違いのわかる大人を目指すあなたに、貴金属・宝石鑑定にまつわる知識をクイズ形式でご紹介します。今回は、「「サファイア」と「ルビー」はどちらが高い?」
ルビーとサファイアの違い
赤色と青色の宝石の代表格としてとして人気が高く、ダイヤモンド、エメラルドと並ぶ4大貴石の宝石ですが、この2種類にはどういった違いがあるのでしょうか。
ルビー
ルビー(Ruby)はコランダムという鉱物の一種です。ラテン語で赤を意味するルベウスが語源となっており赤色の宝石を代表する石になります。
インドやミャンマーでは、神聖な石として崇められ、王族や貴族の装飾品として使用されてきました。強い情熱と活力を象徴する石とされ、「勝利の石」や「愛の石」としての意味を持っています。
硬度
非常に硬い宝石で、モース硬度が9でダイヤモンドの10に次いで硬い宝石です。
色
ルビーの赤色は、クロムの含有量によって変化し、色の範囲は、ピンクから深い赤色までさまざまで、最も高品質なルビーは「ピジョンブラッド」と呼ばれる鮮やかな赤色を持ちます。この色合いは非常に希少で、ルビーの中でも最も価値が高いとされています。
カットと輝き
ルビーはカットの方法によりによってその輝きや美しさが大きく変わります。一般的にはオーバルカットやラウンドカットが人気ですが、天然のものはしばしば小さな内包物(インクルージョン)を含んでおり、それが「スター効果」や「フラッシュ効果」と呼ばれる特徴的な輝きを生むこともあります。
産地
ルビーは、特定の地域で産出されます。ミャンマーやタイ、スリランカなどが特に有名で、近年ではモザンビーク産が注目されています。ミャンマー産は「ピジョンブラッド」と呼ばれる最高品質の赤いルビーが産出されることから産地としても非常に評価が高くなっています。
価値
ルビーの価値は、色や透明度、カット、カラット(重量)などによって決まります。特に色は最も重要な評価基準であり、鮮やかな赤色が高評価を得ます。また、内包物が少ないものや、質が高いカットが施されているものは高価になります。天然の鉱物のため過剰な人工処理が行われた場合その価値を下げる要因となります。
サファイア
サファイア(Sapphire)もまた、コランダムという鉱物の一種です。サファイアはラテン語で青を意味しますが、実際のところはコランダムの中で赤色以外の色を持つものを指し、ピンク、オレンジ、グリーン、イエローなどさまざまな色が存在します。
古代ギリシャや古代ローマでは、サファイアは神聖な石とされ、神々に捧げるために使用されたと伝えられています。中世ヨーロッパでも、宗教的な儀式で使用され、また王族や聖職者がその威厳を保つために身につけていたとされています。知恵、誠実、信頼、忠誠を象徴する石とされており、特にサファイアの青色は、平穏と安定をもたらすと信じられています。
硬度
サファイアはモース硬度9で、ルビーと同じくダイヤモンドに次いで非常に硬い宝石です。
色
サファイアの代表的な色は青色となり、カシミール産の「コーンフラワーブルー」や「ロイヤルブルーサファイア」が最高品質とされています。他にもさまざまな色のサファイアがあり、青以外のサファイアを「ファンシーカラーサファイア」と呼ぶことがあります。
カットと輝き
サファイアも、カットの仕方によってその輝きが大きく変わります。特に青いサファイアは、深い色合いと輝きが美しく、カットによって色が引き立ちます。ラウンドカットやオーバルカットが一般的ですが、スターサファイアは、丸いカボションカットが施されることが多くなります。
産地
サファイアは世界中で採掘されていますが、特に有名な産地として、スリランカ、ミャンマー、カシミール、タイなどがあげられます。前述のとおり最高品質の「コーンフラワーブルー」はカシミール産となりますが、現在ではカシミールではほとんど採れなくなっており、代りにスリランカで産出されています。
価値
サファイアの価値は、色、透明度、カット、カラット(重量)によって決まります。特に青色のサファイアは色合いが重要になります。インクルージョンが少ないものや、優れたカットを施されたものは高価となり、過剰な人工処理がされたものはその価値を失います。
「ルビー」と「サファイア」、同じコランダムという鉱物の一種ではありますが、何が違うのか、そしてどちらが高価なのでしょうか?
――正解は次のページで!