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【答え】ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした
2台の共通点はデザイナーです。イタリア人の工業デザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロがデザインしました。
ジウジアーロはイタリア車を核としながら、他の欧州車や日本などアジアのクルマもデザインしてきました。
ジウジアーロのデザインによって、1966年に誕生したのがいすゞ「117クーペ」です。
いすゞには「ベレット」という小型車があり、その1車種に「ベレットGT」という高性能車があってレースでも活躍しましたが、単に速さだけでなく、優美で、所有する喜びが感じられるスペシャリティカーとしての価値をもたらした117クーペは、いまなお愛好者の心を釘付けにしています。いま見ても魅力的で、その美しさは普遍的といえるでしょう。
ちなみに「117」という車名は開発中の社内での識別番号で、そのまま市販の際に車名となりました。
117クーペは1981年に生産終了となりました。その後継に位置づけられるのが「ピアッツァ」です。いすゞはデザインを再びジウジアーロに依頼しました。
117クーペとは全く方向性の異なる外観でありながら、艶のある美しさが感じられるのはジウジアーロが手掛けているからでしょう。デザインという感性と工学の知識を裏付けに、各地域の自動車メーカーと仕事を続けるジウジアーロならではの才能と言えます。
単に美しいだけでなく、半目を閉じたようなヘッドライトの意匠は独特で、遠目にもピアッツァがいることを一目で知らせます。このヘッドライトは、半目を閉じたように見える覆いの部分が、点灯の際には上側に開く機構となっています。
1980年代前後は、例えばマツダ「RX-7」のように、通常はヘッドライトが隠れ、点灯時に覆いを開く「リトラクタブル式」が憧れの的となりましたが、ピアッツァは、別の表現でリトラクタブルの機構を利用し、他にない造形を実現しています。
ジウジアーロの経歴としては、まずフィアットでデザイナーとして働きはじめ、次にカロッツェリア(車体のデザインや製造を行う専門会社)であるベルトーネへ移り、続いてギアへ移籍し、そして、自らの会社であるイタルデザインを創立します。
その間の成果の一例として、よく知られるところではフォルクスワーゲンの初代「ゴルフ」があります。日本車との関係ではスズキ「フロンテクーペ」、スバル「アルシオーネSVX」など、メーカーを問わずその腕を頼りとした様子が見え、正式に公表はされていなくても、ジウジアーロの影響を受けた日本車は他にもあります。また、スーパーカー的な車種では、ドイツのBMWの「M1」もジウジアーロの作です。彼の業績は枚挙にいとまがありません。
それでは、次回をお楽しみに!