その最大の特徴といっていいのが液晶解像度だ。日本HPではNetbookが登場した初期となる08年夏に、VIAのCPUを搭載した「HP 2133 Mini-Note PC」を投入したが、この製品の液晶解像度は1,280×768ドットという解像度を採用していたことで注目を集めた。しかし、完全にNetbook準拠となったHP Mini 2140の初期モデルは1,024×576ドットへと低下。これはWindows XPのULCPCライセンスの要件を満たすための配慮で、致し方ない面はあるのだが残念に思う人も多かったと思う。

本モデルに搭載される液晶ディスプレイは、10.1型サイズではあるものの、1,366×768ドットへと解像度が大幅にアップ。HP 2133 Mini-Note PCと縦解像度を同じくした16:9比率液晶なので、横解像度がより大きくなっている。

マイコミジャーナルのトップページを1366×768ドット液晶で閲覧したところ。半透明部分は1,024×576ドットで表示可能な領域。その情報量の変化が分かるだろう

縦解像度はもちろん、横解像度の広がりによって生まれた余裕は、マルチタスクをこなすうえで大きなアドバンテージになる

その効果は非常に大きく、表示される情報量を大きく増している。情報量という意味では、縦解像度が大きくなったことを歓迎する人が非常に多いと思う。実際、筆者も1,024×600ドットの解像度を持つNetbookを常用しているが、やはり縦解像度の少なさにイライラすることもある。WebブラウザやWord、PDF文書を参照する際に大きなメリットになる。

また、実際に1,366×768ドットという解像度の液晶を使ってみると、意外に横解像度の広がりも大きなメリットを感じさせる。例えば、マイコミジャーナルは固定幅のレイアウトを採っているが、この幅は約1000ピクセルある。横解像度1,024ドットの液晶ではほぼ一杯になってしまうのに対し、1,366ドットあることで余裕が生まれるのだ。

固定幅レイアウトの代表的なサイトといえばYahoo! Japanが挙げられるが、ここも昨年のリニューアルで横幅を約950ピクセルへと広げた。ほかにも昨年~今年にかけて最低でも1000ピクセル前後の解像度を要求するレイアウトへとリニューアルを行ったサイトは少ないない。横解像度1,024ドットの液晶では一杯々々の表示になってしまうのが現実になってきているわけで、1,366ドットというXGAを広げた格好の解像度は非常に便利に感じられるのである。

このほか、今回のモデルで強化されたのは、メモリ容量が1GBから2GBへ増量された点と、Bluetoothの搭載となる。Windows XP環境にとって1GBという容量は決して足りないものではないが、解像度の広がりによって生じた余裕を活かして、より多くのアプリケーションが同時起動される可能性を考えると、この容量アップは好ましく感じられる。

ULCPCライセンスの要件にこだわっていないことから、メモリ容量が1GBから2GBへ増量された。プリインストールOSもWindows XP Professionalとなる

モバイルPCには便利なBluetooth2.0も内蔵された