この連載では、20年以上富裕層の相続をサポート・コンサルティングしてきた税理士法人レガシィの新刊『100億円相続事典 1億円との徹底比較で見えてくる違い』(1,800円/レガシィマネジメントグループ 著/日経BP 刊)から、一部を抜粋して掲載。
資産100億円の"超"富裕層と資産1億円の富裕層の相続のあり方を比較し、50音順に沿ってエピソードを紹介していくことで、それぞれの考え方や生き方を浮き彫りにしていきます。
第4回のテーマは「借入金」。
【か行】借入金
1億円富裕層: 自宅以外に不動産はほとんどなく借入金はあまりない
100億円富裕層: 不動産を多く所有するので節税対策として借入金は多い
「借入金」、つまり借金は相続税の計算対象の財産から差し引かれるので相続税対策になるといわれています。
ただし、借入金があれば相続税が安くなるというのは正しくありません。 相続税対策としては「いかに現金を不動産などに組み替えるか」が重要です。 不動産の他に生命保険なども該当しますが、借入金で購入するのはほとんどが不動産なので、不動産の借入金にフォーカスします。
1億円富裕層は不動産投資をしていない限り、 借入金はあまりありません。
一方、100億円富裕層は節税対策として借入金で不動産を購入することが多いようです。なぜなら日本の相続税における建物の評価は固定資産税評価額をベースにした評価なのです。日本では建物に対する評価が低く、1億円で購入した建物が5000万円、4000万円と評価額が下がります。そのため不動産購入が節税対策になるのです。一時期タワーマンション購入が節税対策として話題になりましたが、そこに水を差すように規制がかかりました。しかしそれはマンションの1室の場合です。100億円富裕層なら1棟買いすれば、今でも効果的なタワマン節税が可能です。
『100億円相続事典 1億円との徹底比較で見えてくる違い』(1,800円/レガシィマネジメントグループ 著/日経BP 刊)
本書籍は、20年以上富裕層の相続をサポート・コンサルティングしてきた相続のエキスパート達(プレミアム税理士)が、資産100億円の"超"富裕層と資産1億円の富裕層の相続のあり方を比較することで、それぞれの考え方や生き方を浮き彫りにすることを試みています。相続・事業承継専門として邁進してきた弊社の知恵を結集した事典形式の書籍となっています。なぜ100億円規模の資産を築くことができたのか。なぜ長年にわたって維持できているのか。知られざる100億円富裕層の一面を垣間見ることができる様々なエピソードを、50音順に沿ってお楽しみいただければと思います。ただの読み物としてではなく、皆様の知恵の一助としてお役立てください