企業が成長するには、自社に蓄積された顧客データを元に今ある問題点の改善や新たな利益創出のための開発を行っていく必要があります。そのためにまず重要なのは、蓄積されたデータを適切に分析することです。そこで導入を検討したいのが分析ツールであるBIツール。この記事ではBIツールのおすすめ18選を紹介するとともに、BIツールの機能や選び方のポイントまで解説していきます。
BIツールとは
BIツールの「BI」とは「ビジネス・インテリジェンス」を意味する言葉で、BIツールは企業がため込んでいる膨大なデータを分析することができ、その分析によって隠れている問題点を見つけたり、分析結果をもとにビジネスの意思決定をサポートする役割を担います。
以前は部門や業務単位での導入が主立っていましたが、昨今では経営上の意思決定を裏付けるため、収集・蓄積してきた企業の組織データを可視化し、経営会議など迅速な意思決定が必要な場面での判断材料として活躍しており、導入する企業も増えています。
BIツールの導入メリット
- データの集計~分析を簡単に行える
- データをさまざまな角度から可視化できる
- 大量のデータも素早く分析可能
BIツールのメリットは「各システムのデータに対して集計・分析・可視化を短時間に行える」ことにあります。BIツールを使用しない場合は、CSVファイルなどで各システムのデータを集め、Excelで集計・グラフ化する必要がありました。また分析も関数を用いるなど複雑な作業が必要であり、分析結果を得るのに多くの時間が必要です。
BIツールを使えば各システムのデータを連携して集約する機能、データマイニング機能が備わっているため、膨大なデータを相関分析・回帰分析など多数の手法で解析することが可能です。また、さまざまな観点からのグラフ化やドリルダウンといった機能を用いることで、詳細な情報をいろいろな角度から可視化することができます。このような多くの分析機能や可視化機能が備わっており、膨大なデータを素早く分析できるからこそ、リアルタイムで判断を求められるビジネスにおいて、BIツールは強力なサポートツールといえます。
BIツールのデメリット
- 導入が難しい
- 自社に合った製品選びに苦労する
- 費用が発生する
BIツールはデータ分析を容易にしてくれますが、とりあえず導入すれば上手く活用できる、というものではありません。まず導入にあたっては、何のために導入するのか、誰がツールを使うのかと目的や運用体制を明確にしておくことが大切です。中でも利用目的をないがしろにしてしまうと、せっかく導入しても誰も活用できない事態になりかねません。
そのためには自社で求める機能を整理し、各ツールの特徴を把握する必要があります。数多くのBIツールの中から、自社に最適な製品を選ぶのは難しい面もあるでしょう。また、BIツールの多くは有料製品です。当然費用が発生しますので、ある程度の予算が必要になります。
BIツールの機能や種類
1、OLAP分析
OLAPは「OnlineAnalyticalProcessing」のことで、日本語に訳すと「オンライン分析処理」です。データベース上にある大量のデータをさまざまな角度から分析し、素早く結果を返す機能です。たとえば、年間の商品売上データから、月別のデータまで深堀してみていく「ドリルダウン」、商品別のデータをみていく「スライシング」といった分析手法があります。
2、レポーティング機能
分析結果をさまざまな形式でレポートとして出力する機能です。ブラウザ上に表示する以外にも、PDFやWord、Excelといった各種ファイル形式で出力し、印刷して資料にすることができます。また、レイアウトを決めて定期的な報告書として出力することも可能です。
3、ダッシュボード
さまざまな分析結果を1つの画面にまとめた、サマリー機能です。複数の分析結果を1つにまとめて表示比較することで、素早い状況把握や分析に役立ちます。
4、シミュレーション
過去のデータ分析結果をもとにシミュレーションを行う機能で、将来の数値を予測します。たとえば、商品の在庫量の増減を見ていくことで発注タイミングをシミュレーションし、過剰な発注や在庫切れを防止するのに役立ちます。
5、データマイニング
OLAP分析がさまざまな角度から分析するのに対し、データマイニングでは統計を用いた分析を行うことで、データに含まれた相関性や法則性などを探し出す機能です。たとえば、相関分析や回帰分析、デシジョンツリーなどの形式を用いることで、手作業では見つけられないデータの関連性を導き出します。
BIツール18選を徹底比較!
■無料トライアル:別途お問い合わせ
■提供形態:オンプレミス
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / レポーティング / ダッシュボード
「Actionista!」は、Excelや他のBIツールとは一線を画し、専門知識を持たない業務部門の担当者がデータ分析を行えることを目的として、ジャストシステムが自社開発したBIツールです。
業務の中で個人が行う分析から、全社的な情報共有まで、Actionista!を導入することにより、全社員が誰でも簡単に本格的なデータ分析に取りくめるようになり、分析結果を企業内で自由に共有・活用することができるようになります。
「skylink」イースト株式会社
■無料トライアル:別途お問い合わせ
■提供形態:オンプレミス
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:-
■機能:レポーティング
■その他注意事項やポイント:初期費用92,400円~
「SkyLink」は、25年以上の歴史を持ち、延べ15,000社を超える導入実績を誇るデータ検索・更新アプリケーションです。
基幹システムや業務システムで使用されているデータベースに直接接続して、蓄えられた情報を簡単な操作で検索・更新できます。売上情報・顧客情報・社員情報・受注データ・在庫データなど社内のあらゆるデータの有効活用に役立ちます。
SkyLinkはデータ検索に必須のSQLを自動で生成するため、業務担当者がSQLを覚える必要はありません。毎日の売り上げの取りまとめや製品在庫の確認など身近なデータの集計を業務担当者自身が行うことで業務をより効率良く実施できます。 一度集計の条件を作ってしまえば使いまわしも容易なため、使うほどに業務の効率が上がります。
「xoBlos(ゾブロス)」大興電子通信株式会社
■無料トライアル:別途お問い合わせ
■提供形態:オンプレミス
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:レポーティング
「xoBlos(ゾブロス)」は日々のExce業務で発生する複雑な関数の設定・大量データの突合・整合性チェックなどの煩雑な作業を実行ボタンをクリックするだけでを自動処理できるツールです。
マクロのような複雑なソースコードは不要。自動化方法もノンプログラミングで設定できます。データ集計、データ分類、差分抽出などの機能を有しており、帳票作成にかかっていたコスト削減、人的ミス防止・運用負荷減とともに、これまで分析できていないかったデータの見える化や人材有効活用に効果的です。
■無料トライアル:-
■提供形態:クラウド/オンプレミス
■参考価格:別途お問い合わせ(年間サブスクリプション)
■月額費用:-
■機能:OLAP分析 / ダッシュボード / レポーティング
「Yellowfin」は自動動化で強化された分析スイートを提供する、ビジネスインテリジェンスおよびアナリティクスソフトウェアのグローバルベンダーです。
本製品はアクションに繋がるダッシュボードや、数値データとともに必要な情報を伝えるストーリーテリングなど、日々の分析業務に寄り添う実践的なBIツールです。その革新性が各種評価機関から継続的にイノベーターとして認識されています。
またBARC The BI Surveyでは、組み込みBIにおいて最高評価を獲得。50の国々に渡り、29,000を超える組織で、300万人を超えるエンドユーザーが、日々Yellowfinを使用しています。
■無料トライアル:あり
■提供形態:オンプレミス/クラウド/SaaS
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / レポーティング / ダッシュボード / データマイニング
「MicroStrategy 2020」は、単なるBIツールではなく、一貫したテクノロジーにより開発され、顧客の要求に応え続けているエンタープライズBIプラットフォームです。エンドユーザーが自身でデータの準備、加工、分析、情報共有、配布などを直感的に行うことができ、定量的な評価、数値に基づいた客観的な意思決定が可能となります。また、BIに必要な機能を網羅しており、どれも直感的に使用することができます。
「Alteryx Designer」アルテリックス・ジャパン合同会社
■無料トライアル:あり
■提供形態:オンプレミス/クラウド
■参考価格:650,000円〜
■月額費用:お問い合わせください
■機能:OLAP分析 / データマイニング / レポーティング
■その他注意事項やポイント:
動作環境は、OS:Microsoft Windows 7またはそれ以降( 64ビット)
CPU:クアッドコア 2.5GHz以上
メモリ:8GB以上
ハードディスク:500GB~1TB
「Alteryx Desinger」は、セルフサービスのデータ分析に反復可能なワークフローを提供することでプロセスを合理化し、短時間でより深いインサイトを得ることを可能にするシステムです。単一の直感的なユーザーインターフェイスを使用して、データの準備、データのブレンディング、分析を統合し、データアナリストの可能性を広げます。また、アイコンベースのGUIを搭載しドラッグ&ドロップで、コーティングの知識を必要とせず誰でも簡単にデータ分析を始めることができます。250以上のツールを搭載しており、熟練したデータサイエンティストはもちろん、業務部門のユーザー社員までが利用可能です。さらに、予測分析によるパターンの解析、分析データのレポーティング業務の効率化にも寄与します。
「Dr.Sum」ウイングアーク1st株式会社
■無料トライアル:体験デモあり
■提供形態:オンプレミス
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / レポーティング / ダッシュボード
■その他注意事項やポイント:
初期費用:1,000,000円〜、利用年額:150,000円〜
「Dr.Sum」は、基幹システム、ファイル、IoTなどの社内データを収集し、リアルタイムでの処理および高速で集計を行います。核となるデータベースエンジンは加工可能なため、そのデータを分析・可視化することで、ビジネス戦略での素早い意思決定を支援します。基幹システムをはじめとした各種システムのデータを収集することで、現場の担当者が必要な時に必要なデータを必要な形で入手し 、そのままレポート作成や分析に利用できるようになります。また、IT部門では全社で活用する環境を整備するだけなので、本来の基幹業務に集中できます。
「MotionBoard」ウイングアーク1st株式会社
■無料トライアル:無料体験デモあり
■提供形態:オンプレミス/クラウド
■参考価格:30,000円〜
■月額費用:クラウド版/月額30,000円〜(10ユーザー)、オンプレミス版/別途お問い合わせ
■機能:レポーティング / ダッシュボード
「MotionBoard」は、日本の大企業も使用する、多機能な国産BIツールです。セルフBI向きのシンプルな設計であり、専門知識不要で操作することができます。また、多数の機能を搭載しており、シミュレーション機能やレポート機能に加えて、モバイルアプリを活用した独自の地図機能やIoT製品のセンサー情報の連携などが可能です。さらに、国産のツールであるため、システム利用者の意見を取り入れやすく、サポート体制も充実しています。そのため、導入後も安心して使用することができるでしょう。
「MotionBoard Cloud」ウイングアーク1st株式会社
■無料トライアル:あり
■提供形態:クラウド
■参考価格:30,000円〜
■月額費用:月額30,000円〜(10ユーザー)
■機能:OLAP分析 / レポーティング / ダッシュボード / データマイニング
■その他注意事項やポイント:
Professional Edition 月額60,000円、IoT Edition 月額90,000円 ※for Salesforce版は+15,000円
「MotionBoard Cloud」は、社内のあらゆるデータを集約し、リアルタイムで集計・可視化することができるBIシステムです。クラウドシステムであるためダッシュボードで 常に最新の状況を把握することができ、データに基づいた精緻な意思決定をスピーディに行うことが可能です。このように企業に取り巻くさまざまなデータを集めて価値ある情報に変えることにより、企業運営や意思決定を、 勘と経験に頼らないデータドリブンなものにすることができます。
「MotionBoard Cloud for Salesforce」ウイングアーク1st株式会社
■無料トライアル:あり
■提供形態:クラウド
■参考価格:45,000円〜
■月額費用:Standard Edition/45,000円〜、Professional Edition/75,000円〜、IoT Edition/105,000円〜
■機能:OLAP分析 / レポーティング / ダッシュボード / データマイニング
■その他注意事項やポイント:
上記は、10ユーザー後単位の年間契約となります。また、別途初期費用が必要になります。
「MotionBoard Cloud for Salesforce」は、データの分析・可視化からスムーズな報告・共有、次の活動につなげるアクションまで、データによる意思決定を圧倒的な速度で可能にするBIシステムです。Salesforceとの連携に最適なモデルであり、営業組織のパフォーマンス向上に貢献します。また、多彩な表現力で社内の情報をわかりやすく管理することに加え、徹底的にユーザビリティを追求したシステム設計であるため、シームレスかつ正確に使用することができるシステムです。
「Oracle Analytics Cloud」日本オラクル株式会社
■無料トライアル:あり
■提供形態:クラウド
■参考価格:558,000円〜
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / レポーティング / ダッシュボード
■その他注意事項やポイント:
導入環境によって価格が変動します。また、個別製品でのご相談お見積もりも可能です。詳細はお問い合わせください。
「Oracle Analytics Cloud」は、ビジネスユーザーが主体となって始められるクラウド型サービスです。高度な専門知識がなくとも業務部門のユーザー自身がビジュアル化ツールの力を借りて、自由にデータを可視化することができます。また、ユーザー単位で分析した結果や気づきを共有することができるため、最大限データの活用をすることが可能です。Excelデータからリレーショナル・データベース、クラウドDBを活用した大規模な分析にも対応しており、利用目的に応じて最適な機能を取捨選択して導入することができます。
「Qlik Sense」株式会社ビジネスブレイン太田昭和
■無料トライアル:あり
■提供形態:オンプレミス/クラウド
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / レポーティング
「Qlik Sense」は、直感的な操作で、データを基にした経営改善アクションを行うためのBIツールです。 世界レベルの最新アナリティクスを使用して組織のすべての従業員が常により適切な意思決定を行うことで、真のデータ主導型企業の構築を実現します。また、BIツールの必要な機能を網羅しており、 これ一つで必要なデータ処理をすべて行うことが可能です。AIに頼るだけではなく、AIを基にした高度な意思決定を行うことで、より効率的な企業運営が可能となります。
「Sactona」アウトルックコンサルティング株式会社
■無料トライアル:なし
■提供形態:オンプレミス/クラウド
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / レポーティング / ダッシュボード
「Sactona」は、経営管理を高度化・効率化するためのクラウド対応型経営管理システムです。 最先端のエンタープライズシステムによって、さまざまな管理会計・経営管理業務を支えます。連結・部門別・支店別・販売店別・プロジェクト別管理などのさまざまな領域に適用可能です。また、 Excelとの親和性が高く、既存のフォーマットや帳票類をそのままの形で活用することができるため、スムーズにシステム導入をすることが可能です。
「軽技Web」富士電機ITソリューション株式会社
■無料トライアル:
■提供形態:パッケージソフト/クラウド
■参考価格:1,980,000円〜
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / レポーティング
「軽技Web」は、現場担当者が日常業務の中で、もっと自由に・簡単にデータを活用することを目指し、 「現場担当者にとっての使いやすさ」を追求したEUC(エンドユーザ・コンピューティング)ベースのBIツールです。社内に蓄積された膨大な「情報」を、意味のある「情報」として提供します。従来のBIシステムとは異なり、簡単な操作で業務分析ができるため、管理者だけではなくエンドユーザーまで、幅広い層の方が使用できます。またCube構築の必要がなく導入は 短期間、低コストで実現することができます。その他、スピーディなデータ抽出やシンプルで使いやすい機能により、容易に社内に定着させることができます。
「DOMO」DOMO株式会社
■提供形態:クラウド/SaaS
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / レポーティング / ダッシュボード
「DOMO」は、マーケティングデータから顧客インサイトを発見するクラウド型BIツールです。どれほど優れたデータ分析を行っても、分析結果から気づきを得るためには、スキルや経験が必要。高性能AIテクノロジーが搭載された「DOMO」を使えば、誰でも迅速に、そして正確にインサイトを得られます。
また、「DOMO」はオープンプラットフォームなので、世界中の企業が拡張機能Appの作成と公開をしています。自社ニーズに合った最適なカスタマイズを行えるでしょう。
「Qlikview」株式会社日立システムズ
■提供形態:オンプレミス / パッケージソフト / サービス
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / レポーティング / ダッシュボード / データマイニング
「Qlikview」は、多角的なデータ分析を行えるインメモリ型のBIツール。全てのデータ処理をメモリ上で行えるため、高いパフォーマンスを実現できています。 Google Mapsと連携することで、チェーン店の売り上げ状況の把握などの高度な分析が可能です。モバイル環境でアクセスできるため、外出先でも分析データの確認を行えます。
また、分析画面の構築にプログラミング知識は不要です。ITが苦手な方でも、比較的簡単に使いこなせるでしょう。
「sisense」Sisense Inc.
■提供形態:別途お問い合わせ
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / ダッシュボード / レポーティング
「sisense」は、驚異的な高速処理をおこなえる第三世代のBIツールです。高速処理を支えているのは独自のin-chip技術。AIアルゴリズムでCPUキャッシュの管理を高効率化し、大量かつ複数データの高速処理を実現します。また、画面操作はマウスを主体としており、誰でも使いやすいやさしい設計になっています。ITツールに知見がない人でも、簡単にダッシュボードやウィジェットを作成できるでしょう。
「LaKeel BI」株式会社ラキール
■提供形態:クラウド/オンプレミス
■参考価格:別途お問い合わせ
■月額費用:別途お問い合わせ
■機能:OLAP分析 / ダッシュボード / レポーティング
「LaKeel BI」は、使いやすさにこだわったBIツールです。分析業務がはじめての人でも使えるように、豊富なテンプレートと充実のサポート体制が備わっています。たとえば、経営・財務分析や営業・売上分析など、業務別に細かくテンプレートが用意されています。テンプレートを活用することで、部署や業務単位で適切にデータ分析を実施することが可能です。
また、サポート体制は無料トライアルで事前に使用感を確認できるほか、運用研修も実施。ツールを活用できるように、導入から運用まで寄り添って対応してくれます。
BIツール機能比較表
製品名 | OLAP分析 | ダッシュボード | レポーティング | データマイニング |
---|---|---|---|---|
Actionista! | ○ | ○ | ○ | – |
SkyLink | – | – | ○ | – |
xoBlos(ゾブロス) | – | – | ○ | – |
MicroStrategy 2020 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Yellowfin | ○ | ○ | ○ | – |
Alteryx Designer | ○ | – | ○ | ○ |
Dr.Sum | ○ | ○ | ○ | – |
MotionBoard | – | ○ | ○ | – |
MotionBoard Cloud | ○ | ○ | ○ | ○ |
MotionBoard Cloud for Salesforce | ○ | ○ | ○ | ○ |
Oracle Analytics Cloud | ○ | ○ | ○ | – |
Qlik Sense | ○ | – | ○ | – |
Sactona | ○ | ○ | ○ | – |
軽技Web | ○ | – | ○ | – |
DOMO | ○ | ○ | ○ | – |
Qlikview | ○ | ○ | ○ | ○ |
sisense | ○ | ○ | ○ | – |
LaKeel BI | ○ | ○ | ○ | – |
その他のBIツール製品
昨今では、データ分析を行うデータアナリストではない現場担当者がデータを活用するためのツールとして「セルフサービスBI」が注目されています。これは、毎回専門家に依頼して作成してはスピード感にあわないので、現場担当側で作成したいというニーズにあわせたものとなります。セルフサービスBIツールとして有名なのが、Tableau社が提供する「Tableau」と、Microsoft社が提供する「Power BI」です。
Tableau
TableauはBIツールを代表する製品のうちの1つで、世界でも大手企業をはじめとした多くの企業で導入実績があります。その人気の秘密は「ドラッグ&ドロップでできる簡単操作」「可視化(ビジュアライズ)の種類が豊富」「多様なプラットフォームと連携可能」などが挙げられます。誰でも扱いやすく、またオンプレミス、クラウド問わずデータ連携できることから、簡単に分析・可視化ができます。この人気の高さからコミュニティも活発であり、ナレッジ共有やイベントの開催など情報共有が随時行われています。
BIツール「Tableau」の魅力解説記事はこちら
Power BI
Power BIは、無料版が利用できる点と、プログラミングせずにデータの分析や可視化が可能という点で人気のあるツールです。また、Excelとデータのやりとりも容易であるため、使いやすさでメリットが大きいです。ただし、分析するデータをあらかじめクラウドにアップロードする必要があるため、セキュリティ上クラウドにアップロードできない場合は利用できない点に注意が必要です。
BIツール選定のポイント
ここまで多くのBIツールをご紹介してきましたが、これだけ種類があるとどれを選べばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そんな方のためにBIツールを選ぶ際のポイントをご紹介します。
BIツール選定のポイント1:機能性
先にBIツールが備える4つの主要機能を挙げましたが、同じ機能であってもツールによってできること、できないことがあります。また、ツールによっては、一部の機能を備えていないものも存在します。 導入を検討する段階でBIツールのどんな機能が必要なのかを洗い出し、その上で、各種ツールの機能が要件を満たし得るのか検証しましょう。
BIツール選定のポイント2:操作性
BIツールは、「システムに精通していない人でも簡単にデータ分析ができる」ことを1つの目的にしたシステムです。このため、操作性が高く直感的な操作で作業ができるかは、重視して検証する必要があるでしょう。 試用版を用いれば実際の操作画面を触ることができます。想定している利用者に試してもらうなど、現場の意見も聞きながら選定を進めていくのがポイントです。
BIツール選定のポイント3:導入形態
BIツールには、自社サーバーを持たないクラウド型と自社サーバーを使用したオンプレミス型があります。 導入費用を抑えられることからクラウド型は人気があり注目されていますが、オンプレミス型と比べカスタマイズ性や後述の連携性が劣るため、様々なシステムにあるデータを取り扱いたい場合には注意が必要です。
クラウド型のBIツール
クラウド型のBIツールは、サーバーの設置や特別なソフトのインストールなしに利用できます。アカウントを登録すれば使い始めることができ、導入開始までの期間が短く済みます。また、サーバー設置にかかる費用が不要なため、イニシャルで発生する金銭的負担は少なくて済みます。
オンプレミス型のBIツール
オンプレミス型のメリットは高い連携性とカスタマイズ性です。 数多くのシステムと連携したかったり、独自のカスタマイズが必要だったりといったケースで、オンプレミス型が多く導入されます。
BIツール選定のポイント4:連携性
既存システムにあるデータを取り扱うことができるかは、BIツールの選定にあたって非常に重要な視点となります。どんなデータ形式に対応しているのか、自社で利用している言語でデータベースを構築できるかなど、慎重に検証を進める必要があります。
BIツール選定のポイント5:ライセンス料などのコスト
BIツールの多くは有料製品であるため、導入にあたってはある程度のコストが発生します。1ライセンスあたりでコストが変わるツールや、導入環境によって金額が変動するものなど、サービスによってコスト感はさまざまです。
ある程度までツールの候補が絞り込めたら、相見積もりを取りましょう。その上で適正価格の製品を選ぶようにしてください。
BIツールを導入する際の注意点
BIツールを導入すればすべてが改善されるというわけでありません。残念ながら導入しても活用を失敗してしまう企業が存在するのも事実です。
導入にあたってまずすべきは、どんなデータを可視化する必要があるのか明確にすることです。可視化すべきデータはどのシステムに存在しているのか。当該システムのデータはどんな形式で保存されているのか。複数システムにあるデータをどうすれば統合することができるか。BIツールを選定する前には、まずこれらを明確にしましょう。その後で要件に合う製品を選定し、導入に関わるロードマップを作成していく。そうすれば、導入後、少なくとも「可視化したいデータが取り扱えない」といった問題は生じないはずです。
BIツールの導入手順
最後に、BIツールの導入手順を紹介します。
1、目的の明確化
BIツールの導入前には、明確な目的を設定する必要があります。目的設定により、分析のために必要なデータが判明すれば、導入後の適切な効果測定が可能になります。
よくある失敗が、BIツールの導入自体が目的になっていること。導入が目的になると、具体的な活用イメージを持てず、導入しても使用しなくなります。BIツールはレポーティングやシミュレーション、データマイニングなど様々なことを行えるため、導入目的と利用用途を明確にすることが大切です。
2、運用体制の構築
経営者やマネジメント層がBIツールを活用し、データ収集と分析の実施、および課題の発見や改善策の実施を行うことは少ないでしょう。一般的にBIツールを使用するのは現場の社員であり、役職者は提出されたデータを基に意思決定を行います。つまり、BIツールを運用するにあたり、社内に複数の関係者が存在するのが普通です。
複数の人物が関わるからこそ、事前に運用体制を構築し、誰が何を担当するのか明確にしておく必要があります。細かくルールを決めておけば、関係者間のコミュニケーションが円滑になり、効率よく運用できるでしょう。
3、製品選定
BIツールの機能は主に、OLAP分析・レポーティング・ダッシュボード・シミュレーション・データマイニングの5つでした。BIツールによって、搭載機能や強みが異なります。自社に最適なBIツールとは、導入目的を達成できる機能を備えたものです。目的達成に必要な機能を備えたBIツールを複数リストアップし、先に紹介した選定ポイントを比較して、最適なツールを選びましょう。
4、サーバー構築
目的と分析で必要となるデータを明確化したら、下記3ステップでBIサーバーの構築を実施します。
✔STEP1. データウェアハウス(DWH)の構築
データウェアハウスとは、必要なデータの収集および蓄積するデータベースです。CRMやエクセルなどの社内にあるツールから、分析に必要となるデータを集め、データウェアハウスへ移します。BIツールでは、データウェアハウスに蓄積されたデータを分析します。
✔STEP2.Cube(キューブ)の構築
Cubeとは、多次元データベースのことです。Cubeを構築すると、多次元でのデータ分析が可能に。BIツールを利用する際、ユーザーはキューブに対して分析操作を実施します。
✔STEP3. セキュリティ設定
BIツールでは重要情報を扱うことが多いため、閲覧権限などのセキュリティ設定は欠かせません。情報漏えいを防ぐためにも、早めの段階でセキュリティ設定をしましょう。
サーバー構築のほか、自社に適したダッシュボードや画面の表示方法などを決める必要があります。こういった初期設定は重要ですので、現場やベンダーとコミュニケーションを取りながら、丁寧に実施しましょう。
4、実装
初期設定を行い、BIツールの実装を行います。実装段階では、PDCAを回すことが重要です。利用データとフィードバックを集め、要件を満たせていない原因の発見と改善を繰り返します。
改善点の発見のためには、BIツールの導入目的を意識するのが有効です。どのようなデータがあれば目的達成できるのか?と考えながら、PDCAを回しましょう。
無料製品との違い
BIツールには、オープンソースのツールや有料製品の無料版など無料で使えるものもあります。有料製品と無料製品には一体どのような違いがあるのでしょうか。
結論から言うと、主に「機能」と「運用コスト」の違いがあります。多くの場合、無料製品は有料製品ほど機能が充実していません。有料製品の無料版の場合は機能の一部が制限されていることも。また、オープンソースの場合は、導入に際して自社で構築しなければいけません。構築後の運用も当然自社で管理する必要があるため、運用の負担は非常に重いといえます。
無料製品は有料ツールと違って、経済的コストが発生しない点が最大のメリット。しかし、経済的コストが発生しない分、機能の物足りなさや運用の手間といった別の問題が発生してしまいます。迅速な意思決定のためにBIツールの導入を検討しているなら、コストは考慮しつつも有料製品を使用するのがおすすめです。
まとめ
膨大なデータを分析し、ビジネスの意思決定をサポートする役割を担うBIツール。いち早く導入することが、競合他社との差別化を図るきっかけになるかもしれません。
「導入していないが興味はある」「導入済みだが使いづらい」といった企業の方々は、ぜひこの機会にベストなBIツールを選び、競合他社へのアドバンテージにしてください。
現在、各ベンダーからさまざまな機能を持つBIツールが提供されており、どれを選べば良いか迷ってしまう場合もあると思います。各製品についてのより詳細な情報を知りたい方は、ぜひこちらから資料請求をしてみてください。