投げサビキとトリック仕掛け

サビキ釣りは誰にでもできる簡単な釣りだが、堤防に魚が寄って来ないと成立しないし、魚が寄っていても、潮が澄んでいて疑似針を見破られたり、魚の警戒心が強いと針に掛けることもできない。そんな状況でも対処できるのが、「投げサビキ」と呼ばれる釣り方と「トリック仕掛け」という本物のエサを使用する仕掛けだ。

投げサビキ用のウキ。ウキは単体でも販売されているが、投げサビキ用仕掛けとのセットも販売されている。また、狙うタナでウキを止めるために、シモリ玉やウキ止め糸(ゴム)も必要

投げサビキは、仕掛け全体を浮かすことができる大きなウキを使用して、堤防から10数m離れた沖を狙う釣り方だ。投げ釣りのように仕掛けを遠くに飛ばす技術が必要だが、堤防の近くに魚が寄って来ない場合には効果的だ。柔らかい竿を使っていると、仕掛けを投げたときに折れてしまう可能性があるので、同じ万能竿でも固めの竿を使用するか、投げ釣り用の竿を使ってほしい。投げサビキの仕掛けは、通常のサビキ仕掛けに投げサビキ用の大きなウキを付けるだけだ。

市販されているトリック仕掛け

トリック仕掛けは、コマセに使用するアミエビを付けエサとして利用する仕掛けだ。本物のエサを使うので、潮が澄んでいたり警戒心が強くてサビキの疑似針に魚が掛からない場合に効果的な釣り方だ。トリック仕掛けはサビキ仕掛けと同じように針がたくさん付いているので、1つ1つの針にエサを付けるのでは効率が悪い。そこで、専用のエサ付け容器に仕掛けを通すだけで針にエサが付くように工夫されている。

トリック仕掛けの針。小さい針と大きな針が重なっており、小さい針がエサのアミエビを引っ掛けてくれる仕組み

トリック仕掛け専用のエサ付け容器。仕掛けの糸をピンと張った状態で通すと、針にエサが勝手に引っかかってくれる

アジやイワシなどの食べて美味しい魚を、誰もが簡単に釣ることができるサビキ釣り。まったく釣りをしたことがない人でも楽しめる敷居の低い釣りなので、気軽に挑戦してほしい。