――ここからは、こういった商品を開発なさっている浪曼堂さん自体についてうかがってまいりたいのですが、先ほども少しお話に出ましたように、生産ラインは中国の工場を利用してらっしゃるのでしょうか?

松本「一部日本でも、またやり始めていますね。ソフビ製品の場合ですが」

――それは、なぜでしょう?

松本「発売するまでの期間を短くするというのと、あとは……」

石川「管理する際に目に届きやすいというのがありますね」

松本「例えば、"ここをちょっと修正したいんだけど"という場合に、国内ですと実際に会って打ち合わせがすんなりとできるわけですよ」

――向こうだと、いちいち見本を送って説明して、という手間がかかるわけですね。

松本「そして、果たしてそのニュアンスが通じているかという不安を抱えることになります。実際、向こうからサンプルが上がってくるまでは分かりませんから。国内ですと、その期間が短くて済むと。コストは幾分高くはなりますが……」

――やり取りの手間のコストも合わせて計算に入れれば、大差ないのかもしれませんね。

松本「そうですね。アイテムによって使い分けると、国内でも十分やっていけるというのが分かりましたので」

――そうしますと、商品開発のプロセスとしては、まず、皆さんでブレーンストーミングをなさると。提案された商品に合わせて素材もその都度選ぶわけですか?

石川「商品の企画の段階で、素材も含めた商品仕様を固めます。どのキャラクターをやるかだけでなく、それをどんな素材で表現するのかも含めて決めていきます」

――その段階で、デザイン画を起こしたりなさるんですか?

石川「いえ、まずは松本が文章で書いた企画書を作りまして、それをそれぞれの権利元さんに持ち込みます。そこで、"ダメです"といわれてしまうと、もう何も……(笑)」

松本「涙を呑んだことが何度もあります(笑)。商品化するうえでの最大の関門のひとつがそれですね」

――それが通ったとすると、次は原型製作ですか?

松本「原型の前にデザイン画を描く場合もありますね」

――原型を作る際の資料というのは、版権元さんから提供していただけるんですか?

松本「基本的に版権元様から提供していただきますが、版権元様に資料がない場合は、自分たちで資料を探してきて、それをもとに作ることになります。簡単に見つけることができる場合もあれば、なかなか見つからず国立国会図書館に行ってようやく見つけることができたこともありました」

――そうやって、原型ができ上がると、先ほどもありましたように原型監修、彩色監修を経て製造ラインに回すと。生産された商品の流通は、どのようになさっておられますか?

松本「弊社はメーカーですので、基本的には問屋様へ納品いたします。ただ、一般の玩具と比べてホビー商品は流通する数量が少ないので、地方のお客様から、"僕の住んでいる周りには、この商品扱ってる店がないんだけど"というお声が結構ありましたので、自社の通信販売で商品を提供するサービスも行っております」

――通販をなさってらっしゃると、エンドユーザーさんと直に接する機会もおありになることと思いますが、どのようなリアクションがありますか?

松本「よく商品化のリクエストをいただきます! 非常に熱いメッセージを書かれたハガキなどもよく届いています。また、お客様に気に入っていただいた製品に対しては、お褒めの言葉をお手紙やお電話でいただくこともあります」

――ダイヤブロックの商品はブロック玩具ですから、お客様がご自分で組み立てられるにしても、あとの商品に関しては塗装済み完成品ということになるんでしょうか?

石川「そうですね。現在、キットの製品はほとんどやってないですね」

松本「キット商品が、だんだん売れなくなってきているというのは事実だと思います。やはり箱から出したらすぐ飾れるというのが、今一番求められていることだと思います」

―そういう時代になってきているということなんでしょうね。どうもありがとうございました。

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