いつも仕事に追われていて、気がつけば納期ギリギリ……。皆さんはこんな経験、ありませんか? 手帳を活用して予定を管理しようと思っても、優先順位の付け方に悩んで結局挫折……。これもあるあるではないでしょうか。
この連載では『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』(明日香出版社)から一部を抜粋し、プロジェクトマネジメントの手法を取り入れたスケジュールと段取りの組み方を学んでいきます。
今回は第2章「アタマの切り替えを減らす」から「気分が良くなる『マルチタスク』は弊害をもたらす」というテーマを取り上げます。
以下、『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』から抜粋します。
タスクの切り替えが頻発すると脳に負担?
あなたは、「マルチタスク」と聞くとどんなイメージがありますか?
「複数のタスクを同時に処理している」「マルチタスクをやっている人は、多くのことを達成している」そんなイメージではないでしょうか?
しかし個人レベルで考えれば、これは私たちの思い込みです。
マルチタスクとは、取り組むタスクを瞬時に切り替えていることです。表向きには、同時に処理しているように見えますが、実際には、複数のタスク間をせわしなく行き来している状態です。
つまり、切り替えコストが発生しているのです。
そのため、切り替える頻度が高くなると脳が疲れ、集中力が落ちます。
企画書や提案書を作っている最中に、お客様からの電話に対応すると、資料作成への集中力が途切れてしまいます。電話で話しながら、今までやっていた作業を継続しようとしても、うまくいきません。資料の読み直しや書き直しが発生し、電話で話している内容にも集中できません。聞き逃したり、聞いたばかりの話を忘れてしまい、再度聞き直すことになります。
マルチタスク中毒に気を付けよう!
米国スタンフォード大学のある調査では、タスクの切り替えを過剰に繰り返すとストレスがかかり、脳細胞の破壊につながるという報告もされています。経験的に、いろいろなことを一度に行ったり、考えたりして頭を使いすぎると、頭が疲れるだけではなく、頭が重くなったり、頭痛が起きたりするので、なんとなくわかるのではないでしょうか?
とは言え、マルチタスクは中毒のようなものです。簡単には止められません。経験上、マルチタスクをすると気分が良くなることがあります。多くのことを達成した気分になり、快感も伴うためです。
しかし、過剰なマルチタスクは作業効率を下げ、思っている以上に成果が出なくなります。個人レベルではマルチタスクをやりすぎないように注意が必要です。