現代に生きる私たちは悩みが尽きません。人間関係のストレスや劣等感で、時には押しつぶされそうになってしまいます。そんな私たちに明るい指針を示してくれるのが「アドラー心理学(個人心理学)」です。
この連載では、『決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本』(明日香出版社)から一部を抜粋し、アドラーの実践的な心理学を学んでいきます。現代の職場、ビジネス、人間関係で役に立つヒントが見つかるかも?
今回は第9章「仕事も家庭もうまくいかないときは? 〈ギバーの達人になる〉」の中から「人生の3つの課題」というテーマを取り上げます。
以下、『決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本』から抜粋します。
「ライフタスク」とは、仕事・交友・愛
かつて、結婚式の定番の挨拶に「3つの袋」があった。「堪忍袋」「給料袋」「お袋」。これらを大事にしろ。それが夫婦円満の秘訣と言われた。
「すべての悩みが対人関係に集約される」とアドラーは言ったが、さらにそれは「人生の3つの課題」に分類される。つまり、ライフタスクだ。
1番目は「仕事の課題」、2番目は「交友の課題」、3番目は「愛の課題」だ。
最も簡単に解決できるのが、「仕事の課題」だ。
私たちは、仕事のときには良好なコミュニケーションが取れるのに、プライベートで飲みに行ったり、好きな人とはうまく会話ができないことがある。
「交友の課題」を解決するには、相手が自分の期待に応えられなくても、相手を仲間と認めることである。相手の性格や考え方を考慮し、尊重すればいい。
他者とうまくいくための課題だ。
「愛の課題」を解決するには、互いの意見や感情を尊重し、対話できる関係を目指すこと。
そして、相手の気持ちを正しく受け取り、相手がしてくれた小さなことに感謝する。
すると、バランスのよい相互関係が長続きする。
「他者の課題」には介入しない
「3つの課題」を解決する方法は、「課題を分けて考える」ことだ。「自分の課題」と「他者の課題」を明確に区別すればいいとアドラーは唱える。
人間関係の問題がわかると、「自分が何をすべきか」がわかる。
ポイントは「他者の課題」には介入しないこと。自分がやるべき「自分の課題」に集中して取り組むこと。
そうすれば、他者との衝突や対立を避けられるし、ストレスや不安を減らすことができる。