個人資産家や企業オーナーを対象に財産コンサルティングを提供する青山財産ネットワークスはこのほど、全国の経営者504名および関東在住の富裕層400名を対象に資産に関する意識調査を実施した。
■調査背景
都市部の富裕層や全国の経営者は、相続税負担や資産承継に関する課題に直面している。特に関東圏では、地価の高さから相続税の負担感が強く、資産構成や準備行動に変化が生じている。
青山財産ネットワークスは今回、こうした動向を把握するため、富裕層および経営者を対象に最新調査を実施した。
■5割超(50.7%)が相続対策に未着手
相続対策を「何もしていない」と回答した割合は全国経営者で56.2%、関東富裕層で43.8%。両調査を合算すると50.7%に達し、改善傾向はあるものの依然として未着手層が半数を超える高水準であることが明らかになった。
前回調査(2025年2月)と比較すると、全国経営者では61.8% が56.2%に(-5.6pt)、関東富裕層では50.8% が 43.8%に(-7.0pt) 減少しており、一定の準備行動は進んでいる。
相続対策が進みにくい背景には、「生前の分析を嫌がる」「死後の話を避けたい」「家族への情報開示に抵抗」「後継者未定」といった心理的・情報的ハードルが存在する。
■60代からの相続対策が最多
行動開始時期は 60〜69歳が最多(48.9%)、次いで70代(22.7%)、50代(15.6%)だった。高齢期に入ってからの着手が中心であり、早期準備の重要性が改めて浮き彫りになっている。
■相続の話し合い経験は全国経営者40.1%、関東富裕層50.3%と10ポイント差
家族との話し合い経験は、全国経営者で40.1%(+6.5pt)、関東富裕層で50.3%(+3.3pt) と前回調査から増加。
コミュニケーション面で前進は見られるものの、依然として半数近くが話し合い未経験であり、心理的抵抗や情報開示への不安が課題となっている。
■相続税への不安は全国経営者47.5%、関東の富裕層が46.4%
相続税負担への不安は、全国経営者47.5%(+6.4pt)、関東富裕層46.4%(-7.7pt) と高水準だった。
背景には、近年は路線価上昇幅が大きく、関東圏では相続税評価額が億単位で増加したケースもあり、納税資金不足への懸念が強まっていることが挙げられる。
■財産と聞いて思い浮かべるものは「不動産」がトップ、有価証券は関東富裕層で微増
「財産」と聞いて思い浮べるものは、全国経営者・関東富裕層ともに不動産・現金・有価証券が上位を占めている
・全国経営者:不動産 80.8%、現金 75.4%、有価証券 62.0%
・関東富裕層:不動産 87.8%、現金 79.8%、有価証券 77.0%
前回調査(2025年2月)との比較では、全国経営者は現金・預貯金がわずかに増加、関東富裕層では有価証券・保険が3.7ポイント増加した。
大きな構成変化は見られないものの、関東富裕層における「有価証券・保険」と回答した人の比率の上昇は、NISA制度の拡充など資産運用への関心の高まりや、都市部における物価上昇への備えが影響している可能性がある。
一方で、不動産への関心は両層とも依然として強く、日本の資産家における不動産志向は根強い傾向だ。
■調査結果まとめ
最新調査では、不動産が依然として最多である一方、現金・預貯金や有価証券など流動性資産を重視する傾向も広がりつつある。また、相続税負担への懸念を背景に、生前贈与や保険活用など具体的な対策を取る層が増加していることがわかった。
一方で、依然として4割超が「未着手」であり、早期準備の重要性が浮き彫りとなった。
同調査は、資産に関する意識の見える化を目的に2023年より毎年実施している。今回の調査の結果、相続対策を「何もしていない」と回答した割合は、全国経営者56.2%、関東富裕層43.8%で、両属性の平均が50.7%と、5割超が相続対策に未着手であることが明らかになった。
一方、相続税負担への不安を感じる割合は、全国経営者47.5%、関東の富裕層が46.4%といずれも高い割合だった。
特に全国経営者では、前回調査(2025年2月)より6.4ポイントも上昇。地価上昇に伴い課税評価額が上がりやすく、相続税負担への懸念が強まっていることが背景として考えられる。
■調査概要
・「関東の富裕層調査」
o 調査方法:オンラインアンケート
o 調査期間:2025年10月14日〜10月15日
o 対象:関東在住の富裕層(60歳以上、純資産1億円以上)
o 回答者数:400名
・「全国の経営者調査」
o 調査方法:オンラインアンケート
o 調査期間:2025年10月14日〜15日
o 対象:全国の経営者・不動産オーナー
o 回答者数:504名



