――そして、河田さんのダイヤブロックと浪曼堂さんのコラボ企画商品「ダイヤブロックハイインパクトシリーズ」ですが、今回ご紹介していただくのは……。

松本「東宝特撮映画『サンダ対ガイラ』に登場した"66式メーサー殺獣光線車"と円谷プロ創立15周年特撮テレビ番組『スターウルフ』に登場した20等級小型高速宇宙船"バッカスIII世"になります」

ダイヤブロック ハイインパクトシリーズ 66式メーサー殺獣光線車(写真左)と、バッカスIII世(右)。どちらも河田ダイヤブロックと浪曼堂のコラボ企画商品で、価格は66式メーサー殺獣光線車が10,500円、バッカスIII世が4,725円

――"大人のブロック"ということだそうですが、そもそもダイヤブロックを使ってこのような商品を作ろうというのは、どなたの発案なんでしょう?

石川「誰か一人が、ということではなく、社内で企画を練り上げていく中で、結果的にこのような商品を開発しようということになりました」

松本「ブレーンストーミングを行って、だんだんとよい方向にもっていく、というふうに進めていますね」

――とはいいましても、やはり、66式メーサー殺獣光線車とバッカスIII世というのはかなり渋いチョイスだと思いますが。これは、やはりどなたかのセンスが反映されているのでは……。

松本「これは私の趣味かもしれませんね(笑)。特撮が好きなものですから。あと、これらを選ぶ要因となったのは、これまでにちゃんとした形であまり商品化された例がなかったものなので、やってみたらおもしろいんじゃないかなと個人的に提案したところ、なんとか社内で採用されたという部分もありますね」

――ダイヤブロックを組み立てて作るということは、すでにあるダイヤブロック商品の部品だけでできている、ということですか?

石川「そうですね。この商品のためにわざわざ作り起こした部品というのはありませんね」

――実際に、どの部品をどう組み合わせるのかお考えになったのは石川さんですか?

石川「はい。ダイヤブロックの基本のセットとか、珍しいパーツの入っているセットなどを用意するところから始めました」

――部品の種類は非常にたくさんあると思いますが、それらのうちのどれとどれを選んで、どう組み合わせるのかを考えるのは大変だったでしょうね。

「いきなり頭の中だけで組み合わせを考えるのはとても無理なので、サンプルとして購入したブロックを実際に手で組んだりはずしたりしながら、試行錯誤を重ねてこの形にたどり着いた、ということですね」

――バッカスIII世はパーツの種類が39種類、総パーツ点数353個。66式メーサー殺獣光線車にいたっては、64種類、596個も使ってらっしゃるんですね。

石川「全体のサイズと部品の点数を大きくしていけば再現度は増すんですが、価格をなるべく抑えたいなというのもあり、最終的にこうなりました」

――ダイヤブロックのメーカーである河田さんからは、どのような注文がありましたか?

石川「強度の問題ですね。初期の試作品では、メーサー車の砲身を動かしたときに先の部分が外れて取れてしまったりしたことがありましたので、その点を改善するようにといったご指示がありました」

――形さえ似ていればよい、というわけではないんですね。それはどのようにして解決されましたか?

石川「ブロックを積み上げていくときに、同じ形を作るのでも組み合わせ方が何通りかあるわけですが、そのときに各層の方向を互い違いにするなどですね」

――ベニヤ板を作るときに、繊維の方向が互い違いになるように木の板を張り合わせていくのに似てますね。

石川「形状を似せるのと同時に、この問題にも対応しなくてはなりませんでした」

――例えば、バッカスIII世では着手してからこの形に決まるまでに、どのくらいの期間を要したんでしょう?

石川「かなりかかってますね。1カ月半くらいでしょうか。版権元さんに見ていただく前に、まず社内でダメ出しをもらいますから(笑)」