アパート経営は節税対策になる?3つの効果的な節税対策や経営リスクを解説

「アパート経営に興味があるけれど、節税対策になるって本当?」と思ってる方は多いのではないでしょうか。

アパート経営では下記の3つの節税対策ができます。

  • 更地の活用による固定資産税や都市計画税の節税
  • 給与所得と赤字の相殺による所得税や住民税の節税
  • 現金をアパートにすることで得られる相続税や贈与税対策

しかし、アパートの広さや現在の収入、アパート経営にかかる経費によって、節税効果が異なります。自分ならどのような節税対策が利用できるか理解することで、アパート経営による節税効果をより具体的に把握できます。

本記事では、アパート経営でできる節税対策やその注意点、節税目的でアパート経営をするリスクなどを解説します。最後まで読むことで、節税対策を目的にアパート経営を始めるべきか、判断できるようになるでしょう。

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目次

アパート経営でできる節税対策

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アパート経営で発生する税金は、家賃などアパート経営によって発生した利益から、必要な経費や税法上の優遇措置を差し引き、残った利益に対してかかります。アパート経営でできる節税対策を成功させるには、優遇措置や経費について知ることが大切です。

ここでは、まず理解しておきたい優遇措置の概要を、分かりやすく解説します。

損益通算で所得税や住民税を減らす

給与所得などほかの黒字の所得から、不動産所得の赤字額を差し引くことが認められています。この差し引きが損益通算です。たとえば、その年の給与所得が700万円の方が、アパート経営により100万円の赤字を出した場合、損益通算により課税対象となる所得は600万円となります。会社側が源泉徴収を行った給与所得より、課税対象が少なくなるため、その差が確定申告によって戻ってきます。

損益通算はどのような赤字でも行えるわけではなく、不動産所得以外では事業所得や山林所得、譲渡所得のみです。

アパート建設で固定資産税や都市計画税を減らす

すでに所有している土地にアパートを建設することで、固定資産税や都市計画税に対し、次の表のように軽減措置を受けられます。

対象となる土地の面積 固定資産税 都市計画税
土地の面積に対し、住宅の戸数×200㎡以下の部分(小規模住宅用地) 課税標準の1/6 課税標準の1/3
土地の面積に対し、住宅の戸数×200㎡超の部分(一般住宅用地) 課税標準の1/2 課税標準の2/3

固定資産税とは、土地や建物の価値に応じ、持ち主が納める税金のことです。また、都市計画税は、市街化区域に指定されたエリア内にある土地や建物の持ち主が納める税金をいいます。通常は、国が定める固定資産評価基準に基づき、市町村長や知事が決定した評価額に対し、固定資産税は税率1.4%、都市計画税は税率0.3%の税金が発生します。

しかし軽減措置を利用すると、小規模住宅用地が適応されたアパートなら、固定資産税の評価額を6分の1にできるため、税金の額を減らせます。さらに居住用の一戸建てと比べると、1つの土地に対し住宅の戸数が複数になるアパートは軽減措置を受けられる土地の面積が広くなるため、節税効果も高くなります。

建物相続で相続税や贈与税を減らす

現金を相続する場合と比べると、不動産であるアパートを相続した方が相続税の節約に繋がります。アパートとして相続した場合は、土地と建物の相続税評価額を下げる特例が利用できるため、相続税がかかる範囲を小さくできるからです。一方で現金を相続した場合は、全額が加算されてしまいます。

土地の場合、アパートを建設すると貸家建付地という土地の扱いになり、相続税評価額が20%ほど減額されます。建物部分は相続税評価額に対し、現在の取得費用の40%分が減額され、さらに全国一律で評価額の30%が減額される(借地権割合)ため、合計で相続税評価額に対し、およそ60~70%の減額を受けられます。

生前贈与も検討する

相続による節税効果を高めたい方は、生前贈与も検討しましょう。生前贈与とは、現在アパートなど財産を持つ人が財産を渡したい人に対し、生きている間に双方の合意の元、財産を無償で譲り渡すことをいいます。アパートを取得した際の固定資産税評価額が50~60%に抑えられるだけでなく、借地権割合分の30%が差し引かれるため、建物部分を生前贈与すれば、高い節約効果が見込めるでしょう。

ただし、節約効果を最大限発揮するには、アパートを建てた際のローンの完済や敷金の有無、不動産取得税などさまざまな費用が求められます。全ての手続きにかかる費用や返済状況も踏まえたうえで、最適な選択を選びましょう。

経費申請で不動産所得を減らす

アパート経営の収入は、不動産所得と呼ばれます。計算式は以下の通りです。

不動産所得=賃料や更新料などの収入ー経費

経費の有無は、確定申告で申請します。適切な経費申請を行えば、不動産所得を減らすことで節税効果を得られるため、経費の把握はアパート経営において重要です。アパート経営で日々発生する経費は、以下の通りです。

  • アパートを建てた際などローンの返済費用
  • ローンの利息
  • 減価償却費
  • 共用部分の光熱費
  • 不動産会社への管理委託費用(委託している場合)
  • 不具合や退去時の修繕費
  • 数年単位で行う大規模修繕のための修繕費積立金
  • 固定資産税や都市計画税など租税公課
  • 火災保険などの保険料
  • 入居者募集のための広告宣伝費や仲介手数料

経費になる項目は、不動産経営に必要な支出だけです。日常生活の支出を混同しないように、会計の知識を身につけたり、税理士をはじめ税の専門家に相談したり、適切な経費申請を行えるように用意しましょう。

アパート経営の経費について、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/18326

アパート経営で節税するときのポイント

前章で紹介した節税対策を有効なものにするには、選択するアパート経営によって3つのポイントがあります。どの経営方法によっても重要になるのが、減価償却費と青色申告です。

減価償却費を漏れなく計上する

減価償却とは、取得にかかった費用を耐用年数で割り、ゼロになるまで毎年計上していく仕組みです。耐用年数は、法律上で定められた構造に応じた建物の寿命を指します。建物そのものの寿命ではなく、資産としての価値が認められる年数であることがポイントです。

この減価償却費は経費として計上できるため、結果として所得税の支払いが減り、節税効果が期待できます。個人事業主としてアパート経営をする場合は、減価償却費の計上は必須のため、忘れずに申請しましょう。アパート本体だけでなく、設置する設備も経年劣化するため減価償却の対象です。

取得にかかった費用に合わせて、次のような特例が利用できます。

種類 特徴 メリット デメリット
一括減価償却 法定耐用年数を考慮せず3年間固定で一括減価償却を行う方法 固定資産税としての納税が不要となる 取得価額が10万円以上20万円未満で、3年間で償却が必要
少額減価償却資産の特例 使用した年に全額を経費として計上できる方法 利益を多く得られる年に行えば節税効果が高い 青色申告者かつアパートの購入費が300万円未満

減価償却には、定額法と定率法の2通りの計算方法があるため、どちらがよいか判断する必要もあります。アパートの法定耐用年数や減価償却について、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/8419

節税効果は区分マンションの方が有利

アパートの建物自体の減価償却期間は、構造によって異なります。たとえば木造は22年、鉄筋コンクリート造なら47年です。また、中古のアパートを購入して経営する場合は、原則としてそのアパートが今後利用できる年数を合理的に見積もり、耐用年数を改めて決定します。

したがって基本的には耐用年数が長い鉄筋コンクリート造の方が、長く減価償却費を計上できるため、節税効果を見込めます。資金の状況によっては、鉄筋コンクリート造のマンション1部屋を購入して貸し出す区分マンションの方が、有利になるケースもあるため、今後の収入の変動も加味して検討しましょう。

確定申告で青色申告を選択する

まず、確定申告には白色申告と青色申告の2通りがあります。青色申告は白色申告に比べ、控除額が最大で65万円と大きく、また家族を従業員としていた場合は給与を必要経費として計上できます。

ただし、不動産所得による青色申告特別控除を最大限受けるには、4つの条件があります。

  • アパート1棟当たり、賃貸として貸し出せる部屋数が10部屋以上ある
  • 「個人事業の開業・廃業届出書」「所得税の青色申告承認申請書」を事業開始から2ヶ月以内に提出
  • 複式簿記による記帳と決算書の提出が必要
  • e-Taxによる申告か電子帳簿保存が必要

青色申告を行うには、青色申告を行いたい年の3月15日(年度により変動)までが申請期限です。期限を過ぎると確定申告時に青色申告を利用できないため、大きな損となってしまいます。期限内であっても、アパート経営を始めてから2ヶ月以内の提出が必要なため、早めに手続きを進めましょう。

“参考:国税庁 参考箇所:「[手続名]所得税の青色申告承認申請手続」”

節税対策に詳しい業者を選ぶ

アパート経営を始めるにあたり、所有している土地にアパートを新しく建設する際は、建設の依頼先を厳選しましょう。アパート建設に慣れていて、節税対策に詳しい業者を選ぶのがおすすめです。

依頼先として、次の3つが挙げられます。

  • ハウスメーカー
  • 工務店
  • 設計事務所

このうちハウスメーカーは、建設から修繕、空室対策、節税など多くの問題に対処してくれることがメリットです。必要経費や経営のアドバイスを受けられるメーカーを選べば、節税対策を効果的に行えるでしょう。ただし、設計の自由度が低く画一的だったり、広告費によって建設費が高くなったりとデメリットもあります。

一方、工務店や設計事務所は、地域性や土地、デザイン力、細かな要望への対処に優れていることがメリットです。しかし、幅広い問題へ同じ業者が継続して対処できないこともあるため、節税対策を相談しづらい場合もあります。事前に特徴やサービスを把握して、自分が重視したい部分に強みのある業者を選びましょう。

ハウスメーカーの価格帯や工務店との違い・特徴などはこちらの記事でも詳しく解説していますので、併せてご参考ください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/9331

節税目的でアパート経営を行うリスク

アパート経営を始めれば、確実に節税効果を得られるわけではありません。経営に失敗すれば、反対に家計に大きな負担を与える可能性もあります。節税目的でアパート経営を行う際、考えておきたい3つのリスクを解説します。

空室リスクによる収入の減少

確かにアパート経営では、赤字が出たとしても、給与所得など黒字の所得との損益通算を行えることがメリットです。しかし定年退職や転職で給与所得が変わるなど、赤字を相殺できる黒字の所得が無くなってしまえば、収入がゼロになってしまいます。本来なら得られるはずの、アパート経営による収入を無視してしまうと、後々の収入に響いてしまうのです。

特に空室リスクには、アパートの需要が影響を及ぼします。需要が少ない地域になったとしても、数あるアパートの中から選んでもらうことが大切です。部屋の収入力が高い、外壁を含め状態が綺麗など、アパートの魅力を維持する努力を大家として継続しましょう。

アパート経営の基本知識について、知りたい人はこちらをご覧ください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/9422

地震や火災などの保険料の負担

アパート経営者として加入したい保険には、火災保険が挙げられます。火災保険は火災以外にも、水災や雪災、落雷などの自然災害に対応している点が特徴です。また、アパート経営者向けに特約として、家賃収入や家主費用なども用意されています。万が一の対策を立てられるため、アパート経営者にとっては心強い味方です。

しかし火災保険は地震や津波、噴火の補償を行っていないことが多いため、地震保険に加入するアパート経営者もいます。どちらも加入するメリットが大きい保険ですが、結果として保険料が高額になり、アパート経営に影響が出る可能性もあります。アパートが失われることで資産に出る影響を考え、手厚い補償をかけた方がよいか、しっかり検討しましょう。

アパート経営の火災保険について、詳細に知りたい人はこちらをご覧ください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/20173

売却が難しくなる

アパートの空室が増え、対策を講じても入居者が増えない場合、赤字を回避するために売却を検討することになります。しかし、空室が多いアパートは今より家賃を上げられないことがほとんどです。入居者も居ないため「利益が出ない」アパートと評価され、買手が付かなかったり、売値が安くなったり、売りたくても売れない状態になる可能性があります。

空室対策を行う際は、入居者視点で「魅力あるマンションとは何か」を考えましょう。老朽化に対応するリフォームや、古くなった設備は新しいものに変えるなど、設備投資も大切です。

アパート経営の節税対策に関する注意点

アパート経営による節税対策を納得のいくものにするためには、アパート経営を行う前や経営時の会計など、さまざまな場面で気をつけたいポイントがあります。ここでは、重要な注意点4つを解説します。

経営に自信がない場合は売却を検討する

相続したアパートや土地の場合、アパート経営による節税対策よりも、売却して現金にしてしまった方がメリットが大きくなることもあります。売却とアパート経営による利益の差を詳しく計算し、自分のアパート経営に対する興味・関心の高さも考慮して決定してください。売却とアパート経営、それぞれの利益を計算するには、専門的な知識が求められるため、不動産業者の手を借りることをおすすめします。

どのくらいで売却できるのかを知るには、一括査定サイトを利用してください。1度の情報入力で複数社に査定依頼を出せ、結果の比較で簡単に最新の相場を把握できます。

アパートの売却方法として、一棟まるごと売るという方法があります。どのように売却活動を進めていけばよいか知りたい方は、以下の記事もおすすめです。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/3082

おすすめの一括査定サイトは「すまいステップ」

すまいステップはこんな人におすすめ!
  • 初めてで不安だから実績のあるエース級の担当者に出会いたい
  • 厳選された優良不動産会社のみに査定を依頼したい
  • 悪徳業者が徹底的に排除された査定サイトを使いたい

その他の一括査定サイトや選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/9915

アパート経営で経費にできないものもある

アパート経営では、家賃収入や更新料などの収入から、アパートの減価償却費など支出を経費として計上できます。ただし、どのような支出でも経費にできるわけではありません。経費にできないものに、以下の3つが挙げられます。

  • 私生活の出費
  • アパートローンの元本(借り入れた金額)
  • アパート売却時の譲渡損

まず、アパート経営に関わらない支出は経費にできません。たとえば、自分が私生活で使用した飲食などの費用は対象外です。ただし、区別が難しい部分もあります。アパート経営のために自家用車で移動した場合のガソリン代などです。

また、アパートをローンを利用して購入した場合、ローンの利子については経費にできます。しかし経費にできないものに挙げたように、アパートローンの元本は経費にはできません。適切な経費計上をするためにも、経費にしてよいか判断できない場合や、判断が難しい場合は、税理士に相談することをおすすめします。

赤字経営を前提とするのはNG

アパート経営の節税対策として、損益通算による所得税と住民税の節約を挙げました。特にアパート経営1年目は減価償却費も大きく、損益通算を行うことがほとんどです。しかし損益通算を長年継続するということは、赤字経営を前提にするということでもあります。

節税対策であったとしても、赤字が続くと収入が減少します。自己資金がより少なくなったり、アパートの賃料を下げざるを得なくなったり、アパート自体の価値を維持できなくなるでしょう。最終的に、アパートを手放したくても売るに売れない状況になるかもしれません。

アパート経営による利益で、安定した収入を得られることも大きなメリットです。適切に経営を行い、手放す際も損が少なくなるように、日ごろから使えるアパートを目指しましょう。

確定申告しないと延滞税がかかる

アパート経営において、正しく確定申告をすること自体も、節税対策になります。期限内に納税を行わなかったり、申告内容に虚偽が含まれていたりすると、追加で税金の支払いが課されることがあるためです。具体的には次のようなものがあります。

  • 納付期限を過ぎたことによる延滞税
  • 期限内に申告しなかったことによる無申告加算税
  • 申告内容の虚偽による重加算税
  • 納税額が少ない・還付が多すぎたことによる過少申告加算税

確定申告の期限はその年の土日の位置によって異なりますが、毎年2月16日から3月15日が期限です。税務署へ書類を提出・郵送するほか、e-Taxを通じてネットでも提出できます。期限内に確定申告が行えるように、日ごろから日々の収入と支出を帳簿に記載し、準備を進めていきましょう。時間がない、帳簿付けが不安という方は、税理士へ依頼するのも手です。

せっかく始めたアパート経営を成功させたい、そう考えている方は、アパート経営のコツを解説したこちらの記事を参考にしてみてください。

https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/9193

 

アパート経営の節税に関するQ&A

アパート経営による節税対策について理解していくうちに「実際の節税効果はどうやって分かるのか?」「法人化した方がいいの?」など、疑問が生じた方も多いかと思います。ここからは、そうした疑問にQ&A方式で回答していきます。

節税効果はどれくらい期待できる?

結論から言えば、節税効果は経営するアパートの広さや毎月かかる経費によって異なります。また、アパートによって取得時(購入時)の費用も異なるため、同じように減価償却費を計上できるわけではありません。また、経営前の所得税額がいくらだったかによっても、節税効果が異なります。

具体的な節税効果を調べるには、経営前の所得税額と、経営後の所得税額を計算する必要があります。毎年源泉徴収票をもらっている場合は、すぐに所得税額などが分かります。アパート経営の毎年の経費や家賃収益がおおよそでもわかる場合は、参考にして所得税額を調べてみましょう。

給与所得のある人が、不動産所得もプラスして所得税を計算する際の式は、以下の通りです。

課税標準=(給与所得+不動産所得-控除額)×税率

 法人化すると節税効果が高くなる?

法人化を行い不動産管理会社としてアパート経営をすることは、時に大きな節税効果を生みます。個人事業主としてアパート経営を行う場合と比べ、次のようなメリットがあるためです。

  • 経費として計上できる項目が増え節税効果が上がる
  • 赤字になっても10年間かけて黒字と相殺できる
  • 所得税がおおよそ一律の税率となり節税効果が高まる
  • 相続税対策としての効果が高まる
  • 不動産収入が給与収入になる
  • 従業員を得ることで所得の分散化による節税対策が期待される

簡単に言えば、法人化は経営が安定した状況で、より税金を節税する効果が期待されます。しかし、法人化とは会社を設立することです。もちろんメリットばかりではなく、デメリットもあります。

  • 運営や法人化にかかる費用の発生
  • 赤字になっても7万円の税金が発生(法人住民税均等割)
  • 設立に伴う登記申請が必要
  • 閉鎖時の手続きが複雑
  • 税金などの計算が複雑化するため社会保険労務士や税理士への依頼が必須
  • 会計記帳が複雑化するため事務作業も増える

会社経営に必要な費用やメリットは、アパート経営の規模によって異なります。デメリットを避けるには、安易に法人化しないことが重要です。迷った場合は、会社経営の専門家に相談してください。

経営2年目の節税効果は?

アパート経営1年目は、経営2年目よりも節税効果が高くなります。なぜなら、アパート経営1年目は、購入時の不動産会社への仲介手数料や登記費用など、さまざまな購入にかかった初期費用と減価償却費を経費として計上できるからです。不動産所得は経費によって減らせるため、所得税や住民税の節税に繋がります。

一方で、アパート経営2年目に計上できる経費には、購入時の費用は含めることができません。結果として不動産所得が増額するため、節税効果は下がります。ただし、家賃収入として手元に入ってくる利益が増える点は大きな魅力です。アパート経営を行う際は、1年目のシミュレーションだけでなく、2年目以降のシミュレーションも行ったうえで、経営により得られる利益を把握していきましょう。

まとめ

アパート経営は不労所得と節税効果を見込めますが、そのためには必要な経費をしっかり把握し、給与所得との損益通算を活用しつつ、減価償却を適切に計上することが大切です。しかし、損益通算を活用するために赤字経営を前提にしたり、経費に私生活の費用を含めたり、リスクのある運用をすることは逆に損をする元となります。

まずは、自分がアパート経営を始めることで得られる利益や、利用できる節税対策について理解することが大切です。十分に準備を行ったうえで、納得のいく形でアパート経営をスタートできるようにしましょう。

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