イベント終了後、太田貴子ご本人に直接お話をうかがうことができた。

――今日のイベントは大いに盛り上がりましたが、ご感想をうかがえますか。

「こんなに盛り上がると思っていなかったので、本人もビックリなんです。もう圧倒されちゃって、"えー、どうしよう"みたいな感じだったんですけど(笑)」

――本当に盛りだくさんな内容でしたね。

「楽しいことばっかりで、あっという間に時間が過ぎちゃいました(笑)」

――今日来られたファンの方の中には、すでに顔見知りの方もいらしたようですが……。

「もう、ファースト・コンサートのときから、ずっと熱狂的に来てくださってて。一緒に歳をとっているような感じです(笑)」

――それは、20年以上のお付き合いということですか?

「はい、そうです(笑)」

――そういうお付き合いが始まった最初のキッカケは、無論『魔法の天使クリィミーマミ』だったと思いますが、主役に起用されることになった経緯をうかがえますか?

「私のデビューのキッカケが『スター誕生!』だったんですけど」

――『スター誕生!』では、スターを志す出演者の中から、その人を気に入ったレコード会社の人が自社の札を上げてスカウトするんでしたよね。

「そのとき、徳間音楽工業さん(現・徳間ジャパンコミュニケーションズ)の札が挙がったんですね。そのご縁で、偉い方から"今度『魔法の天使クリィミーマミ』っていう番組をやるんだけど、どうだ貴子、来ないか"って、勧められまして。見たら、すごいかわいらしかったんですね」

――キャラクターの絵をご覧になったんですか?

「ええ。それでもう、いっぺんで気に入っちゃって、"やります、やります"って(笑)。そしたら、鶴の一声で決まっちゃったらしいです」

――普通は、オーディションがありますね。スタジオに候補者を集めて、セリフを読ませたりするという。それもなかったんですか?

「なかったんです。水島裕さんとかから、"貴子、ラッキーだったね"って、よく言われます(笑)」

――じゃあ、初めてスタジオに行かれたときは収録の第1回目で、水島裕さんたちもいらっしゃる中で、セリフを読まなきゃならなかったわけですね。

「そうなんです。『魔法の天使クリィミーマミ』でご一緒させていただいた方々は皆さん、それまでテレビアニメで聴いていたベテランの方ばっかりで」

――すでに声はご存知の方々と共演されることになったと。

「肝付兼太さんにしても三田ゆう子さんにしても、皆さん有名な方ばっかりで、"どうしよう"みたいな感じだったんですけど、"こんなにやさしい声優さんていらっしゃるの?"っていうくらい、皆さん優しくしてくださって」

――主演なさって、二役おやりになりますね。森沢優とクリィミーマミ。変身後のマミのほうは当時の太田さんの実年齢に近い役だったと思うんですが、優は小学生ですね。演出サイドからは、"なんとか演じ分けてくれ"みたいな注文があったことと思いますが、それには、どのように対応なさいましたか?

「当時の音響監督さんは今は神南スタジオの(代表取締役の)藤山さんという方だったんですけど、私も一生懸命言われたとおりに応えようとはするんですけど、なにせ声優をやったのが初めてだったので、コツをつかむまではだいぶ時間がかかりました。演じていきながら、自分で"どうしたらいいかな"というのを考えながらやっていきました」

――優とマミをそれぞれ演じ分けるうえで、ご自身で一番変えてらした部分は、どこなんでしょう?

「優ちゃんはやっぱりまだ幼いので、キャピキャピって感じを出したかったんです。で、マミちゃんはもう少女らしいので、ちょっと落ち着いた感じでしゃべろうかな、って感じでしたね」