問題をおさらい!
正解はこちら!
【答え】同じエンジンを積んでいる
両モデルの共通点は同じ型式のエンジンを積んでいることです。
「スカイライン」は元々、プリンス自動車工業の4ドアセダンとして1957年に生まれました。その後、1966年に日産自動車とプリンス自工が合併したため、日産スカイラインとして今日に至ります。
プリンスは「日本グランプリ」(鈴鹿サーキットで開催)レースで勝利を収めるため、スカイラインGTを開発しました。スカイラインは直列4気筒エンジンが標準でしたが、GTはレースでの勝利を目指し、直列6気筒でより排気量の大きいエンジンを搭載し、馬力を上げていました。そのため、客室より前のエンジンルームが、直列4気筒の車体に比べ前へ延びた格好になりました。
本番のレースではポルシェ「904」を一時的に抜いたことで性能の高さが評判になり、スカイラインGTは憧れの高性能車となったのです。
日産スカイラインとなってからの通称「ハコスカ」時代には「GT-R」が誕生しました。外観の角張った様子から、箱のような形をしたスカイラインという意味で「ハコスカ」の愛称が生まれました。GT-Rも、レースで勝つための高性能4ドアセダンとして開発されています。
GT-Rが搭載したのが、プリンス時代に開発されたレース専用車両「R380」で使われたエンジンの設計や技術をいかした「S20型」という直列6気筒エンジンです。レース技術を応用したことで、クルマだけでなくこのエンジンへの憧れも高まりました。そして、ハコスカGT-Rは国内レースで50連勝という金字塔を打ち立てます。
スカイラインは4ドアセダンが基ですが、レースでの優位性をさらに高めるため、2ドアハードトップが追加されました。それが写真のクルマです。2ドアハードトップの登場も50連勝の記録に貢献しました。
もう1台、日産のスポーツカーとして今日なお存在するのが「フェアレディZ」です。そもそもあった「フェアレディ」というオープンスポーツカーが、モデルチェンジによって2ドアクーペの姿になったのがフェアレディZです。
競合はトヨタ自動車の「2000GT」でした。より身近にスポーツカーを楽しめるよう、価格にも気を配ったのがフェアレディZで、ことに米国で爆発的な人気を得ました。
このフェアレディZの高性能車種が「432」と名付けられたグレードです。ハコスカGT-Rと同じS20型エンジンを搭載していました。
「432」というグレード名は、1気筒当たりの吸排気バルブの数が「4」、2気筒に1つ装備したキャブレター(気化器)の数が「3」、DOHC(ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフト)なのでカムシャフトの本数が「2」であることを表しています。
レーシングカー用のエンジン技術を適用したS20型エンジンを搭載していることが、ハコスカGT-RとフェアレディZ432の共通点です。
それでは、次回をお楽しみに!