23日、武田薬品工業株式会社によって、「睡眠障害・不眠症に関する説明会」が開催された。説明会のテーマは、「現代社会における睡眠の実態を探る よりよい眠りを得るために」。約6,000名を対象とした、睡眠に関するアンケート調査の結果が報告された。

睡眠に問題を抱えている人の割合は全体の7割超え

説明会でははじめに、武田薬品 医薬営業本部マーケティング部 消化器・中枢グループ グループマネージャー 川崎洋明氏によって、アンケート調査の結果をもとに作成された、現代社会における睡眠の実態が発表された。

それによると、睡眠になんらかの問題を抱えている人の割合は、全人口の68.7%にものぼるという(男性=66.9%、女性=70.6%)。また、未既婚で比較すると、未婚=70.8%、既婚=67.4%と未婚者のほうが睡眠障害に悩む傾向であることが判明。年齢別にみると、20代=72.2%、30代=69.9%、40代=69.3%、50代=65.6%、60代=66.6%と20代が群を抜く結果に。

同社によると、現代社会において不眠症状を引き起こす要因として、「パソコンやメディアの発達による夜間の光環境の変化」「休む間もなく動いている24時間社会」「加速する高齢化」などが挙げられるのだという。

また、同社は、こうしたことが起因して、睡眠を誘発するホルモン「メラトニン」の分泌が減少すると、体内時計が狂い、夜になっても眠気を感じることなくなかなか寝付けないなどの症状があらわれると説明。

乱れた体内時計を正常に戻すためには、「睡眠/覚醒 のリズム=“サーカディアンリズム”」を整えることが必要であるが、そのためには生活習慣を改善することが大切だという。とりわけ「毎日、ほぼ決まった時刻に起床して、日光に当たること」「日中はよく活動して、昼夜のメリハリのある生活を送る」「夜は部屋の照明を落として、明るい光を浴びない」の3点は基本としておさえるべき項目だとのこと。

「現代社会における睡眠の実態」を解説する、武田薬品 医薬営業本部マーケティング部 消化器・中枢グループ グループマネージャー 川崎洋明氏

不眠症には生活習慣の改善も有効

また、こうした生活習慣改善と並行して不眠症治療薬を服用することも有効であると説明。同社から2010年に発売されたロゼレム錠は、服用を続けることによって、睡眠と覚醒のリズムが徐々に改善され、寝つきがよくなることが期待されている。

しかし、乱れた体内リズムを整えるためには、こうした治療薬を一定期間以上服用し続けることが必須であるが、即効性を確認できないと途中で服用をやめてしまう患者が多くみられたこともあり、同社では、不眠症治療中の患者をサポートするために、患者向けウェブサイト「体内時計.jp(http://www.tainaidokei.jp)」をオープン。「現代型不眠」や、体内時計ならびに睡眠の仕組みについて分かりやすく解説した上で、乱れた体内時計を整えるためのコツを伝授している。

同サイトの説明は、武田薬品工業株式会社 医薬営業本部 医薬学術部 学術支援グループ 吉久真理子さんが担当。サイトにも登場するクマのキャラクター「グーグ&スース」の名前の由来を、「Good Sleepの頭文字GとSから考えられた」と話し、武田薬品工業株式会社ならびに医療関係者の「不眠症に悩む人みんなに、グーグー スースー眠れるようになってもらいたい」との思いを説明した。

同サイトでは、簡単なセルフチェックシートで、不眠症の兆候にあるかどうかセルフチェックできる他、診察を希望する際にプリントアウトして持参できる相談シートなども用意されている。また、毎日の生活に手軽に取り入れることができる「体内時計を整える12カ条」も紹介されているので、不眠症の疑いがある人は参考にしてほしいとのことだ。

武田薬品工業株式会社の睡眠障害に関する取り組みについて解説する、同社 医薬営業本部 医薬学術部 学術支援グループ 吉久真理子さん

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