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【答え】三菱自動車工業「コルトギャラン」
コルトギャランは、いわゆる初代「ギャラン」として1969年12月に登場します。若き日のジョルジェット・ジウジアーロがデザインに携わったと言われ、当時の流行の最先端をゆくくさび型シルエット“ダイナウェッジライン”が採用されています。
クルマに詳しい人なら、ジョルジェット・ジウジアーロのデザインと聞いて何の疑いも持たないはずです。しかし、コルトギャランに関しては、少々事情が異なります。
実はコルトギャランのデザインは、三橋慎一氏を中心とした三菱自動車の社内チームとジョルジェット・ジウジアーロがそれぞれ行い、2つが競い合う形で決まったのです。勝利を手にしたのは、三橋慎一氏を中心とした社内チームでした。だからといってジョルジェット・ジウジアーロが全く関わっていないわけではありませんので、携わったという表現は間違いではないのですが、基本的には自社のデザインなのです。
“ダイナウェッジライン”についても少し触れておきます。本来、くさび型(またはウェッジシェイプともいいます)とは、クルマをサイドから見た時にフロントからリアにかけて三角形の形をしていることを言います。まさにその名の通りくさび(楔)のようなデザインです。代表的モデルとしては、ランボルギーニ「カウンタック」や60系「プリウス」が挙げられます。
ここで、「コルトギャランのどこがくさび型?」と思った方は多いはずです。当時は、ベルトラインが水平の四角いデザインが一般的でした。ところが、コルトギャランはこのベルトラインがリヤに向かっていくほど上がっています。例えば、当時のライバルだった「510ブルーバード」と比べて見ればその違いは一目瞭然です。
ベルトラインはリヤに向かって上がっていく角度が急なほど、躍動感のあるスポーティーなスタイリングになると言われています。くさび型については意見がわかれるところですが、いずれにしても、コルトギャランはジョルジェット・ジウジアーロさえも超える斬新なデザインを手にしていたのです。
ちなみに前期型のコルトギャランには、コンシールド(隠された)タイプのライトカバーが純正オプションで用意されていました。写真のコルトギャランは、そのライトカバーを装着しています。コンシールドのヘッドライトと言えば、初代シボレー「カマロ」が有名です。もしかしたらコルトギャランは、ライバルの国産車だけでなくアメ車も意識していたのかもしれません。
最近の三菱自動車は力強いデザインが印象的ですが、このような歴史があったことを知ると自然と頷けてしまいます。
それでは、次回をお楽しみに!
監修: 旧車王(https://www.qsha-oh.com/)
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