マイクロソフトはこのほど、報道関係者向けの説明会を開催し、2012年の春商戦に向けた同社の取り組みを紹介した。2011年のPC販売数は堅調に推移した中、2012年はPowerPointにおける文書作成機能の追加やクラウドを使った情報活用を軸にプロモーションを展開する。

2011年のPCは堅調を維持

はじめに説明会の壇上に上った日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ オフィスプレインストール事業統括本部長 宗像淳氏は、「2011年のWindows PCは堅調に推移した。2011年は震災やタイの洪水など、いろいろと厳しい状況にあったが、メーカー各社のサプライチェーンや重要の強さを確認できた」と好調をアピールする。

日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ オフィスプレインストール事業統括本部長 宗像淳氏

昨年から放映したテレビCMは、好感度調査でも上位に上るなどプロモーション面でも好調だという。

2012年春商戦では、マイクロソフトが提供する製品やサービスを利用して、「情報収集」や「情報の整理」、文書作成などの「情報を作る」といったPCの利用シーン拡充をエンドユーザー向けに訴求していくという。

Office Home and Business 2010をプレインストールした主要なメーカー製のPCに対して、新たに写真を使ってフォトブックやカレンダーなどが作成できるソフトウェア「楽しもうフォトウィザード」をプレインストールする。

キャンペーンのコンセプト

新たにプレインストールされる「楽しもうフォトウィザード」

「楽しもうフォトウィザード」は、ウィザードに従って写真を選び、フォトブックやカレンダー、ポスターなどが作成できるというもの。作成したデータは自動的にPowerPoint形式で保存され、エレコムやサンワサプライといった周辺機器メーカーが販売している写真用のシートのフォーマットに当てはめることが可能となっている。

「楽しもうフォトウィザード」のデモ。フォーマットを選び、PowerPointを使って写真や文字を配置していくという形。PCにそれほど詳しいわけではないというユーザー向けにUIなどを検討したという

既存ユーザー向けにも、ダウンロードにて提供する予定だが、時期については未定だという。

「『OneNote』で収集したデータを、『楽しもうフォトウィザード』で加工して、『SkyDrive』にためておき、さまざまなデバイスで利用するといった用途も想定しています」(宗像氏)

「OneNote」については、昨年の年末商戦で行ったキャンペーンに続いて、春商戦でもキャンペーンを行う。昨年はウォルト・ディズニー生誕110周年記念でキャンペーンを行い、主に製品認知に努めたが、第2弾となる今回はドワンゴ取締役 夏野剛氏やジャーナリストの津田大介氏などの著名人に「OneNote」の活用術について紹介してもらうことで、製品の利用率向上を目指す。

「OneNote」のキャンペーン第2弾。著名人の「OneNote」活用法を紹介

プレゼントキャンペーンも開催。こちらは「OneNote」を利用したユーザー向けに行う

そのほか、全国の量販店で体験イベントの開催や「カルフォルニア ディズニーランド・リゾート」への招待やウォルト・ディズニー生誕110周年記念OneNoteスペシャルグッズといったプレゼントキャンペーンも実施される。

「新生活応援キャンペーン」も実施

日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ リテールビジネス統括本部 五十嵐章氏

続いて、日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ リテールビジネス統括本部 五十嵐章氏が店頭などのでの販売施策について説明。

店頭への誘導施策については、新宿駅にアイキャッチ広告を展開。3月24日と3月25日には、Windowsに関する装飾が施された「アド人力車」が、新宿駅東口と西口を回遊するといったイベントも開催する。また、各キャンペーンの紹介や詳細を掲載したキャンペーンサイトを通じて、誘導を図る。

製品やサービスを購入した際のキャンペーンも同時に展開する。対象製品を購入したユーザーに、液晶テレビやデジタル一眼レフカメラがあたるプレゼントキャンペーンを実施する。

春商戦キャンペーンの概要

また、「Microsoft Office Professional 2010」をはじめとする対象のMicrosoft Office製品の購入者へのキャッシュバックキャンペーンやMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)の受験チケット、対策教材があたるプレゼントキャンペーンも合わせて展開する。

プレゼントキャンペーン

「Microsoft Office」系のキャンペーン

また、UQコミュニケーションズと共同でのプロモーションも実施。WiMAX搭載PCを購入すると、10,000円のディスカウントや、契約事務手数料と2カ月分の利用手数料が無料になるといった特典が受けられる。そのほか、漫画「テルマエ・ロマエ」のキャラクタを起用した広告も共同で実施する。

UQコミュニケーションズとの共同プロモーション例

店頭では、年末商戦から販売店と協力して取り組んでいる売り場作りやデモンストレーション、製品トレーニングを引き続き行っていく。特に売り場作りに関しては、年末商戦の際におススメPCを展示した対面販売コーナーをフロアの入り口に設置したところ、PCフロアへの来客、特に女性ユーザーの数が増加するなど、9割の販売員が効果を実感しているという。

Xbox 360については、 Kinectが好調なことを受け、「Kinect スター・ウォーズ」をはじめ、「Kinect ラッシュ:ディズニー/ピクサー アドベンチャー」、「Kinect ディズニーランド・アドベンチャー」など、Kinect専用ソフトを中心に展開。また、「Xbox 360 320GB Kinect スター・ウォーズ リミテッド エディション」を4月5日に発売する。

Xbox 360の展開。スター・ウォーズ仕様のXbox 360は起動時やディスクドライブの開閉時にR2-D2の音声が流れる。これは「ルークがはじめてフォースを使ったときに木の陰からR2-D2が見ているときの音」という説明があったが、確かめたい人はぜひこのXbox 360を手に入れてほしい

学生向けキャンペーンも好調

日本マイクロソフト 業務執行役 コンシューマー&パートナーグループ OEM 統括本部 勝俣喜一朗氏

最後に学生向けに2011年12月から展開している「WDLC SUPER ROOKIES」キャンペーンの進捗について、日本マイクロソフト 業務執行役 コンシューマー&パートナーグループ OEM 統括本部 勝俣喜一朗氏が報告した。

本キャンペーンは、社会人を控える大学生をターゲットに、社会に出て行く上必要なPCで実践してもらいたいことを提案する。キャンペーンサイトでは、著名人のこれまで経験が読めるなど、学生が自分のキャリアを考えるうえで手がかりとなるコンテンツを展開。公式Facebookページでも専用アプリやプレゼントアンケートを実施している。

12月1日の開始から現在まで、30,000人を超えるユーザーに「いいね!」をクリックしているといい、「企業が行う情報の拡散として、10,000人を超えると効果があるといえると考えているが、この短期間で30,000人を超えたということで、非常に大きな効果があることを示している」(勝俣氏)と評価した。

今後は学生が作成したWindows 7を訴求映像の公開や起業家など、若手のビジネスリーダーを招いたイベントを開催する予定だ。

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