれ変わる

モバイル事業では、まず平井氏はタブレットの「Xperia Tablet S」を紹介。これまで「Sony Tablet S」として発売していたモデルの後継機種だが、One Sonyの中で、スマートフォンのXperiaブランドを継承した。

Xperiaブランドとなった「Xperia Tablet S」

Xperia Tablet S

「Xperia」は4機種、NFCサポートを強化

Androidスマートフォンの「Xperia」シリーズは、「Xperia T」「Xperia V」「Xperia J」の3機種を発表。平井氏の説明では省かれたが、Xperia Tのバリエーションモデルとして「Xperia TX」もあり、グローバルでのXperiaスマートフォンとしては4機種となる。フラッグシップモデルはXperia Tで、4.6インチのディスプレイ、モバイルブラビアエンジン、防滴機能などを搭載。

Xperiaスマートフォンは4機種(記載のないXperia TXはバリエーションモデル)

フラッグシップとなるXperia Tを持つ平井氏

左からXperia V、Xperia TX、Xperia T、WALKMAN

Xperia V

特徴的なのはNFCへのサポート。NFC端末同士を近づけてデータを交換する以外に、対応スピーカーに近づけたり、ヘッドホンに近づけることで、音楽や画像を利用できる「ワンタッチ機能」(One-touch function)を搭載した。

NFCによって広がる、スマートフォンの新たな利用シーン

ちなみにXperiaスマートフォンは、11月公開予定の映画「007 SKYFALL」内で使われるとのこと

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