ソニーは10月16日、ミラーレスタイプのレンズ交換式カメラ新モデル「α7」および「α7R」を発表した。発売は11月15日で、価格はオープン。
パッケージは本体のみのもの(α7、α7R)と、α7の本体に新開発の交換レンズ「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」が付属する「ズームレンズキット」の計3つがラインナップされる。推定市場価格はα7の本体のみが150,000円前後、α7Rの本体のみが220,000円前後、ズームレンズキットが180,000円前後。
2モデルともEマウント採用のミラーレス一眼カメラながら35mmフルサイズのCMOSセンサーを搭載するモデルで、α7Rはソニーのレンズ交換式カメラのフラッグシップに位置付けられる。同社製のレンズ交換式カメラはこれまで全て「α」シリーズとして展開されていたが、Aマウント採用機が「α」というブランド名、Eマウント採用機が「NEX」という愛称で呼ばれていた。本モデルより、全てのレンズ交換式カメラで「α」というブランドを前面に押し出す。
2モデルの主な違いは、α7搭載CMOSが有効約2,430万画素であるのに対し、α7Rが有効約3,640万画素である点と、α7Rがローパスフィルターレス仕様である点、α7が像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせた「ファストハイブリッドAF」を搭載する点。α7R、α7ともに「ファストインテリジェントAF」に対応。なお、α7RのCMOSセンサーでは、隣接する画素間でギャップを作らないオンチップレンズ構造、および光の入射角に合わせたオンチップレンズ位置の最適化が行われており、周辺部でも高い解像感を実現できるようになっている。
画像処理エンジンは2モデルとも、新開発の「BIONZ X」を採用。デジタルカメラに特有の輪郭強調を極力抑えることでリアリティが追求されているとともに、回折低減処理で絞りに応じて最適なフィルター処理を施す。回折低減処理により、ボケやにじみの生じた点像を復元し、解像感のあるパンフォーカス撮影が可能となる。
2モデル共通のファストインテリジェントAFでは、新たに空間被写体検出AFアルゴリズムを搭載。BIONZ Xの高速処理や、イメージセンサーの読み出し速度の最適化と相まって、コントラストAF特有の"迷い"を低減し、高速なAFを実現した。また、α7で採用されているファストハイブリッドAFでは、117点の位相差AF検出方式測距点を配置。コントラストAFの広いAF範囲と併せて、被写体捕捉性能が大幅に向上した。
そのほか、2モデルとも「α99」と同等の有機ELファインダー「XGA OLED Tru-Finder」や、Wi-Fi(無線LAN)接続機能を搭載した。「NEX-5R」や「NEX-6」、「NEX-5T」と同様に、ネットワーク上のアプリストア「PlayMemories Camera Apps」でアプリを購入して機能を追加することが可能。なお、NFC(近距離無線通信)機能にも対応しているので、対応スマートフォンであればワンタッチで接続設定を行える。
主な仕様は次の通り。撮像素子はα7が有効約2,430万画素・フルサイズ(35.8×23.9mm)のExmor CMOSセンサー、α7Rが有効約3,640万画素・フルサイズ(35.9×24mm)のExmor CMOSセンサーで、マウントはソニーEマウント、対応感度はISO100~ISO25600(拡張設定でISO50も利用可能)、連写速度(速度優先連続撮影時)はα7が約5コマ/秒、α7Rが約4コマ/秒となっている。
有機ELファインダーの表示画素数は約235.9万ドット、視野率は100%、倍率は約0.71倍(50mmレンズ無限遠、-1m-1 ディオプター時)、背面のモニターは3型ワイド・約92.1万ドットの液晶方式、記録メディアはメモリースティック PRO デュオ/PRO-HG デュオ/XC-HG デュオ、SD/SDHC/SDXCメモリーカードが利用可能。記録形式は静止画がJPEG、RAW、動画がAVCHDおよびMP4となっており、動画の記録画素数は最大1,920×1,080ドット/60pだ。
本体サイズはα7が約W126.9×D48.2×H94.4mm、α7Rが約W126.9×D48.2×H94.4mm、本体のみの重量はα7が約416g、α7Rが約407gとなっている。
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