「所有している土地を活用し、ホテルを経営したいけどどういう流れなのかわからない」「ホテルで土地活用したいけど素人だから不安」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。土地は所有しているだけで固定資産税などの税金がかかるため、持っていて何もしていなければ負の資産となってしまいます。
「繁華街に土地を所有している」「別荘地に土地を所有している」そんな場合の土地活用の方法の1つとして、ホテル経営をあげることができます。ある程度の面積の土地で、立地条件が良ければ、長期に安定した収益を見込むことができます。
この記事では、土地を活用しホテルを経営するメリットやデメリット、経営方法、ホテル投資や委託運営をしているおすすめの企業3選などを紹介していきます。
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ホテル経営に向いている土地の特徴とは
ホテルを経営するにあたって、立地は重要なポイントです。どのような立地が向いているのか解説していきます。
容積率が高く土地面積が60坪以上ある土地
1つ目は、容積率が高く、土地面積が60坪以上ある土地です。
ホテルを建設するには土地面積が少なくとも60坪以上は必要とされていますが、容積率が高いエリアであるかどうかもポイントになります。容積率というのは所有している土地の面積に対して延床面積がどのくらいかを示すものです。
容積率が高いエリアであれば、たとえ土地面積が60坪ほどであったとしても、延床面積300坪のホテルが建設可能です。
交通の便が良い
2つ目は、交通の便が良いことです。特に次のような土地が有利です。
- 駅近
- 高速道路のインターチェンジが近い土地
- 大通りに面している土地、など
ホテルの種類にもよりますが、遠方からくる客はホテルに着くまでの交通機関が不便であると、たとえホテルの設備が素晴らしいものであったとしても、泊まろうとは思わないものです。そうなると集客率の悪化に繋がる可能性があります。
土地の周辺が発展している
3つ目は、土地の周辺が発展していることです。特に周辺に次のようなものがあれば有利です。
- 観光地
- 商業施設
- 娯楽施設
- ビジネス街、その他
土地の周辺の発展とホテルは密接な関係にあります。例えば、観光地であれば、その観光地の付近にある景観が良いホテルや、翌日の行程に便利な場所のホテルに人気が集まります。
所有地にあったホテルの種類とは
ホテルの種類はいくつかありますが、大きく都市型ホテルと観光地・郊外型ホテルの2つに分けることができます。
都市型ホテル | 観光地・郊外型ホテル |
|
|
所有している土地の立地条件や周辺環境にあった種類を選択することが、土地活用の成功の鍵になります。例えば、ビジネスホテルとリゾートホテルでは、利用目的も利用客が異なります。当然適した立地条件や土地面積、必要とされる客室数や設備も異なってきます。
いま注目されるコンパクトホテル・コンテナホテル
コロナ禍により観光産業が厳しい状況にあるなかで、いま注目されているのがコンパクトホテルとコンテナホテルです。コンパクトホテルは、カプセルホテルとビジネスホテルの中間的なイメージのホテルです。コンテナホテルは、建築用コンテナモジュールを独立した1棟・1客室にしたホテルです。
いずれも土地が広くなくてもホテルを新築・設置することができるため、コストが抑えられ、初期費用の早期回収ができます。場合によっては、戸建てやアパートなどとして賃貸経営への転用も可能です。特にコンテナホテルは、災害時に仮設住宅として利用できるため、自治体などからも大きな期待が寄せられています。
土地活用におけるホテル経営のメリット
土地の有効活用ためにホテルを経営するといっても「本当に大丈夫なのか」という不安に感じる方も多いでしょう。そこで土地活用におけるホテル経営のメリット・デメリットの両面を見ていきましょう。
まずはメリットを見てきましょう。
中長期的に収入が得られる
中長期的な安定した収入が得られることは、ホテル経営の魅力の1つです。
ホテルの建設・経営は、業者との間での打ち合わせ、ホテルの設計・建設工事など準備期間が比較的長く、その間の収入・収益はほとんどありません。
しかし、ホテルの営業開始後、ホテルの存在を広く周知でき、大勢の宿泊客に利用してもらうことができれば、より安定した多くの収入・収益を得ることができます。努力次第で中長期的な収入・収益を得ることも可能です。
フォローサービスが多い
またフォローサービスも数多くあります。
フォローサービスには、コンサルティング、運営の受託、市場分析などさまざまなものがあり、それらを利用することで失敗のリスクを抑えることができます。実質的な経営は専門家に任せることができるので、初めての方でも全部1人でしなくても良く、安心して土地活用ができます。
相続税や税金対策を期待できる
さらに相続税や節税効果が期待できます。
将来子供に経営権を相続させたいというとき、不動産は固定資産税評価額によって評価されるので、より有利な条件で相続税の対策ができます。また、ホテルの建設費などの初期費用は、減価償却や借入利息として経費扱いが認められており、さらに給与収入などとの損益通算での節税効果が期待できます。
不動産相続に関する税金について詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/217
土地活用でホテルを経営するデメリット
一方、デメリットについても見ていきましょう。あらかじめデメリットがあることを知っておけば、リスクや失敗を回避することができます。
初期投資に高額な費用がかかる
まずホテルの建設工事や開業には、高額な費用がかかります。
費用を抑えればいいのではないかと思う方もいると思いますが、そこをあまりにも節約してしまうとホテルの質が下がってしまいます。そうなると宿泊客の満足度も落ちてしまいます。最悪の場合は口コミサイトなどで悪評がつき、集客・経営にも悪影響を及ぼすことになりかねません。
ホテル同士の競争が激しい
また、国内では数えきれないくらいたくさんのホテルがあり、競争が激化しています。
もともと近年のインバウンド政策などの影響で観光・宿泊業は好況で競争が激しかったのが、コロナ禍で不況に転じ、競争はより激化しています。きちんとした市場分析やリサーチをしておかないと、最悪の場合倒産してしまう可能性があるかもしれません。そうならないためにも、他のホテルとの差別化をできるだけ明確に図っておく必要があります。
経営撤退時に売却・転用が難しい
経営状況が悪くなり撤退する場合、ホテル以外への転用が困難な点もデメリットと言っていいでしょう。
ホテル施設は売却しにくく、例えばビジネスホテルの場合、ビジネスホテル以外の種類のホテルへの転用も難しいのが現実です。
ホテルの開業までの流れと経営にかかる費用
続いて、ホテルの建設工事前後から開業までの流れや、費用はどのくらいかかるのかを見ていきましょう。ホテルの経営の準備には、多額の費用がかかるだけでなく、多くの時間と労力を必要とします。しっかりと準備をすれば、より良いかたちで経営のスタートができます。
ホテルの開業までの流れ
ホテル経営の計画着手から開業までは、次のような流れで進みます。
- 土地活用プランの作成:不動産デベロッパーなど土地活用の専門家とともに、所有している土地をどのように活用するか計画を立てる
- 事業計画:土地活用プランに基づいてホテル経営会社と契約。ホテル経営にあたっての市場調査、立地調査、資金計画等の事業計画を立てる
- 開発計画:事業計画に基づいてホテルのハード・ソフト両面の計画・設計を含めた開発計画を立てる
- 建設工事:建設会社と工事請負契約
- 開業準備:家具・備品の選定・調達、PRの企画準備、従業員の雇用・教育など
- 各種手続き:各種契約、ホテル営業に必要な各種許認可の手続き
- 営業開始
ホテルは、計画着手から開業までの期間が長くなるのが一般的で、ホテルの規模にもよりますが、少なくとも2年はかかると言われています。2年あると経済状況や周辺環境が大きく変わることもめずらしくなく、ホテル投資は数年先を見据えた投資であることを念頭に置いておきましょう。
ホテルは建築物としても規模が大きく、宿泊客の命を預かることから、旅館業法をはじめとした法的な問題もひとつひとつ確実にクリアしなければなりません。実務面の多くはホテル開発・経営のプロに任せるとはいえ、オーナーとしての責任は重大なので、関係者との打ち合わせは密に行う必要があります。
ホテルの経営にかかる費用
ホテルの経営にかかる費用は規模により変わってきます。例えば、ブランドホテルのフランチャイズチェーンへの加盟には約10億円程度が必要であると言われています。一方、地方の客室20室程度のホテルであれば、1,500万円~3,000万円程度で済むとも言われています。
土地と建物をホテル業者に貸して開業するという方法もあります。その場合は土地所有者の負担額は約数億円前後になるのが一般的です。
ホテルの経営管理方法の種類
ホテルの経営管理方法についても見ていきましょう。次の4種類があります。
- 一括借り上げ方式(サブリース)
- 定期借地方式(運営委託)
- 経営コンサルティング方式(フランチャイズ)
- 直営方式
それぞれにメリット・デメリットがあります。ひとつひとつ確認していきましょう。
一括借り上げ方式(サブリース)
一括借り上げ方式とは、ホテルの建物をその運営も含めて運営会社に貸与する方法です。オーナーは運営会社から賃料を受け取って収入を得ることになります。
メリットは、オーナーは経営に一切関わることなく、毎月固定の賃料を長期的に得られることです。そのため収入の目処が立てやすくなり、ホテル建設のための借入金も安心して返済できます。
デメリットは、運営会社が経営不振になった場合、事業から撤退してしまう恐れがあることです。そうなると収入が得られないホテルの建物だけが残ってしまうことになります。
定期借地方式(運営委託)
定期借地方式(運営委託)は、土地のみをホテル運営会社に貸与し、ホテルの建設や運営は運営会社が行う方法です。いわゆる借地事業で、マネジメントコントラクトとも言います。
メリットは、ホテルを建設や運営といった大きなリスクを負わずに、毎月固定の地代を長期的に得られることです。
デメリットは、大きなリスクを負わない分、サブリースよりも収入が少なくなることです。
経営コンサルティング方式(フランチャイズ)
経営コンサルティング方式(フランチャイズ)は、フランチャイズに加盟し、経営を行う方法です。
オーナーは建物の建設・維持管理・経営・運営の一切を自ら行います。運営会社は開業指導からコンサルティングまで経営全般をサポートします。それに対してオーナーは運営会社にロイヤリティを納めます。
宿泊客が増えれば収入も大きくなりますが、リスクも大きいと言えます。
直営方式
直営方式も建物の建設・維持管理・経営・運営の一切を自ら行います。
直営方式は、経営コンサルティング方式と違って運営会社のサポートが全くないので、オーナーがすべて経営評価も含めて、自分の責任で決定し、実行しなければなりません。ホテル建設・経営の知識・経験がないと難しいと言えます。
おすすめのホテル投資や運営委託をしている企業3選!
大手企業でホテル投資や運営委託サービスを行っている企業からおすすめの3社を紹介します。パートナーとなる企業ですから、提示された契約金額だけでなく、実績や担当者の相性などを総合的に評価して契約しましょう。
Panasonic Homes
Panasonic Homesのおすすめポイントは、ホテルの廃業後に賃貸住宅への転用が可能であることです。
先ほどホテル経営のデメリットとして、ホテルの売却・転用は難しいと言いましたが、そのデメリットである他の用途への転用を可能にできるのがPanasonic Homesです。
また、建築が美しいだけではなく、ホテル市場にも強いホテル作りに定評もあります。
SUPER HOTEL
SUPER HOTELのおすすめポイントは、初期費用を0円でスタートさせることができることです。
SUPER HOTELは、4年契約で研修期間を設け、その間ホテル内に居住することになるので、経営ノウハウも学ぶこともでき、貯蓄も可能です。そのため中長期の安定した収入を得ることができます。
RESOL
RESOLのおすすめポイントは、一括借上げ方式を行っていることです。
また、ホテル市場の変化にも柔軟に対応し、流動化の施策を強化し、徹底的に低コスト化を実現しています。建物の劣化を予防し、長年にわたり使用でき、更新コストの少ない施設管理を行っている点も魅力的です。
ホテル以外の土地活用方法
収益性が魅力的なホテルでの土地活用ですが、多額の初期費用を用意しなければならないなど、さまざまなリスクもあります。土地活用はホテル経営と最初から決めつけずに、さまざまな土地活用の方法も検討してみましょう。ここでは主な方法を2つ紹介します。
アパート・マンション経営
アパート・マンションの賃貸経営のメリットは、長期的に安定した収入を得られることです。節税対策としても効果があり魅力的ですが、建設費などの多額の初期費用がかかってしまう点がデメリットです。
土地活用としてのアパート・マンションの賃貸経営について詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/17181
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/9325
コインパーキング
土地活用の中には建物を建てない方法もあります。駐車場やバイクパーキングなどのコインパーキングもそのひとつです。
初期費用がホテル経営やアパート・マンション経営と比較して少なく済むので、ニーズにマッチングした土地があればすぐにでも始められます。しかし、更地の状態では土地の評価額での優遇が全くないに等しいため、節税や相続税対策として考えている方にはおすすめできません。
駐車場経営について詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/9151
その他土地活用について詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
https://news.mynavi.jp/fudosan-satei/16960
まとめ
土地活用と言っても多くの方法があり、求めている収益性や土地や地域性にあった投資・土地活用の方法をしっかり選ぶ必要があります。まずはご自身の所有する土地がホテル経営に向いているのか確認してみましょう。
ホテルに向いている土地は、土地面積が60坪以上ある必要があること、駅近、高速道路のインターチェンジが近い、大通りに面している土地であること、周辺に観光地、商業施設、娯楽施設、ビジネス街などがある土地であることです。
デベロッパーやホテル運営会社との間で計画が十分に練れていなければ、倒産のリスクにさらされる可能性があります。その一方で、適切な土地と環境があり、集客ができれば、安定した大きな収入源となる可能性もあります。ホテル経営に向いている土地を利用して、開発・運営計画をしっかり練って、開業に臨みましょう。
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