シャープの調査によると、国内市場の家庭向けテレビは、高付加価値モデルの人気がじわり上昇中。販売ボリュームが大きいのは価格的に買いやすいエントリークラスではあるものの、一層の大画面、高画質、高音質、ネット接続と動画配信サービスへの対応、各種の付加機能を持つ上位クラスが販売に占める割合は年々高くなっている。
少し見方を変えて、リビングに置くアイテムの1つとしてテレビを考えると、大きな画面のテレビがあるとリビングが引き締まるし、より上質な空間と雰囲気をもたらす効果もあるだろう。
そんな中、シャープから「AQUOS」シリーズの新モデルが発表された。4K有機ELの「HS1」「HQ1」「HQ2」ラインと、4K液晶の「HP1」「HP2」ラインだ。
どちらも上位のラインは最新世代のパネルを採用し、全モデルでAIを活用した画像処理エンジンの搭載や、各種の機能を強化。正統的なテレビとして、性能と機能を高めた新型となっている。ラインナップ概要と想定価格は以下の通りだ。
4K有機ELテレビ
AQUOS QD-OLED HS1ライン
- 4T-C65HS1:65V型、60万5,000円前後
- 4T-C55HS1:55V型、44万円前後
AQUOS OLED HQ1ライン
- 4T-C65HQ1:65V型、44万円前後
- 4T-C55HQ1:55V型、35万2,000円前後
AQUOS OLED HQ2ライン
- 4T-C65HQ2:65V型、38万5,000円前後
- 4T-C55HQ2:55V型、28万6,000円前後
- 4T-C48HQ2:48V型、25万3,000円前後
- 4T-C42HQ2:42V型、24万2,000円前後
mini LED 4K液晶テレビ
AQUOS XLED HP1ライン
- 4T-C75HP1:75V型、57万2,000円前後
- 4T-C65HP1:65V型、44万円前後
- 4T-C75HP1:55V型、35万2,000円前後
AQUOS XLED HP2ライン
- 4T-C50HP2:50V型、25万3,000円前後
- 4T-C50HP2:43V型、24万2,000円前後
同じくシャープの調べでは、高付加価値テレビの購入層はより「画質を重視」する傾向があり、一般的な液晶テレビの購入層と比較して、映像やサウンドへの興味関心が高い。そこで新モデルの上位ラインでは、画面の輝度や明るさの性能を重点的に向上させている。
合わせて「空間認識AI」を導入し、映像内の奥行きに応じた処理(明暗差や精細感)を行うことによって、より立体的な映像を表示する。具体的には、映像内で手前に位置する部分は鮮やか・くっきり・はっきり、そこから奥へと向かうにつれて、よい意味でだんだんとぼんやりしていくようなイメージだ。
実際に新モデルの映像を観てみたが、空間認識AIの有効/無効でけっこう分かりやすい差がある。通常の視聴体験にどれほど影響するかは一概には言えないが、輝度や明るさの性能アップとともに、気持ち良く満足度の高い視聴体験が得られるはずだ。
省エネ性能に注力しているのもポイント。電気代の高まりもあり、日ごろから意識して節電に取り組むなど、家電製品の省エネ性能に敏感なユーザーが増えていることから、新モデルの全13機種中、12機種で省エネ目標基準を100%達成している。
テレビで視力チェック? ユニークな新機能あれこれ
新モデルにはいろいろと面白い機能が追加された。例えば、昨今のトレンドにもなっている「タイパ」を重視した機能が充実している。
2番組の同時録画(4K放送は裏番組録画)に対応し、録画した番組の最大2倍速再生をサポート(従来モデルは1.5倍再生)。AIオート機能によって、2倍速の再生時でも音声を聞き取りやすいように自動調整してくれる。これ、実際かなりいい!
放映中の番組と録画した番組の2番組を同時に表示する機能では、2番組の表示面積を大小9通りで設定できるほか、サブ画面の字幕表示に対応した。
「L字カット機能」も便利だ。大きなニュースあったときなど、画面の左右/上下にオビが入る場合がある。録画番組を再生するとき、このオビをカットしてメインのコンテンツだけを表示する機能だ(放映中の番組では不可)。
この「オビ」は大きさや位置が放送によって異なり、決まったサイズや規格はないそうだが、L字カット機能では計4パターンの位置とサイズをプリセットしている。有効時は画面の縦横比を保ったままメインコンテンツだけを画面全体に拡大するため、左右または上下のオビだけ幅を変えることはできない。
もうひとつ独特なのは、簡単な視力チェックのアプリ「めめログ」を内蔵したことだ。画面で指示される(画面からの)距離に立ち、自分の手で右眼または左眼を覆って画面上の「C」の向きをリモコンで指定していくと、右眼/左眼の視力が分かるという仕組み。かかる時間はものの数分だ。あくまで目安なので、きちんと「診断」するには医療機関の受診が必要だが、自分の眼をいたわる習慣と意識が根付くかもしれない。
そのほか、ゲーム用の機能も拡充している。ゲーム画面を縮小表示して、画面上の表示位置を変えられる。大画面のテレビにゲーム画面を映すと、ゲームによっては視線の移動が大きくなってプレイしづらくなり、眼も疲れるのだが、これを緩和してくれる機能だ。