マイナビニュースマイナビ マイナビニュースマイナビ
Index square
( Car )
65 安東弘樹のクルマ向上委員会!

乗り換え最有力候補? 安東弘樹、ミニ「エースマン」に乗る!

FEB. 25, 2025 08:00
Text : 安東弘樹
Share

クルママニアの安東弘樹さんが最新の輸入電気自動車(つまりは電気で走る外車です)に一気乗りするということで、同行取材を敢行しました! 1日に5台のクルマに連続で(ほぼ飲まず食わずで)乗るという過酷な一日。最初に乗ったのはミニ(MINI)の「エースマン」というクルマでした。

  • ミニ「エースマン」

    安東弘樹、ミニ「エースマン」に乗る!

今回は日本自動車輸入組合(JAIA)が毎年2月に開催している試乗会に参加する安東さんに同行しました。この試乗会、各インポーターが出展するクルマのリストから乗りたいものを選んで申し込むと、抽選で当選したクルマに乗れるという仕組みなのですが、安東さんが当日乗ったクルマはなんと5台! 朝から夕方まで、ほぼクルマに乗りっぱなしという状態でした。安東さんは全6台に申し込み、ポルシェ「911」以外の5台に当選したそうです(911は競争率が相当高かったはずです)。

最初に乗ったのはミニ(MINI)の「エースマン」という電気自動車(BEV)です。ミニがBEV専用車種として作った完全なる新型車なのですが、安東さんはどう評価したのでしょうか?

  • ミニ「エースマン」
  • ミニ「エースマン」
  • ミニ「エースマン」
  • 安東さんが乗ったミニ「エースマン」。「SE」というグレードでボディカラーは「レベル・レッド」。本体価格は556万円で50万円超のオプションを装着していました。ボディサイズは全長4,080mm、全幅1,755mm、全高1,515mm、車両重量は1,740kgです

乗り心地は?

――まず、クルマに乗り込むと中央にある大きくて丸いディスプレイが目立ってますね。

安東さん:嫌いじゃないです。ディスプレイの解像度が高くて見やすいですね。このあたり、日本のクルマと何が違うんだろうと思います。

――画面のクリアさ、フォントのカッコよさ、色使いのセンスなどが日本車とは違いますよね。

安東さん:開発にかけている金額が違うんですかね。(ディスプレイの表示を洗練させることは)そんなに難しいことではないと思うんですが……。

  • ミニ「ミニクーパー3ドア」の電気自動車
  • ミニ「ミニクーパー3ドア」の電気自動車
  • 直径240mmの高品質ガラスを使用した円形有機ELセンター・ディスプレイ。車速などを表示するメーターパネルとしての役割も兼ね備えています(こちらの写真は編集部が別日に「ミニクーパー3ドア」のBEVモデルで撮影しました)

――走り出してみて、どんな印象ですか?

安東さん:まず、回生ブレーキ(※)がけっこう効きますね。

※編集部注:BEVなどの電動車両に乗っているとき、アクセルペダルを戻すとググっと減速してくれるのが「回生ブレーキ」です。クルマの減速時に発生するエネルギーを電力として回収し、バッテリーに戻してくれる嬉しい機能で、BEVではどのくらい回生ブレーキが効くか、効き方を細かく調整できるかどうかというのが気になるポイントとなります。

安東さん:パドル(※)や物理スイッチで回生の強さを調整できるわけではないのですが、シフトを「B」に入れなくても、けっこう回生が働いています。ただ、走りながら回生の強さを調整したいので、パドルは付いていてほしかったですね。

※編集部注:クルマのハンドルの裏側左右にパドルが付いていて、それをカチャカチャ操作すると回生ブレーキの強さを調整できるBEVもあります。そういう機構の付いたクルマの方が好ましいというのが安東さんの考えです。

――私もエースマンを運転してみたのですが、乗り心地がけっこう硬めではないですか?

安東さん:昔からミニは「ゴーカートフィーリング」と言いますが、ただ、これは、かなり硬いですね! 路面のアンジュレーション(起伏)をけっこう拾います。「3ドア」ならなんとなく納得できるんですが、エースマンはファミリーで乗ることも想定しているでしょうから、後席に乗る人のことを考えると、ちょっと硬すぎるかもしれません。ドライブモードを変えたら、乗り心地も変わるのでしょうか。

  • ミニ「エースマン」

    「乗り心地は硬い」と安東さん

――「エクスペリエンス」というスイッチを操作すると、ドライブモードが変わるみたいです。今は「コア」モードに入っていて、加速する際に「ビュイーン」という感じの電子音が鳴っていますね。

安東さん:「コア」から「グリーン」に変えてみると……音がしなくなりましたね。踏んだときの加速もマイルドになりました。電費(ガソリン車でいうところの燃費。走りの効率のよさ)優先なんでしょうね。回生も弱くなった気がします。

エクスペリエンスを変えるとナビの地図の色も変わりました。これは「タイムレス」モードですが、色使いがカッコいいですね。

  • ミニ「ミニクーパー3ドア」の電気自動車
  • ミニ「ミニクーパー3ドア」の電気自動車
  • 「タイムレス」モードだとこんな雰囲気になります(同上)

安東さん:ただ、やっぱり足が硬いですね。コンフォートモードみたいなものはないんでしょうか。

――ファミリーカーとして使うとすれば、欲しいところですね。逆に、「ゴーカート」というモードにすると走りが最も激しくなるらしいです。

安東さん:「ゴーカート」にすると音がレーシーな感じに変わりました。おお、速いですね!

  • ミニ「ミニクーパー3ドア」の電気自動車

    「ゴーカート」モードはこちら(同上)

乗り換えを検討する理由は?

安東さん:このエースマンは「SE」というグレードで、オプション込みで値段は600万円くらいですよね、バッテリーの総電力量が54.2kWhで、全長は4,080mmくらいだったから……。

――その通りです(笑)。数字が頭に入っているんですか?

安東さん:なぜか入っているんですよね(笑)。

――なぜエースマンに試乗してみようと思ったんですか?

安東さん:今乗っているBEVの「e-208」(プジョー)から乗り換えるなら、このクルマかなと思ったんです。

  • ミニ「エースマン」

    「エースマン」は安東さんの乗り換え候補?

安東さん:通勤で都内を走るクルマは、サイズが小さい方がいいんです。立体駐車場を使うことが多いので、どこにでもとめられるサイズ感のe-208はすごく重宝しています。

――もう1台の愛車であるBMW「X5」(PHEV)だと……。

安東さん:都内だと、平置きですら苦労しますね(笑)。

――e-208は通勤に使うクルマなので、乗り換えるとしたらエースマンくらいのサイズがいいわけですね。「ミニクーパー」の「3ドア」にもBEVがありますけど?

安東さん:やっぱり5ドアがいいですね。圧倒的に便利です。後席にジャケットを掛ける際にも、リアドアがあったほうがいいですし。仕事で使わないなら3ドアでもいいかもしれないんですが……。

――インフォテインメントの先進性なんかも、e-208と比べてよさそうですよね。

安東さん:そうですね。普通に欲しいなー!

  • ミニ「エースマン」
  • ミニ「エースマン」
  • ミニ「エースマン」
  • リアドアの内側にハンガーを引っ掛け、ジャケットを吊るして移動することを考えても、やっぱり5ドアの方が圧倒的に便利です

安東さん:ヘッドアップディスプレイ(HUD)の位置が合っていないので、これは調整したいですね。

――音声アシスタント機能があるので、お願いしてみては?

安東さん:なるほど。ヘイ、ミニ。

  • ミニ「エースマン」

    音声アシスタントの犬(?)っぽいキャラが画面に登場

安東さん:ヘッドアップディスプレイの位置。

アシスタント犬:もういちどやりなおしてください。

安東さん:ヘッドアップディスプレイ。

アシスタント犬:もういちどくりかえしてください。さいどおなはしになるか……。

安東さん:これはダメか。

――さすがに、この音声コマンドは彼には難しいのでは……(笑)。

  • ミニ「エースマン」
  • ミニ「エースマン」
  • 編集部注:HUDの位置はセンターディスプレイを操作して調整できました

安東さん:ヘイ、ミニ。大磯プリンスホテル(試乗の発着地点)に行きたい。

アシスタント犬:こちらの検索結果が見つかりました。

安東さん:ナビは大丈夫ですね。

――聞き取りの精度もバッチリですね。

安東さん:ナビに目的地を入れると、HUDにも経路が出ました。非常に見やすいです。

  • ミニ「エースマン」

    車両前方のリアル映像を映し出す「ARナビ」機能を搭載

航続距離は大丈夫?

――航続距離(フル充電で走れる距離)は問題ないですか?エースマンはSEグレードで414km(WLTCモード)とのことですが。

安東さん:バッテリーが54.2kWhで航続距離が414kmか……。e-208は50kWhちょうどで395km(WLTCモード)なんですよね。ただ、今は真冬ということもあって、バッテリー満タンでもメーター表示の航続距離が300kmを切っていたりもします。走り方にもよるんでしょうけどね。

エースマンは今、バッテリーが満タンに近いのに257kmという表示で、なんとなく心細いですね。でも真冬だと仕方がないのかな。今、外気温は零度ですもんね。値段や車重などを考えると難しいのかもしれませんが、もうひとつ上のグレードで70kWhくらいのバッテリーが選べたりすると嬉しいですね。

  • ミニ「エースマン」

    ボンネットの両端が張り出していて車両間隔がつかみやすいと安東さんは話していました

安東さん:同じくらいの大きさの「コンパクトカー」といっても、国産車と輸入車ではけっこう違いますね。値段が全く違いますから単純な比較はできませんけど。

――例えばパワートレインひとつをとってみても、ミニはBEVを増やしている一方で、国産車は内燃機関のみのクルマが多いですし、電動化はマイルドハイブリッド、ハイブリッドが主流です。上質なプレミアムコンパクト、みたいな国産車があってもよさそうな気がしますね。

安東さん:選択肢として、あればいいですよね。「ノートオーラ」(日産自動車)はいいと思うんですけど、そのくらいですかね。

――そんな日本の小型車業界で注目を集めているのが「ジムニーノマド」(スズキ)ですよね。すごい売れ行きで希望の光って感じです。

安東さん:(笑)。5ドアは画期的で私も欲しいと思うんですが、ただ、エンジンが古いといいますか、1.5LのNA(自然吸気)なので、燃費もパワーも、もう少し欲しいところです。せめて燃費がよければなー……。

――スズキのマイルドハイブリッドのエンジンで、何かジムニーノマドに載せられるものはなかったんですかね。ただ、もう5万台が売れたそうです。

安東さん:日本のユーザーさん、これだけ燃料が高い中で大丈夫なんでしょうか(笑)。

――そこには目をつぶってでも欲しくなる魅力があるクルマなんでしょうね。

安東さん:確かにありますね、ただ、私みたいにハードな林道を走る人がどれだけいるかはわからないんですが……。

――多分、いないと思いますよ(笑)。すごいオフロード性能を持っていると考えると、デザインが気に入っただけで乗っているのは、なんとなくもったいないような気もします。ガワだけで買うと言いますか……。

安東さん:ガワだけで買いたくなるクルマが、ほかにはないともいえますね。

  • スズキ「ジムニーノマド」

    軽自動車の「ジムニー」に乗っていたこともある安東さん。「ジムニーノマド」(写真)にも当然、注目しているようです

安東さん:しかし、丸いセンターディスプレイも含め、ミニのデザインや素材の使い方は本当にスゴいです。ディテールが面白いし、細かいこだわりを感じます。このあたりは、日本メーカーにはなかなか真似のできないところでしょうね。

――e-208から乗り換えるとしたら、ほかに候補となるクルマはあるんですか?

安東さん:ないです。サイズ感を考えると、BEVならエースマン一択ですね。欲を言えば、ファーストカーとして使う方のことを考えると、もう少しバッテリー容量が大きくて2モーター4WDのタイプがあればいいなと思います。このサイズだと、前後にモーターを載せるのは難しいのかもしれませんけど。

――e-208にはどのくらい乗られましたか?

安東さん:もうすぐ2年になります。基本として、4年は乗りたいと思っています。購入時の補助金(BEV購入時にもらえる)も、4年乗る前提で取得しているので。例えば3年間しか乗らなかった場合、補助金の4分の1は返却しなければいけないという形式になっているんですよね。

――すぐに乗り換えるとしたらエースマンだけど、e-208にはまだまだ乗りたいので、乗り換えはそこまで火急の案件ではないという感じですか?

安東さん:まあ、そうですね。自分で言うのもなんですけど、変に律儀なところがあって、4年間は乗りたいという気持ちなんですよね。もちろん、e-208を気に入っているというのもありますし。

――では、エースマンのまとめとしては……。

安東さん:走りの面で言うと、回生ブレーキの強さが走りながら調整できればいいと思いました。あとは足回りですが、これはやっぱり硬いですかねー! 随所に光るミニのセンスには脱帽という感じです。


Share

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

Pick Up
Iapp
PR
未経験でも年収1,000万以上! 日本住宅ローンが“おもてなし採用”で求める人材とは?
  • PR
    Index.large
    【PR】黒一色で引き締まる洗練のスタイル - 超軽量ノートPC「FMV Zero」
Weekly Ranking
  • 1

    Large
    キングカズとの共通点も? 4人の天才が関わったこのクルマの名前とは
  • 2

    Large
    いすゞの名車「117クーペ」と「ピアッツァ」の共通点は?
  • 3

    Large
    マツダは混迷深まる世界で「走る歓び」を追い続けられるのか - 新戦略を考える
  • 4

    Large
    カーデザインの巨匠は日本で何を語ったのか
  • 5

    Large
    メルセデス「Gクラス」に激レア限定車! NIGO/MONCLERとコラボ、日本導入は4台